三井住友海上火災保険が、ペーパードライバーに関する実態調査の結果を公表しました。ゴールド免許保有者のうち、およそ3人に1人が「ペーパードライバーの自覚がある」といいます。
■運転する「真の優良ドライバー」の割合は?
ゴールド免許の保有者のうち、ペーパードライバーの人は、どのくらいの割合でいるのでしょうか。また、ペーパードライバーを卒業した人は、どのようなきっかけがあったのでしょうか。
今回、こういったペーパードライバーに関する実態調査が公開されました。
三井住友海上火災保険は2023年3月、ペーパードライバーと自動車の運転に関する調査の結果を発表しました。
自動車の運転免許の保有者は増加傾向にありますが、免許を持っているにもかかわらずクルマを運転しない、いわゆるペーパードライバーの人もいます。
免許証にはゴールド・ブルー・グリーンの3色がありますが、このうち過去5年間に無事故・無違反だった優良ドライバーに交付されるゴールド免許の保有者の割合は、今回の調査によると全体の76%でした。
ただ、このゴールド免許保有者のうち、およそ3人に1人(32.2%)が「ペーパードライバーの自覚がある」と回答しており、“真の優良ドライバー”は全体の約半数、ゴールド保持者に絞ると3人に2人でした。
では、このペーパードライバーの人たちはどのくらい運転していないのでしょうか。
ペーパードライバーのうち、定期的に運転していない期間が「3年以上」と答えた人は73.3%、「10年以上」は最多で50.5%でした。
運転の自信度を100点満点の自己採点で聞くと、半数以上が「20点未満」と回答。平均は25.4点でした。なお、「元」ペーパードライバーだと平均は60.4点まで上がっています。
運転しなくても免許証を更新し続ける(続けた)理由は、「将来的に車に乗るかもしれないから」が最多で56.3%、次いで「写真付きの身分証明書として使えるから」52.1%、「免許を取るために、お金がかかるから」19.4%、「履歴書の資格欄に書けるから」11.4%、「試験に必要だ(った)から」9.2%、「その他」2.5%、「特になし」10.3%といった結果でした。
ペーパードライバーの2人に1人(50.8%)は、ペーパードライバーを卒業したいと回答しています。
■ペーパードライバーは、なぜ運転しないのか?
ペーパードライバーが運転をしない理由は、男女で傾向が異なります。
最多だった回答は、男性は「車を持っていないから」が49.5%だった一方、女性は「運転が怖いから」が77.0%でした。
三井住友海上火災保険は、「女性は『運転が怖いから』『事故を起こしたくないから』(57.5%)という、運転はしたいけれども心理的なハードルが大きいこと、男性はそもそも『車を持っていないから』や『運転する機会がないから』(38.0%)という環境的要因に左右されていることが伺えます」と分析しています。
また、ペーパードライバーを卒業したきっかけも、「車がないと不便な地域に引っ越したため」「仕事で必要になったため」といった理由は男女とも回答の割合に大きな差はありませんでしたが、ほかの選択肢では差が出ています。
「子供や親の送り迎えの機会ができたため」「子連れでの移動のため」は女性が多かった一方、「友人とのドライブやデートの機会が増えたため」「コロナ禍でキャンプやゴルフなどアウトドアの機会が増えたため」は男性が多い結果に。
女性は日常的な理由で、男性は非日常的な理由で「ペーパー」を卒業する人が多い傾向にあるようです。
ペーパードライバーを卒業できた人からは、次のようなエピソードが自由回答で寄せられています。
・車を購入し、休日に行きたい所へ自由に行けるようになった事が嬉しい。(男性、30代)
・子供2人を病院に連れて行ける様になった。ワンオペ育児だったので、車を運転できるようになると、休日も子連れで出かける回数が増えた。(女性、40代)
・欲しい物を買うのに、何店舗もまわって納得のいく物を買えるようになった。いつでも、夜中でも外出できるようになった。(男性、50代)
三井住友海上火災保険は、ペーパードライバーを卒業したことで行動範囲が増えた、自由度が増えたという声が多く見受けられたとしています。