2023年秋に日本で発売が予定されているトヨタ新型「クラウンセダン」ですが、世界最大級の自動車市場となる中国でも大きな注目を集めていると言います。歴代クラウンは日本専用という印象が強いですが、実は中国では古くから展開されており、日本同様にブランド化しています。そうした背景から新たにショーファードリブン需要も見据えたカタチで登場する新型クラウンセダンですが、中国市場ではどのように受け入れられるのでしょうか。
■中国の需要に完全対応!? 新型クラウンセダンが注目されるワケ
2022年7月に世界初公開されたトヨタの新型「クラウンセダン」。
日本での発売は2023年秋を予定していますが、同年4月18日から中国で開催されている「上海モーターショー2023」でも実車が展示されました。
初代モデルが1955年に誕生し、2023年で68年の歴史を重ねるクラウンシリーズ。そうした中で、2022年に16代目となり、それまでのセダンを基調としてボディタイプ(クーペ/ワゴン)とは全く異なる4つのスタイルを提案しました。
ひとつめは、2022年9月から発売されているセダンとSUVを融合させた新しいスタイルの「クロスオーバー」で、2つの異なるハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車を設定。
2つめは、エモーショナルな雰囲気を持ち、運転しやすいパッケージとともにスポーティな走りを楽める「スポーツ」にはハイブリッド車(2023年秋日本発売)とプラグインハイブリッド車(2023年冬日本発売)を用意。
3つめは、新たなフォーマル表現とともにショーファーニーズにも応える「セダン」では、ハイブリッド車と燃料電池車を設定し、2023年秋に日本での発売を予定しています。
そして4つめの「エステート」は大人の雰囲気で余裕のある走りを持つ機能的なSUVとなり、ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車を用意し、2024年にに日本で発売予定で、今後グローバルに約40の国・地域に順次展開していくといいます。
そうしたなかで新型クラウンセダンは、「新たなフォーマル表現でショーファーニーズにも応える正統派セダン」として定義されていおり、ボディサイズは全長5030mm×全幅1890mm×全高1470mm、ホイールベース3000mmです。
中国市場においてクラウンは1949年から一部で展開され、2003年に登場した12代目モデルから現地生産を開始し、13代目モデルではマイナーチェンジで中国専用デザインを採用するなど、中国でもクラウンという車名や「王冠マーク」は知られた存在となっていました。
しかし、中国ユーザーの多様化するニーズにより販売が低迷したことなどもあり、2020年に現地での生産・販売を終了します。
そして翌2021年の「上海モーターショー2021」ではSUVとして「クラウンクルーガー」とミニバンとして「クラウンヴェルファイア」が発表され大きな話題となり、現地法人は「今後はクラウンブランドとして展開していく」と説明していました。
■世界が注目する中国市場、新型クラウンセダンは受け入れられるのか
SUVとミニバンに「クラウン」の車名が付いた中国市場ですが、セダンに対するニーズは世界の市場の中でもかなりの割合を占めています。
そうした中で、2022年に16代目クラウンシリーズとして新型クラウンセダンがお披露目。2022年12月に開催された「広州モーターショー2022」では新型「クラウンスポーツクロス(日本名:クロスオーバー)」と共に中国での初展示となりました。
また冒頭の「上海モーターショー2023」でも同じく展示されており、今回は目玉では無かったものの大きな注目を集めていたようです。
新型クラウンセダンについて、現地の自動車業界関係者には次に話しています。
「中国ではやはり『クラウンブランド』というものが存在しますね。
さらに昨今では後席の広いセダンやミニバンが増えておりショーファードリブン需要は益々高まっています。
そうした中でクラウンというブランドとショーファードリブン需要に対応する新型クラウンセダンは、様々なユーザーが注目している1台だと思います」
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中国市場では、世界の名だたる自動車メーカーが後席の広いセダンを投入している他、昨今では高級ミニバンの需要も高まっておりトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」やホンダ「オデッセイ(4人乗り仕様)」なども人気が高いと言います。
そうした中国市場において、新型クラウンセダンがどのように受け入れられるのか、今後の動向からも目が離せません。