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あなたはどっち派? 車の「ブレーキ時の“かかと”をつける・つけない問題」正解は!? さらに重要なポイントも

くるまのニュース 2023年3月27日 14時10分

運転の際の細かな動作のなかでも、実は正解がわからないことがあります。「ブレーキング時に右足の“かかと”をつける・つけない問題」もそのひとつです。

■そもそも大事なのは「“かかと”の位置」にあらず!?

 ブレーキペダルを踏む際、かかとはフロアにつけて踏んでいますか。それとも浮かせていますか。
 
 この「ブレーキング時に右足の“踵(かかと)”をつける・つけない問題」、果たして「正解」はどちらなのでしょう。

 多くの自動車教習所では、足を上げてかかとをフロアから離し、上から押さえるように踏むよう教えられます。

 しかし無事に運転免許を取得し、いざ世の中に出てみると、かかとはブレーキペダルの手前に置き、ブレーキペダルを踏むときはフロアにかかとをつけたまま踏む人が多いようです。

 アクセルペダルを踏むときも、かかとの位置は動かさずフロアにつけたまま、足をひねってアクセルペダルを踏む、という方法が正しいとされている事実に直面します。

はたしてブレーキペダルを踏むときは、かかとをつけているのが正解なのでしょうか。それとも浮かせているのが正解なのでしょうか。

 かかとをフロアにつけたままブレーキ操作を行う方法は、繊細なブレーキ操作がしやすいです。もちろん、かかとを浮かせての操作でも、丁寧なブレーキングができる熟練ドライバーもいます。

 また、長距離運転で疲れにくいのも、かかとをつけた操作のほう。メーカー純正フロアマットでは、ブレーキペダル付近まで、かかとがつく部分に補強がされているものもあることから、自動車メーカーとしても、かかとをつけてブレーキ操作をすることを前提に設計しているようです。

 1970年代ごろのクルマには、ブレーキブースターのような倍力装置がなかった(もしくはオプションだった)ため、ブレーキングには大きな力が必要で、かかとをつけたまま操作する、なんてことはとてもできるものではありませんでした。

 しかしいまのクルマにはブレーキブースターが当然備わっているため、踏み込む力は小さくても、十分にブレーキを利かせることができます。

 ではなぜ、教習所ではいまでも「かかとを浮かせてブレーキを踏む」と教えているのでしょうか。

 その理由は、緊急時にABS(アンチロックブレーキシステム)を作動できるまで力強く踏み込めるようにするため、そして運転初心者が、どんな状況でも確実にブレーキペダルを操作することができるようにするためです。

 教習所では「上手な運転」よりも、まず「安全で確実な運転」を教えることが重視されます。

 足を上げ、かかとをフロアから離してのブレーキングは、繊細なブレーキ操作はすこし難しくなりますが、確実にブレーキをかけるという意味ではこちらのほうがやりやすいでしょう。

 そのため、教習所ではかかとを浮かせてブレーキペダルを踏むよう教えているようです。

 普段かかとをつけてブレーキングをしていても、強くブレーキをかければ、自然とかかとはフロアから離れます。

 むしろ大事なのは、かかとをつける、つけないよりも、本来「いざ」というときにブレーキペダルを奥まで踏み込める用意があるかです。

 例えば、ブレーキを奥まで踏み込める位置にシート前後位置が合わせてあるか。左足はフットレストできちんと踏ん張れているか(MT車ならばクラッチを奥まで踏み切れるか)。履き物は適切か。

 これらのほうが、かかとをつける・つけないよりも、よほど重要なポイントだと筆者(河馬 兎)は考えます。

※ ※ ※

 かかとをつけてのブレーキングについては、「かかとを支点にしてペダルを踏みかえていると、踏み間違えを起こしやすい」といわれることがあります。

 踏み間違えについては、足を上げてかかとをフロアから離してのペダル操作のほうが起こりやすいとする説もあり、筆者はどちらでも起こりうることだと考えています。

 現代のクルマには多くの安全装備が備わっており、緊急時にはドライバーがブレーキペダルを踏む速度から判断して、ブレーキが足りなければ不足分を補ってくれるシステムもあります。

 しかし現在のシステムは、あくまでドライバーを「サポート」してくれるだけであり、事故となった際の責任はドライバーにあります。

 責任がある以上、確実に操作できるよう準備をしていくことがドライバーの「義務」です。

 かかとの位置にこだわることなく、常に確実なブレーキ操作ができる備えをすることが、ブレーキング時の右足かかとをつけるつけない問題の答えだと考えられます。

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