かつてはカスタムの定番となっていたクルマのホーン。しかし、その後カスタムホーンは減少傾向にあります。では、その中でも今ホーンをカスタムする人にはどのようなこだわりがあるのでしょうか。
■かつては定番のカスタムだった!?
クルマのホーン(クラクション)は、かつてはカスタムの定番となっていました。
しかし、その後カスタムホーンは減少傾向にあるといいますが、現在でもをカスタムする人にはどのようなこだわりがあるのでしょうか。
クルマのホーンは、前方7メートルの位置で112db以下87db以上である同じ音量を繰り返し鳴らすことができれば車検に通ることになっています。
つまり、その規定範囲であれば自分の好みの音色にカスタムすることができるということです。
かつては、ホーンがカスタムの定番であった時代もあり、主に「平型」と「渦巻き型」に分けることができます。
純正の多くは平型ですが、渦巻き型にカスタムするとトランペットのような共鳴が起こり、「ファーン」と独特の音を響かせます。クルマ好きはこぞって自分好みにホーンをカスタムしていました。
なお音色についてについて、ホーンを製造する国内メーカーの担当者は、次のように話します。
「ホーンの種類によって、中音や低音といった音色の組み合わせなどが異なり、違う音色が鳴るようになっています。
音色の違いは、メーカー側がユーザーのニーズに合わせてあえて異なるように制作しているケースもあります」
では、なぜ最近ではカスタムホーンの存在をあまり見かけなくなったのでしょうか。
その理由について、オートバックスセブンの広報担当者は以下のように話します。
「純正のホーンから他社のホーンに取り替える人は今でもいますが、一定時期よりは減少傾向にあるのではないかと思います。
取り付け数自体も2018年と2022年を比較すると、約10%ほど減少しています。この傾向はずっと続いていくのではないかと思います」
続けて前出の担当者は、「その背景のひとつとしては、クルマ自体の変化が挙げられます」と話します。
そもそもホーンを取り付けることができるほどのスペースがあるクルマが減少している傾向が見受けられます。
ホーンの多くはフロントバンパーとラジエーターの間に設置されていますが、たとえば軽自動車などではフロントバンパーのあたりのスペースが非常に小さくなっています。
また最近では、ホーンを取り付ける際にはフロントバンパーを取り外しますが、そこには自動運転などのセンサーが付いているクルマが多くなっています。
もしフロントバンパーを取り外してホーンを取り付ける場合、センサーの点検を必ずおこなわなければいけません。
そのため、取り付けの費用が非常に高額になり、ホーンをカスタムする人が減少したのかもしれません。
ちなみに、ホーンを取り替えることは自分でおこなうこともできますが、なかにはフロントバンパーを脱着したり、作業手順を誤るとヒューズが飛んでしまったりすることも考えられるクルマもあるため、ある程度のクルマに関する知識が必要といえます。
■今でもカスタムホーンを取り替えるのはどんな人?
しかし、そんな今でもホーンをカスタムする人はいるといいます。では、どのような人がホーンのカスタムを行っているのでしょうか。
前出の担当者は、その理由について以下のように話します。
「いまホーンをカスタムしている人の中には、所有しているクルマにセンサーが付いていなかったり、バンパーあたりのスペースが広くなっていたりするクルマに乗っている人。
ホーンの音色にこだわりがある人、純正ホーンが気に入らない人などが交換しているのではないかと思います」
純正のホーンとは異なった個性ある音色や音の広がりなども、カスタムホーンの魅力のひとつです。
高音と低音のダブルホーンやヨーロッパ車に装着されている広がりのあるタイプなど、さまざまなバリエーションがあるため、クルマにこだわりのある人は取り替えを検討しているようです。
車検では保安基準に適合しているかチェックされますが、ホーンの音量や鳴り方を守っていれば問題ないとみなされるため、さらに愛車を好きになれるかもしれません。
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このように、以前ほどは見かけなくなったカスタムホーンですが、今でも一部のクルマ好きには愛されているようです。