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車内のマスコット「アナログ時計」なぜ減少? 高級感あり「憧れる」人も… 採用減った理由とは

くるまのニュース 2023年5月23日 13時10分

最近ではアナログ時計を採用する車種が徐々に減りつつありますが、なぜ車内のマスコット的存在と言えるアナログ時計は見かけなくなっているのでしょうか。

■現在では激レア!アナログ時計を装備したクルマ、なぜ減少?

 かつて車内のセンターコンソールに配置されてたアナログ時計は、高級志向を好むユーザーから支持されていました。
 
 しかし、最近ではアナログ時計を採用する車種が徐々に減りつつありますが、なぜ車内のマスコット的存在と言えるアナログ時計は見かけなくなっているのでしょうか。

 クルマの持つブランドイメージやインテリアの上質感を演出するために高級時計メーカーとコラボして取り扱う傾向がありました。

 たとえばメルセデスベンツは、パートナーシップを結んでいるスイスの高級時計メーカー「IWC」の時計を採用していました。

 ほかにもキャデラックが「ブルガリ」、マセラティが「ラ・サール」などの高級ブランドを採用していました。

 しかし、これらのクルマは現行モデルではアナログ時計の設置が廃止され、現行のクルマでアナログ時計が設置されている車種は、一部の高級車のみです。

 国産車ではレクサス「LS」「ES」「IS」「LC」が設置され、アナログ時計であるにもかかわらずGPSと連動して時刻の自動補正を行ってくれる優れものです。

 同じくレクサスの「NX」「RX」でも先代モデルには設定されていましたが、フルモデルチェンジで廃止されています。

 また、トヨタのショーファードリブンカー「センチュリー」では、フロントコンソールにアナログ時計の設置はなく、リアコンソールの中央のみに設置されています。

 さらに、日産「フーガ」や「シーマ」にもアナログ時計の設置がありましたが、2022年を持って生産を終了しています。

 こうしたアナログ時計が無くなりつつある状況について、SNSでは「アナログ時計好きなのに最近減って悲しい」、「先代NXにあったのに…2代目では廃止か…好きだったのに」、「アナログ時計には憧れた」といった声が寄せられています。
 
 一方で輸入車に目を向けると現行車でアナログ時計の設置は、ロールス・ロイスやベントレーぐらいとなっており、以前のモデルではジャガーやアストン・マーチンにもアナログ時計の設定がありましたが、現在はオプションですら用意されていません。

 それでは、オプション設定ならアナログ時計を設置できるのでしょうか。

 過去には、ロールス・ロイスがゼニスの時計を設置した限定モデル (4844万円) やベントレーのベンテイガにブライトリングのトゥールビヨン (オプション価格約2900万円) などの限定車やオプション設定がありましたが、現行車ではオプションでアナログ時計を設置できるクルマはありません。

■アナログ時計が不要になった背景は?

 では、なぜクルマからアナログ時計が減少したのでしょうか。とあるメーカー系販売店の担当者は、その理由について以下のように話します。

「現在ではカーナビやディスプレイオーディオが普及し、ほとんどのクルマに装備されています。

 カーナビ上での時計は電波時計になっている場合もあり、わざわざアナログ時計を設置する必要がなくなったという点が、減少した背景なのではないかと思います。

 ユーザーから『アナログ時計のオプションが欲しい』といった声もいただいておりません」

 数年前からクルマのインテリアデザインのトレンドが、テスラを代表とする、ナビゲーションや空調をまとめてコントロールできる大型タッチパネルを備えるタイプが増えてきました。

 最近ではメルセデス・ベンツやジャガーはもちろんのこと、フェラーリやランボルギーニまでもが、センターコンソールやメーターまで液晶パネルが採用されています。

いまではほとんど機能がディスプレイオーディオに集約されている

 そうした動向について、とある自動車メーカーのデザイン担当者は次のように話しています。

「最近のクルマではディスプレイのデザイン&機能、そして配置が優先されます。

 ディスプレイ内に集約出来るものは出来るだけ集約するという傾向もあり、かつて内装のマスコット的役割もあったアナログ時計は減っていると考えられます。

 一方でアナログ時計が残る車種においては、それらの合理的な考えよりもそのクルマのアイデンティティとして重要と判断されて残されていると考えられます」

※ ※ ※

現在のクルマではデジタル/アナログに限らず時計単体で設置するよりも、メーター内やセンターコンソール内で時刻を確認することが当たり前になっています。

 クルマの運転に限っていえば、デジタル時計のほうが視認性が高いため、今後もこのトレンドは変わらないのが現状といえるかもしれません。

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