Googleマップは、カーナビの代用品として現代社会における必須アプリのひとつとなっています。時折不可解なルートを案内してしまうという特徴がありますが、そのようなことが起こるのでしょうか。また、それを防ぐ方法はあるのでしょうか。
■「え、そんなとこ通るの?」…Googleマップの落とし穴
現代社会における必須アプリのひとつとなっているGoogleマップ。
カーナビの代用品としても非常に重宝するGoogleマップですが、時折不可解なルートを案内してしまうという特徴がありますが、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
2022年10月、アメリカのアプリ調査会社「data.ai」は、Googleマップアプリの全世界におけるダウンロード数が10億件を突破したことを明らかにしました。
また、国別ダウンロード数を見ると、日本は米国に次ぐ世界第2位となっています。
そんなGoogleマップは、高い機能性と使い勝手の良さからカーナビの代用品として多くのドライバーに利用されています。
特に、ディスプレイオーディオを搭載しているクルマも多くなってきた昨今では、Googleマップの重要性もさらに高まりを見せています。
一方、実際にカーナビの代わりとしてGoogleマップをドライブに使用すると、一般的なカーナビに比べて道案内に違和感を覚えることも少なくありません。
その最たる例が、不可解なルート案内です。
一般的なカーナビの場合は、幹線道路を優先してルート案内を行なうことがほとんどですが、Googleマップではクルマで通るのがためらわれるような細い道も案内されることがあります。
多くの場合、そうしたルートを通ることでいくらかのショートカットになるようですが、目的地への到着時間にはほとんど影響しないことも多いため、わざわざ細い道を通った理由がわからず釈然としないドライバーも少なくないようです。
Googleマップを含むナビゲーションシステムのほとんどは、経路探索システムの基礎に「ダイクストラ法」というアルゴリズムを用いています。
オランダの計算機科学者のエドガー・ダイクストラ氏によって1959年に考案されたこのアルゴリズムは、ある地点からある地点までの最短経路を求めるためのアルゴリズムです。
実際には、周辺道路の混雑状況なども加味して経路探索を行なっているため、常に最短経路を優先しているわけではありません。
しかし「最も運転しやすい経路」ではなく「最も短い経路」を選択することが基本となっているため、わずかな距離でもショートカットしてしまうことが多いようです。
ちなみに、Googleマップではダイクストラ法のほかに、「A*(エースター)」というアルゴリズムも使用されていますが、どちらも効率的に最短経路を求めるものである点は共通しています。
■使えば使うほど賢くなる?Googleマップを使うコツとは
では、できる限り細い道を通りたくないという場合には、Googleマップは使うべきではないのでしょうか。
Googleマップでは、基本的に到着時間が最も早いルートを優先して案内する傾向があるため、最も簡単な対策としては、目的地を指定した際に表示される複数のルートのうち、幹線道路を優先しているルートを選択することです。
そのうえで「固定」というボタンをタップすることで、そのルートを「おすすめの経路」として固定することができ、毎回そのルートを案内するようになります。
あるいは、目的地までのあいだに「経由地」を複数設定することで、イメージに近いルートとすることもできます。ただし、地図を読むことやアプリの操作に慣れていないとやや面倒かもしれません。
Googleマップでは、各スマートフォンの膨大な移動情報を匿名化して解析することで、より精度の高い経路探索が行えるようにしています。
また、ユーザーからのコメントによるフィードバックも重視しており、新しく開通した道路の情報なども短時間で反映させています。
つまり、多くのユーザーが使えば使うほど、Googleマップは進化していくという仕組みとなっています。
たしかに現時点では使いにくさも感じることもありますが、無料かつ世界各国で利用できることを考えると、Googleマップは現代社会において必須のアプリであることは間違いありません。
ただし、ほかのカーナビアプリや車載型のカーナビと比べて一長一短があるのも事実であるため、それぞれの特徴をしっかり理解したうえで使い分けるのがベストと言えそうです。
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過去には、Googleマップを利用していた自転車や原付ユーザーがルート案内の指示にしたがって、高速道路へと侵入してしまう事例がありました。
また、時間帯で規制される一方通行や指定方向外進行禁止がルート案内に反映されておらず、危うく交通違反をしかけてしまったということもあるようです。
一見万能なように思えるGoogleマップですが、あくまでもドライバーを補助するものであることは言うまでもありません。Googleマップを過信しすぎることなく、上手に使うことを心掛けましょう。