気ままな自由旅のスタイルとして、クルマで泊まる「車中泊」がブームとなっています。実際に車中泊を楽しむユーザーに、その魅力や課題などについてうかがいました。
■「車中泊」初級ユーザーにもオススメ! メーカー純正車中泊カー3選
コロナ禍で三密を避けるようになってから、密にならない楽しみとして人気に火が付いたアウトドアレジャー。
それに伴って、もともと高かったクロスオーバーSUV人気がさらに加速したのはご存知の通りですが、もうひとつ人気が高まっているのが、「車中泊」ができるクルマです。
車中泊とは呼んで字のごとく、クルマの中で泊まることを指しており、本格的なキャンピングカーはもちろんのこと、ミニバンやワンボックスカーだけでなく、普通車や軽自動車、中にはスポーツカーで車中泊を楽しむツワモノまでいるとのこと。
では車中泊を楽しんでいる人はいったいどのような人が多いのでしょうか。
今回は実際に車中泊を楽しんでいるユーザーにお話をうかがって、その魅力について聞いてみました。
まずは都内近郊にお住まいのSさん(50代男性)。
もともとコロナ禍になるより前からアウトドアレジャーを楽しんでいたSさんですが、子どもが大きくなるにつれて家族全員でキャンプなどに行く機会も減ってきたということで、それまで所有していた大型SUVから軽のワンボックスワゴンにダウンサイジングをしたそうです。
「今まではテントを張ってイスやテーブルを出してとやっていたのですが、ソロキャンプなんかだと車中泊の方が準備と片付けの手間が減らせて楽ですね。
テントに比べて耐候性も高いですし、すぐに移動できるのも気楽です」
また趣味で釣りを楽しむKさん(40代男性)は、それまでのステーションワゴンから、しっかりとしたベッドキットを備えたワンボックス車に乗り換えて、快適な車中泊ライフを送っているとのこと。
「ステーションワゴンのときは、助手席シートを倒して仮眠をしていたのですが、フラットにはならず横幅にも制限があったため、決して快適とは言えませんでした。
そこで思い切ってベッドキット付の車両に乗り換えたのですが、しっかり足を延ばして寝れますし、寝返りも打ち放題! ですから、万全の体制で釣りを楽しめるようになりました」
■自由旅「車中泊」に潜むデメリットやリスクとは
ここまでは車中泊のメリットについてお伝えしましたが、もちろんデメリットやリスクが全くないわけではありません。
まずお2人とも口を揃えて挙げてくれたのが、トイレ問題でした。
オートキャンプ場など、しっかりとした施設で車中泊を楽しむ分には問題ありませんが、自然に囲まれた環境であったり、釣りの穴場スポットなどでは近くにトイレがないことも珍しくありません。
車中泊ということもあって、すぐにクルマで移動できる環境ではありますが、緊急時は肝を冷やすことも少なくないと話してくれました。
また、最近では一部の道の駅などでは車中泊NGの場所も存在するため、ひと気がなく車中泊も禁止されていない駐車場や、人里離れた場所で車中泊をすることも少なくないそうですが、防犯性に不安を覚えることがあるとのこと。
特に夏季は窓を開けて網戸を装着して眠りたいところですが、万が一のことを考えるとそういった環境で車中泊をするときは窓を閉め、しっかり施錠をした状態で休むそうです。
今のところ危ない状況に陥ったことはないということですが、単独の車中泊は気軽な反面、注意しなければならない点も少なからずあるということが分かりました。
専用装備を持つキャンピングカーで、エンジンをかけずサブバッテリーで稼働する車載エアコンの人気が高いのもうなずけるところです。
ちなみに余談ですが、Kさんは趣味の釣りの時だけでなく、4月に小学校に上がったばかりのお子さんと自宅前の駐車場で車中泊をすることもあるんだとか。
「今までなかなか旅行なども連れていけなかったのですが、家の前でも車中泊という非日常を楽しんでくれているようです。
でも今年こそはみんなで出掛けたいところですね」
車中泊仕様の愛車は、意外なところでも活躍を見せてくれているようです。