Infoseek 楽天

ガス欠「反則金9000円」知らない人多い? 場所により違反になる? もし「ガス欠」になるとクルマはどうなるのか

くるまのニュース 2023年3月27日 9時10分

春など行楽シーズンになると増えるのが「ガス欠」によるトラブルです。十分気を付けていても起こってしまうものですが、その直前にはいくつかの「予兆」があるようです。またガス欠になった際には場所によって交通違反といいます。

■行楽シーズン到来!しかし、ガス欠には気を付けて!

 クルマはガソリンや電気で走ります。基本的に残量が減ってくれば給油(充電)することになりますが、例えばガソリン車の場合ガス欠を起こすとどのような状態となるのでしょうか。
 
 またガス欠を起こす直前にはどのような症状が見られるのでしょうか。

 春の行楽シーズンに向けて、家族や恋人、友人たちとのドライブを計画している人も多いかもしれません。一方、行楽シーズンになると増えるのがクルマの燃料切れ、いわゆる「ガス欠」です。

 JAFによると、2021年度のGWにあった高速道路における1492件の出動要請のうち、13.14%にあたる196件が「燃料切れ」によるものだったといいます。

 一般道における「燃料切れ」の出動要請は全体の1.76%であることから、ガス欠は特に高速道路で多く発生していることがわかります。

 ガス欠とは、ガソリンなどの燃料が切れてしまうことでエンジンが停止し、走行を継続することができなくなってしまうことを指します。

 走行中にエンジンが停止すると、アクセルペダルを踏んでも加速しなくなるため、惰性で走行するのみとなります。

 エンジンが停止した状態でも、基本的にブレーキやステアリングは作動しますが、よほど運転に慣れたユーザーでない限りは、周囲の安全に配慮しながら、惰性で走行しているクルマを安全に路肩へ停車させることは難しいかもしれません。

 安全な場所へ停車させることができたとしても、ガス欠してしまったクルマに燃料を補給するのは非常に大きな手間がかかります。

 行楽シーズンではロードサービスも出動要請が増えるため、ドライブを再開するまでに多くの時間を要することを覚悟しなければなりません。

 ガス欠を防ぐ最も確実な方法は、言うまでもなく小まめに燃料計を確認することです。

 ほとんどの場合、燃料がおおよそ5Lから10L以下になると、ガス欠の危険を知らせる「燃料残量警告灯」が点灯します。このランプが点灯した直後に給油すれば、ガス欠が起こることはまずありません。

 また、最近では、走行可能距離がデジタル表示される車種も増えています。「あと何km走行できるか」が明示されるため、燃料計よりも直感的に理解しやすいというメリットがあります。

 燃料計やデジタル表示される走行可能距離を常に注意することで、ガス欠が起こる可能性を最小限にすることができるでしょう。

■ガス欠の前には「予兆」がある? 場所によっては反則金9000円(普通車)の対象に!

 JAFのデータを見てもわかるとおり、十分に気を付けていても、ガス欠を起こしてしまうユーザーが少なくないのが実情です。

 ただ、ガス欠は突然起こるわけではなく、いくつかの予兆があったうえで起こります。

 そのため、そうした予兆に気が付くことができれば、走行中に突然エンジンが停止してしまうというような最悪の事態を避けることができるかもしれません。

 例えば、燃料が少なくなるとクルマの総重量が軽くなるため、ガソリンが十分に入っている時に比べてわずかに運転感覚に違いが現れることがあります。

 そこからさらに燃料が少なくなると、エンジンへ燃料が行き渡りにくくなるため、アクセルペダルを踏んだ際の加速感が鈍くなる場合があります。こうした症状は、登り坂などで特によく見られるようです。

 つまり、クルマが軽くなったような感じや、加速が鈍くなったような感じを覚えたら、それはガス欠が起こる予兆と言えます。

高速道路でガス欠になると交通違反となる?

 こうした予兆を感じた際には、まず燃料計をしっかりと確認することが重要です。

 そのうえでガス欠が近いと感じた際には、無理に走行せずにまずは安全な場所へと停車し、最寄りのガソリンスタンドを探しましょう。

 もし付近にガソリンスタンドがない場合には、ロードサービスに救援要請をすることになります。

 高速道路上では、ハザードランプを点灯させたうえで発炎筒と三角停止板を適切に使用したうえで、道路緊急ダイヤル(#9910)に連絡するか、道路脇に設置されている非常電話にて通報しましょう。

 燃料計が備わっていないような古いクルマに乗るユーザーであれば、こうしたクルマの「声」を聞くことで、燃料残量を予測することがあります。

 ただ、ふだんあまりクルマに乗らないユーザーや、あるいはレンタカーなどふだんのクルマとは違うクルマに乗る場合などは、こうした予兆に気が付くことは相当難しいものです。

 やはり、こまめに燃料計を確認し、ガソリンスタンドの場所も把握しておくなどして、ガス欠を未然に防ぐことが重要です。

※ ※ ※

 高速道路でガス欠を起こしてしまうと、非常に危険であることはもちろん、多くの手間やコストがかかります。さらに、道路交通法第75条の10第1項「自動車の運転者の遵守事項」の違反にも該当する可能性があります。

 高速道路や自動車専用道路を走行する際には、あらかじめ燃料や冷却水、エンジンオイルの量や貨物の積載状況を点検し、安全に走行できるように努める義務があります。

 燃料切れによるガス欠は、そうした義務を怠ったと見なされる可能性があり、その場合は違反点数2点、反則金9000円(普通車)の対象となります。

 ガス欠を起こしてしまったうえ、道路交通法違反にも該当してしまうと、楽しいドライブどころではありません。そうならないためにも、ドライブの前には燃料の残量に十分注意しましょう。

この記事の関連ニュース