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なぜレンタルキャンピングカーの需要増加? 訪日外国人や若年層カップルに人気の理由とは

くるまのニュース 2023年4月23日 7時10分

今年に入ってから急速にレンタルキャンピングカーの需要が増加しているといいます。その背景にはどのような事情があるのでしょうか。また実際にレンタルするユーザーにはどのような特徴があるのでしょうか。

■レンタルキャンピングカーが活況! どんな人が借りている?

 本格的なアウトドアレジャーシーズンの到来を前に、レンタルキャンピングカーを使ったアクティビティが人気となっています。
 
 2023年の年初に比べるとコロナウイルスの感染者も減少傾向にあり、今年は各地に観光で出かける人が増えていますが、実際にレンタルするユーザーにはどのような特徴があるのでしょうか。

 ここ数年、冷え切った観光業界でしたが、春先に実施された全国旅行支援キャンペーンの効果もあって、客足が戻っている傾向にあります。

 キャンピングカーのレンタル事業も同様です。コロナ禍に入ってからは、宿泊業ほどの落ち込みは無かったものの、やはり借りるユーザーは減っていました。

 しかしレンタル業者数社に問い合わせたところ、コロナ禍が落ち着きを見せている2023年の春以降は一般の客足が順調に戻り、週末ともなれば空いている日のほうが少なくなってきているということです。

 レンタルのキャンピングカーには様々なタイプが用意されていますが、軽キャン、バンコン、キャブコンの3タイプが市場の主流です。

 使いやすいと快適性のバランスがいいバンコンが最も人気なのかと思いきや、実はどの業者でも人気が高いのはキャブコンなのだとか。

 全国に貸し出し拠点を持つ「東京キャンピングカーレンタルセンター」の広報担当者に、その理由を聞いてみました。

「やはり室内や装備の充実度が人気の理由です。

 せっかくキャンピングカーを体験するのに、バンコンでは物足りないよねという人がほとんどです。

 運転には少々気を遣いますが、そこは保険があるレンタカーということで、気兼ねなく借りていく人が多いです」

 借りる客層は多様ですが、ファミリーや愛犬家などの他に、若者のグループが多いのだとか。

「イベントの一環として借りるようですが、彼らの特徴は就寝定員いっぱいで乗っていかれることが多いです。

 人数を多くとして安く済ませたいのもあると思いますが、根本には大人数で盛り上がりたいということのようです」

 昨今は、海外からの観光客も増加したことから、インバウンド需要も増えていると言います。

 外国人の傾向としては、1か月ほど長期で借りだしていくといい、海外の観光客は交通インフラが十分でないスポットに行きたがる傾向にあるようです。

 実際にレンタカー代や宿泊費を考えると、仲間数人でレンタルキャンピングカーを借りた方が安上がりになるというのが理由だといいます。

「中国や韓国、アメリカからのお客さんはキャブコンを好みますが、ヨーロッパから来る人はバンコンが好きです。

 ヨーロッパのキャンピングカーにバンベースが多いからのようですが、“日本のキャンピングカーはすべてが狭いね”とよく言われます」(前出の広報担当者)

■若年層カップルにバンコンが人気? そのワケは?

 バンコンを好むのは、欧州からの観光客だけではないようです。

 カップルで来る若年層も、ある事情からバンコンを借りることが多いと、東京郊外にあるオートキャンプ場のオーナーは語ります。

「理由は『恥をかきたくないから』だと言います。

 テントを使ったキャンプだと、設営にしても、道具の使い方にしてもノウハウを知っておかなければなりません。

 いきなり来て、彼女の前でカッコを付けるのは無理でしょう。

 その点、バンコンならシートを倒すだけで寝られるし、カセットコンロも家と同じにように使えます。

 さらに30歳以下の人は免許制度のことがあって、あまり大きなクルマを運転した経験がないので、キャブコンでなくバンコンを借りれば、運転でもまず恥をかかないというわけですね」

軽キャンパーやバンコンとは運転のクセが異なるキャブコン

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 数年前には、PCR検査や発熱外来、患者の隔離輸送用としての需要が多かったというレンタルキャンピングカー。

 2023年に入ってからは旅行の脚として利用が圧倒的に多くなっているといい、レンタルを行っている業者も数年前に比べると、格段に増えています。

 ただ、キャンピングカーユーザーとは違い、基本的な車中泊のマナーを知らないユーザーが多いため、道の駅や公共駐車場でのトラブルになることもあるようです。

 日本でもキャンピングカーというカテゴリーがスタンダードになった上にレンタカーも増えている昨今、キャンピングカー用の設備も含めて、業界、観光地が一体となった啓蒙活動とインフラ整備が必要になっているのかもしれません。

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