ゴールデンウィークの長期休暇期間では、高速道路を利用した長距離のドライブに出かける人もいるかもしれません。そこで便利なのが「ハイウェイホテル」という宿泊施設ですが、いったいどのようなサービスを受けられるのでしょうか。
■高速道路のSA/PAに設置されている「ハイウェイホテル」って何?
毎年ゴールデンウィーク(GW)の時期に各高速道路では大規模な渋滞が発生します。
そんな多くの人が移動するなかで、注目を集めているのが高速道路を降りずに宿泊が可能な「ハイウェイホテル」という宿泊施設ですが、いったいどのような施設なのでしょうか。
ハイウェイホテルとは、その名の通り、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)に設置されている宿泊施設です。
このハイウェイホテルには、一般的なホテルなどの宿泊施設と同様、テレビや冷蔵庫、Wi-Fiなどの設備が備わっているほか、シングルやダブルなど用途に合わせたタイプの客室を選ぶことができます。
また、ホテルによっては無料の軽食サービスが用意されている場合や、レストランやフードコートなど、さまざまなサービスが提供されています。
そんなハイウェイホテルの魅力のひとつには、高速道路を降りることなくホテルにチェックインすることができるという点が挙げられます。
一般的な宿泊施設を利用する場合は、高速道路を降りる必要があり、高速道路は利用するのに通行料金にくわえて、利用料金がかかってしまいます。
もし一度高速道路を降りてしまった場合、再度利用する際にさらに追加で料金がかかってしまいます。
こうした手間を考えると、高速道路を降りずに宿泊が可能であるハイウェイホテルは、出張や長時間のドライブでの疲れを癒すのにピッタリな施設といえます。
現在、このハイウェイホテルは東北自動車道の「E-NEXCO LOGDE 佐野SA店」「E-NEXCO LOGDE 長者原SA店」。
東名高速道路の「レストイン時之栖(足柄SA 上り線)」、「ファーストラウンジ豊田上郷(上郷SA下り線)」、名神高速道路の「レストイン多賀(多賀SA下り線)」。
関門自動車道の「ファミリーロッジ旅籠屋 壇ノ浦PA店(壇之浦PA)」、山陽自動車道の「ファミリーロッジ旅籠屋 宮島SA店(宮島SA上り線)」などに設置されています。
なお、中日本エクシスの担当者は以前の取材時に「新型コロナウイルス感染症流行前後で利用するユーザー層や需要などには変化が見られます」と話していました。
またハイウェイホテルを利用するユーザー層については、ビジネス・ファミリー・トラックドライバー・バスドライバーなど多岐に渡っているといいます。
■なぜハイウェイホテルは誕生したのか?
では、こうしたハイウェイホテルはどのような経緯で設置されたのでしょうか。
「E-NEXCO LOGDE 長者原SA店」などを運営しているNEXCO東日本の担当者は以下のように話します。
「『E-NEXCO LOGDE 長者原SA店』は東北道の概ね中間点に位置し、上下線に出入り可能なスマートインターチェンジがあります。
さらに大崎市内には名湯鳴子温泉群や鳴子峡などの多くの名所・観光地があるなど、東北道をはじめ、高速道路ネットワークを利用した東北各地への拠点としてのロケーションの良さがあるため、ハイウェイホテルの設置場所として適切であると考えました」
E-NEXCO LOGDE 長者原SA店は、東北道佐野SA店に続くNEXCO東日本で2店舗目のハイウェイホテルで、東北地点では初の出店となっています。
そんなE-NEXCO LOGDE 長者原SA店について、そのほかのハイウェイホテルにはないサービスや魅力があるといい、前出の担当者は以下のように話します。
「冬にはヒシクイ、マガン、オオハクチョウなどが飛来するラムサール条約湿地である化女沼(けじょぬま)に隣接し、エリア内の観察地から遠望できるなど景観に恵まれた立地となっています」
一方で、各ハイウェイホテルは新型コロナウイルス感染症の影響を受けた施設がほとんどとなり、E-NEXCO LOGDE 長者原SA店もその例外では無かったといいます。
「E-NEXCO LOGDE 長者原SA店の開業は2020年4月24日ですが、新型コロナウイルス感染症の影響などもあり、特に緊急事態宣言期間中はご利用が少ない時期もありました。
しかし最近では、お客さまに当施設の利便性を認知いただき、リピーターでのご利用も増えてきている状況です」
また中日本エクシスの担当者によれば、東名高速道路の足柄SAに設置されている「レストイン時之栖」も新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けたといいます。
「新型コロナウイルス感染症が急増していた時期は利用客が減少傾向にありましたが、現在では多くのユーザーに利用していただいています」と話します。
どのハイウェイホテルも新型コロナウイルス感染症による影響を受けてはいるものの、さまざまな利便性から利用者数は徐々に急増傾向にある様子がうかがえます。
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なお、宿泊料金はシーズンによって異なり、ゴールデンウィークや夏休みなどの利用者数が多くなるシーズンでは料金が高くなっているため、利用の際には注意が必要です。