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日産が2人乗り「オープンSUV」誕生させてた! 名前はまさかの「柔道」!? SUVブームを予感させた斬新4WD「ジュード」の正体とは

くるまのニュース 2023年4月5日 7時10分

世界的なSUVブームが起こるはるか前の1987年。日産は「Judo(ジュード)」という名のコンパクトSUVを東京モーターショーに参考出品していました。35年が経過した今見てもスタイリッシュに映る、謎のSUVコンセプトカーに迫ります。

■「柔道」ではなく「Judo(ジュード)」!

 乗用車のプラットフォームをベースとしたクロスオーバーSUVといえば、トヨタが1994年に発売した初代「RAV4」が草分け的存在のひとつですが、実は日産も同様なクロスオーバーSUVのコンセプトカーを、東京モーターショーに出展していました。

 その登場はRAV4登場よりおよそ7年前の1987年で、車名は日産「Judo(ジュード)」。登場が早すぎたSUVについて改めて紹介します。

 それまで「ジープ」や「ランドクルーザー」など、ラダーフレーム構造で重厚かつ本格四輪駆動車しかなかったSUVジャンルに、よりライトな存在として現れたのが初代RAV4でした。

 翌1995年登場のホンダ「CR-V」や、1997年登場のトヨタ「ハリアー」などと共に、欧米メーカーも追従する世界的なSUVブームを巻き起こすきっかけを創り出した歴史的モデルといえます。

 しかし日産がそのはるか前に、こうした一大ブームを予感させる軽快なSUVコンセプトカーを提案していたことはあまり知られていないかもしれません。

 1987年10月に開催された第27回東京モーターショーで、日産はジュードを参考出品しています。

 当時日産が発表したプレスリリースには、次のように記されています。

「日産の新しいRV思想の広がりを表現した、運転すること自体が楽しい『都市型ランナバウト4WD』」

 RVとは「レクリエーショナル・ビークル」の略で、アウトドアレジャー向きなクルマをひとくくりにした用語です。SUVやミニバンなどの名称がまだ広まっていない1980年代から90年代にかけて使われていました。

 そしてランナバウトとはこの場合、小型の2シータースポーツモデルを指しています。

 四輪駆動車といえばタフさと高い悪路走破性が最重要だった時代にあって、都会にも似合うフォルムとオフロードスポーツカーの精悍さを兼ね備えたという外観デザインは、登場から35年が経過した今改めて見てもかなり新鮮なものに映ります。

 全長も3990mmとかなりコンパクトで、ルーフ全体がスライドする変速的なオープントップ形状が大きな特徴でした。後部には油圧式スペアタイヤハンガーを備えます。

 搭載されるパワートレインは、2リッター V型6気筒「VG20DET」型 DOHC ハイフローセラミックターボエンジンで、ビスカスカップリング式フルタイム4WDと組み合わされます。

 オンロード、オフロードともに余裕ある走りを楽しめると日産では当時説明していました。

※ ※ ※

 ジュードの不思議な車名を聞いて、ビートルズの楽曲「Hey Jude(ヘイ・ジュード)」の“Jude”が浮かぶ人もいるかもしれません。

 ただし日産の車名は“Judo”。外国人なら「柔道」と勘違いしてしまいそうなつづりです。なお日産が1987年当時発表したプレスリリースに、車名の由来についての記載はありませんでした。

 その後日産は2010年、コンパクトSUVの先駆けとなる「JUKE(ジューク)」を発売しました。

 直接の関係は何もありませんが、丸くて大きなフォグランプ形状に、どこかジュードの面影を感じさせるのが不思議なところです。

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