例年3月は車検を受ける人が多い時期です。2023年1月から車検証が電子化されたことで、多くのユーザーが新しい車検証を手にしているようですが、そのデメリットについてSNSなどでコメントするユーザーが散見されます。
■電子車検証増加中! デメリットもわかってきた?
例年3月は決算期であることが多く、各販売店が新車・中古車の販売に力を入れるため、登録台数も増えることから、車検の有効期限も3月に集中。よって車検を受ける人も増加する傾向にあります。
そんななか、2023年1月からは車検証(自動車検査証)が電子化され、新しい車検証を手にするユーザーも多いようですが、「電子車検証」のデメリットを感じるユーザーも多いようです。
車検証は、クルマの所有者などの情報や、車体の大きさやエンジンなど動力装置の性能といった情報が記載され、車内に携帯することが義務付けられている大切な書類です。
国土交通省は2020年5月に道路運送車両法の一部を改正する法律を公布し、「電磁的方法」により記録する、つまり電子化することを明らかにしました。
これまで車検証はA4判相当の紙でしたが、2023年1月4日から、ICチップを内蔵し文庫本に近いA6判相当(105mm×177.8mm)へと縮小した電子車検証の交付が始まっています。
従来であれば、車検を継続し有効期限が変わったなどにより新しい車検証の交付を受ける必要がある時、直接運輸支局(陸運局)などに出向く必要がありました。
しかし電子車検証の場合、整備工場でICチップのデータを更新すれば、運輸支局に持ち込む必要がなくそのまま新しい車検証として使えるという利点があります。
一方で、記載される情報は限られており、車検の満了日(車検証の有効期間)や所有者・使用者の住所・使用の本拠地といったものは表示がなくなりました。
これらの表示のないものは、スマートフォンなどで「車検証閲覧アプリ」を使用し、確認することができます。
また、専用アプリには車検証の有効期間やクルマのリコールに関する情報を知らせてくれる機能、さらに車検証の情報をデータで出力する機能もあるため、これまでの紙車検証よりも役に立つ機能もあります。
そんななか3月になり、先述の理由から新たな車検証を手にしたユーザーも増加。
SNSなどでは「自賠責証券と近い大きさで保管しやすい」「すごいななんでも電子化だ」「メチャメチャ小さい」など驚きの声や、サイズが縮小したことで保管しやすさが向上したという意見も見られます。
一方で、電子車検証について疑問視する声も見られます。
「車検証閲覧アプリでいちいち読み取らないとダメなのか」「アプリ入れないと車検証情報の確認が出来なくなりました…」など、専用アプリで読み取らなければ確認できない情報があることを不便に感じるユーザーも。
さらに、「電子車検証とは別に自動車検査証記載事項とかいう紙を渡されるんだけどなにこれ?」と、電子車検証配布開始から少なくとも3年間配布される予定である、補助的な書類について、懐疑的な意見も投稿されています。
また一部のユーザーは、「自動車検査証記録事項というA4の別紙がないと自動車保険を更新できない」と、電子車検証が自動車保険更新時の足かせとなっていることについて嘆くコメントも投稿されています。
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電子車検証をめぐっては、ユーザーだけでなく自動車業者も困惑しているようです。
中古車販売店のスタッフは「お客様のクルマを下取りしたり、買取したりする際に所有者情報がすぐにわからないことや、使用の本拠地がわからないのでとても不便に感じています」と話します。
すでにユーザーや自動車業者からはデメリットとも言えるポイントが出ているようですが、今後どのように改善がなされていくか期待されます。