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違反のおそれあり? 標準化すすむ「ワンタッチウインカー」 使い方次第で「本来の役割」果たさない可能性も

くるまのニュース 2023年5月1日 11時10分

近年登場する新型車には「ワンタッチウインカー」というものが多く採用されています。一体どのような機能なのでしょうか。

■便利なワンタッチウインカーは違反のリスクもある

 最近のクルマに採用されている「ワンタッチウインカー」は、便利な機能ではあるものの、使い方によっては交通違反になる可能性もあるといいます。
 
 ワンタッチウインカーとはどのような機能なのでしょうか。

 クルマで車線変更や交差点を右左折する場合は、クルマが動く方向を周囲に知らせるため、ウインカー(方向指示器)を使って合図を出さなければいけません。

 合図を出すタイミングは、右左折しようとする地点の30m手前や、車線変更する3秒前などで、これらの行為が終わるまで合図を出し続けなければならないと道路交通法で定められています。

 一般的に、国産車ではハンドルの右側についているレバーを下方向に倒せば右、上方向に持ち上げるように倒せば左の合図を出すことができます。

 レバーを倒すと固定され、ウインカーを点滅させたままにできるほか、軽く倒すと固定されず、倒しているぶんだけウインカーを点滅させることができます。

 交差点の右左折などハンドルを切る程度が大きい場合は、右左折後にハンドルを戻すことで固定されたウインカーのレバーは自動で戻ります。

 しかし、車線変更などハンドルを切る程度が小さい場合は自動で戻らないことがあり、この場合は自分でレバーを戻して合図を消すか、先述の通り軽く倒した状態を維持することが必要です。

 このウインカーですが、近年では通常のウインカー操作に加えて「ワンタッチウインカー」を採用するクルマが増えています。

 ワンタッチウインカーとは、軽めのレバー操作でウインカーを一定回数だけ点滅させて自動的に消灯するというものです。

 たとえば、ホンダ「フィット」では3回、トヨタ「プリウス」では5回点滅した後に自動消灯する仕組みになっていると取扱説明書に示されています。

 ワンタッチウインカーのメリットとして、進路変更など目的の動作が終わったあとに、ウインカーの戻し忘れを防げることが挙げられます。

 例えば、ゆるやかな右左折や車線変更などの場合には、ハンドルを大きく回さないために自動的にレバーが戻らず、合図を出したまましばらく走行してしまうクルマをしばしば見かけますが、そのようなときもワンタッチウインカーなら、ハンドルを回す程度に関係なく一定回数の点滅後に自動的に合図が消えるため、消し忘れが発生しません。

 一方で、ワンタッチウインカーは、使い方によっては交通違反となる可能性があります。

 道路交通法で定められた、右左折しようとする地点の30m前または車線変更する3秒前からワンタッチウインカーを使用すると、それらの行為が終わるより早く、ウインカーの点滅が消えてしまう場合があるためです。

 合図を出し始めるタイミングが遅かったり、右左折や車線変更が完全に終わる前に合図が消えてしまったりなど、正しく合図を出さないと「合図不履行」の交通違反となり、違反点数1点と反則金6000円が科されることになります。

 ワンタッチウインカーは消し忘れを防ぐなど便利な機能ではありますが、ウインカーの本来の目的を考えると、周囲を走るほかのクルマに自分の動きを伝えるためのコミュニケーション手段ですので、使う場面を選んで安全に使うことが大切です。

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