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ホントにイケる!? 三菱 新型「デリカミニ」でハードな「ぬかるみ」や「モーグル」もクリア! タフすぎる軽四駆の走破性を体験してみた

くるまのニュース 2023年4月12日 18時10分

三菱の新型「デリカミニ」は、カッコ可愛い見た目と両側スライドドアで便利な実用性をもつ軽自動車、というだけではありません。デリカの名前を継承する弟分として、走りの性能の高さもしっかりと備わっていました。

■「デリカ」の名前は伊達じゃない! 軽スーパーハイトでもこの走破性!

 三菱 新型デリカミニは、2023年1月の東京オートサロンで実車が初公開された軽スーパーハイトワゴンです。タフなクロスオーバーミニバン「デリカD:5」の名称を引き継ぐ弟分として「Reliable & Active Super Height Wagon(頼れるアクティブな軽スーパーハイトワゴン)」をコンセプトに、4月5日時点で約9000台の予約受注を集めるなど、早くも評判を呼んでいます。

 2023年4月8日、アウトドア専門の複合商業施設「モリパーク アウトドアビレッジ」(東京都昭島市)でおこなわれた「新型デリカミニ発表イベント DELICA MINI OUTDOOR FES」のなかで、新型デリカミニの4WD性能を実際に体験することができました。

 試乗車両は660ccターボエンジンを搭載する最上級グレード「Tプレミアム」(4WD/販売前のプロトタイプモデル)です。

 新型デリカミニの4WDは、2WDモデルのタイヤサイズ(165/55R15)に対し大径なタイヤ(165/60R15)を装着するとともに、160mmの最低地上高を確保しています。また4WD車専用に開発された前後ショックアブソーバーも装着されているのも特長です。

 試乗は、本格的な悪路を模した特設コースで行われました。

 20度の斜面を横切る「キャンバー走行」、左右に異なる凹凸がある「モーグル走行」、滑りやすい路面をイメージし右前輪と左後輪がローラーとなっている「脱出路」の3つに分かれており、プロドライバー運転のもとリアシートに同乗するかたちで体験します。

 最初はキャンバー走行です。運転席側から大きなコブに乗り上げるようなかたちで、車両が大きく左に傾きます。進入時には右後輪が、脱出時には右前輪が地面から離れて完全に浮いた状態になりますが、室内にいるとその様子はほとんど分かりません。

 両側スライドドアを装備し開口部の大きい軽自動車でありながら、ボディが大きく揺れたりたわむような印象は感じられず、同乗でもしっかりとした剛性感を味わうことができました。

 最大20度付近になると、外で見ているのもかなりの迫力ですが、室内で体感するとその迫力度合いはさらに増します。

 ただ新型デリカミニ自体が持つ能力なら、この程度の傾きでは余裕があるといいます。三菱によれば、メーカー届け出数値による「横転角度」は42~43度(グレードにより異なる)とのことで、試乗コースはまだ半分弱の数値だとわかります。

 また、新型デリカミニの座面と背もたれ部分に使われている立体3Dパターンの撥水シート生地と身体とのフィット感がとても優れており、大きく傾いた状態でもシートベルトを装着していれば身体がずり落ちることがなく、リアシートのホールド性の良さも体験できました。

■地面を捉えて離さない! 凹凸があるモーグル路にチャレンジ

 続いてモーグル走行区間に進みます。左右それぞれ異なる凹凸があり見た目ではかなり段差がありますが、デリカミニの室内ではクルマが左右に大きく傾くことがなく、水平に保たれていることが印象的でした。

 外から走行の模様を見ていると、凹凸でもタイヤが地面から離れることなくキチンと接地をしていて、サスペンションのストロークがしっかり確保されていることが伺えます。さらに段差の乗り越え時にも、速度がごく低速の状況ですがガツンとした衝撃が室内に伝わってこず、しっとりとした乗り心地を体感できました。

モーグル路面ではサスペンションが大きくストロークして、路面をしっかりと捉えている様子が分かる

 最後は滑りやすいぬかるみをイメージした脱出路体験です。右前輪と左後輪がローラー状となっており、車輪が空転することで止まっている反対側に駆動がかからず、前に進めない状態になります。

 このような状況でも、デリカミニはスリップした駆動輪へブレーキ制御をかけることで、グリップをしている方のタイヤへしっかりと駆動力をかけることができる「グリップコントロール」機能が装備され、脱出が可能になっています。

 特にスイッチなどの操作は必要なく、車両側がスリップを検知するとマルチインフォメーションディスプレイに作動状況を知らせて、自動的に機能が働きます。ポイントはアクセルを緩めずに一定の力で踏み込み続けることだそうで、約2000回転をキープしながら数秒待つと制御が働きクルマを前に進めることができました。スキー場の駐車場や、雨で地面がぬかるんでいるオートキャンプ場などで、役立ちそうな機能です。

 今回はイベント会場内での限られたスペースでの同乗体験でしたが、見た目のタフさだけではなくその走りの性能にも、小さいながら「デリカ」の血統がしっかりと受け継がれていることを実感できた試乗体験でした。

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