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「個人情報」がバレる…本当? クルマの「ナンバープレート」で何が分かる? 個人特定出来る、噂は本当なのか

くるまのニュース 2023年4月6日 9時10分

クルマのナンバープレートから個人情報が特定されることはあるのでしょうか。

■クルマのナンバーをSNSにアップすると危険?

 自分のクルマを写真に撮ってSNSに投稿している人を見かけます。クルマのナンバープレートを隠さないと個人情報が分かってしまうといったウワサも聞かれますが、本当なのでしょうか。

ナンバープレートで個人情報は調べられる? (画像はイメージ)

 SNSでは日常の1コマとして風景や動物、食べ物などあらゆる写真が投稿されています。その中には、自分の愛車の写真をアップするという人もいるでしょう。

 しかし、クルマの写真を巡っては「ナンバープレートが写っていると個人情報が特定されて危険」という意見が聞かれることもあります。では、それは事実なのでしょうか。

 結論からいうと、一般市民がナンバープレートからクルマの所有者や住所といった個人情報を特定することは非常に難しいといえます。

 なぜなら、情報の照会には厳格な手続きが必要だからです。仮に普通自動車のナンバープレートから所有者などを調べる場合、運輸支局や自動車検査登録事務所の窓口で「登録事項等証明書交付請求」という手続きをしなければなりません。

 請求手続きの際は、クルマのナンバーと車台番号(下7桁の数字)、証明書を請求する理由、請求者の氏名・住所の情報が必要です。車台番号は車検証に記載されているほか、ボンネットを開けたエンジンルームの奥や運転席シートの下部など外部から見えない部分に打刻されているケースが多く、他人が確認するのは難しいといえるでしょう。

 また、証明書を請求するには正当な理由が必要です。関東運輸局のウェブサイトには、請求理由に関して「何のために必要なのかを具体的に記入して下さい。不正な目的の場合、交付できません」と明記されており、単純にクルマの所有者を知りたいというだけでは請求できないものと考えられます。

■他人が請求できる「例外」もある

 例外として、自分が管理する土地に見知らぬクルマが長期間駐車されているといった放置駐車の場合に限り、土地の管理者がクルマのナンバーのみで所有者を照会できるケースがありますが、その場合も現場の見取り図や放置車両の写真などの書類を提出する必要があります。

 このように、クルマの関係者や放置車両の被害を受けている人以外がクルマの情報を照会することは現実的に不可能であり、ナンバープレートから個人情報が判明することは基本的にありません。

 しかし、クルマの写真や動画の内容によっては個人を特定されてしまうことがあるため注意が必要です。

ナンバープレートで個人情報は調べられる? (画像はイメージ)

 例えば自宅の駐車場でクルマを撮影した際、自宅の表札や背景に特徴的な建物などが写っていたりすると自宅を特定されるケースがあります。また、道路のマンホールから地域を特定したり、ドライブレコーダーの映像からクルマのユーザーの行動範囲を絞ったりすることも可能です。

 車内で撮影した場合でも、助手席に置かれた書類や撮影者が着ている制服や作業服などから、勤務先を特定されてしまうことも考えられます。

 過去には、クルマ関連の写真ではないものの、SNSに投稿された顔写真の瞳に映った景色から、男性がアイドル活動をしている女性の自宅を割り出して襲いかかったという事件も発生しています。

※ ※ ※

 クルマのナンバープレートだけで個人情報を調べることは困難ですが、写り込んだ風景・建物などから個人を特定されてしまう事例があります。SNSに写真や動画を投稿する際はそのようなリスクをよく理解したうえで、身元を特定されないような対策が必要といえるでしょう。

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