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警察はどう思ってる? 全国各地に点在する「悪質なご当地ルール」はどんな違反になるのか

くるまのニュース 2023年5月4日 18時10分

ご当地ルールに関しては交通違反に該当する行為も多くありますが、地元警察はこのルールに対し、どのように感じているのでしょうか。

■全国にはどのような「ご当地ルール」があるの?

 全国各地には、その地域特有の交通ルールが存在し、「ご当地ルール」などと呼ばれています。
 
 ご当地ルールに関しては交通違反に該当する行為も多くありますが、地元警察はこのルールに対し、どのように感じているのでしょうか。

 全国には、その土地特有の交通ルール、いわゆる「ご当地ルール」が存在します。

 ご当地ルールは多くの場合、交通違反や交通マナーの悪さなどをあらわす言葉であり、地元の人にも広く認知されています。

 まず、有名なご当地ルールとして愛知県の「名古屋走り」があります。名古屋走りは特定の違反を示すものではなく、名古屋市周辺で見られる交通違反や危険な運転などを総称してそのように呼ばれています。

 一例としては、ウィンカーを出さない車線変更や赤信号での進行、右折する際に直進の対向車より早く曲がる行為などがあげられます。

 ウィンカーを出さずに車線変更をすると道路交通法第53条第1項に規定する「合図不履行違反」に該当し、また赤信号でクルマを進行させることは道路交通法第7条に定める「信号無視」の違反です。

 さらに右折する際、直進の対向車がいるにもかかわらず強引に曲がる行為は、対向車の進行を妨げることとなり道路交通法第37条の「交差点優先車妨害違反」に当たる可能性があります。

 交差点の中心の内側に寄らずショートカットで右折すれば道路交通法第34条第2項の「交差点右左折方法違反」になる可能性もあります。

 またスピードを出して強引に右折し、右折した先にある横断歩道を渡っている歩行者の目の前を通り過ぎるクルマも存在しますが、その場合は道路交通法第38条第1項に規定する「横断歩行者等妨害等」の違反に該当するなど、さまざまな交通違反が関連しています。

 この右折方法については同様のご当地ルールが他県にも存在し、茨城県では信号待ちで停止していたクルマが青色信号に変わった瞬間、またはその直前に猛ダッシュで対向直進車よりも先に右折することを「茨城ダッシュ」と呼んでいるほか、愛媛県では対向車が接近しているのに先に右折することを「伊予の早曲がり」と呼ぶケースがあるようです。

■各地に点在する「ご当地ルール」だが…警察はどう思っているのか?

 そのほか、ご当地ルールとしては長野県の「松本走り」、岡山県の「岡山ルール」などもたびたび聞かれます。

 なお長野県松本市の広報誌では松本走りの特徴として「対向車がいるのに強引に右折」や「左折車にかぶせるように右折」、「前が詰まっていても交差点に進入」などの運転方法が紹介されていました。

 実は、前にクルマが詰まっているのに交差点に進入することも交通違反に当たる可能性があります。

 道路交通法第50条第1項では、前方の交通が混雑しているため交差点内で停止することとなり、それにより交差道路のクルマの通行を妨害するおそれがあるときには交差点に入ってはならないと規定されており、「交差点等進入禁止違反」が成立する場合もあるのです。

 岡山県の岡山ルールでは「右左折の際にウィンカーを直前にしか出さない」という独自ルールが有名であり、こちらも場合によっては合図不履行の違反とみなされることがあります。

ウインカーをほとんど点灯させない「岡山ルール」のドライバーに対して、ウインカーの使用を促す道路標示「★合図」

 では、このようにご当地ルールが常態化していることに対し、地元警察ではどのように感じているのでしょうか。

 基本的に警察では、ご当地ルールをれっきとした交通違反として検挙する方針の場合がほとんどです。

 茨城県警の公式Twitterでは「茨城ダッシュは違反です」と交通違反の具体例をあげて注意喚起をしているほか、愛媛県警でも「伊予の早曲がり」に対して交差点の重点的な取り締まりをおこなっています。

 ただし、ご当地ルールにはその土地の道路事情や住民の習慣などの要因が絡み合って生まれたものも多く、警察ではその地域に根付いているルールを正す難しさを実感しているといえるでしょう。

 ご当地ルールは他県から訪れた人に悪い印象を与えるだけでなく、不名誉な称号であるため地元住民から取り締まりを求める声が多く寄せられており、今後も警察による取り締まりが続くと予想されます。

※ ※ ※

 ご当地ルールは多くの場合交通違反であり、警察でも取り締まりがおこなわれています。

 これらのルールをなくすためには警察による取り締まりの強化はもちろん、ドライバー自身が交通違反であると認識することも重要です。

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