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教習所で習ってない!? 狭い路地にハマったらどう脱出する? クルマをスムーズに運転するコツはある?

くるまのニュース 2023年5月9日 14時10分

運転車免許を取得する多くの人が教習所に通いますが、一般の路上では教習所では教わっていないシチュエーションが多々あります。「教習所では習わなかった」シチュエーションで、どうすればスムーズに運転できるのかプロに聞いてみました。

■こんなシチュエーションに遭遇したらどうする?

 運転免許取得者の多くが教習所に通って学科や実技の講習を受けますが、いざ免許を取得して運転したとき、一般の路上では、教習所では教えてもらえない、体験したことがないシチュエーションに遭遇して困ることがあります。
 
 また教習所では教えてもらった運転や動作が一般道では通用しないことも多く、運転初心者は対応に四苦八苦してしまうこともあるでしょう。

 教習所では習わなかったシチュエーションで、どうすればスムーズに運転できるのか、教習所の元教官に話を聞いてみました。

「初心者ドライバーがスムーズに一般道や高速道路を走るためには、周囲の状況を把握することはもちろん大事ですが、それ以前に周囲に対して自分はこう動きますという早めの意思表示が重要です。

 曲がりたいのか、車線変更したいのかといった自車の動きを早く周囲に認知してもらうように、ウインカーやハザードなどを活用してほしいです。

 そうすれば周囲のクルマも前を空けてくれたり、避けてくれたりします」(元教習所教官 I氏)

 そもそも初心者マークをつけたクルマに接近したりあおるような行為をすること自体が交通違反ですし、多くのドライバーは後ろから急かすより追い抜いていくことがほとんど。そのためにも自車の動きを早めにアピールすることが大切だといいます。

「早めに周囲に意思表示をすることは、多くの人が苦手とする合流でも重要です。高速道路などは基本的に左側からの合流ですが、右にウインカーを出す意思表示が早いほど、周囲のクルマもこれに合わせてリアクションする余裕が生まれます」(元教習所教官 I氏)

 早めの意思表示は一般道や高速道路だけでなく、大型の商業施設や空港などの駐車場内でも有効なのだそうです。

「空いている枠を発見した場合、ウインカーやハザードをつけて停車していれば、周囲はここに駐車したいんだなと理解できます。

 多くの方は駐車場内ではウインカーを使用しませんが、あえて使って意思表示することで余計なトラブルも回避できると思います」(元教習所教官 I氏)

 もうひとつ困るのは、誤って狭い道に入り込んでしまい立ち往生してしまうといったケースです。これは教習所では教えてくれませんが、どういった対処法があるのでしょうか。

「狭い道にはいくつか共通点があります。その多くが住宅街にあり、道幅が狭いのに対面通行で、直角な曲がり角が組み合わされた道が多いのが特徴です。

 知っている道ならまだしも、知らない土地へ行ったときは、必要なとき以外はこういった細い道を走らないほうが賢明です。

 住宅街の細い道は電信柱なども多く、すれ違いにも気を遣います。

 慣れるまではできる限り大通りを走行するか、誤って細い道に入り込んでしまった場合は、できる限り速やかに大きな道路に戻ることが立ち往生の有効な回避策になります」(元教習所教官 I氏)

「行き止まりやこれ以上進めないなどの細い道などに出くわしてしまった場合は、素直に引き返すことも重要です。

 車両感覚が掴めず、切り返しが上手くいかないこともあるでしょうが、そういった場合は一度クルマから降りて障害物との距離を確認しましょう」(元教習所教官 I氏)

■運転に不慣れな初心者の傾向は?

 初心者が起こしやすい事故は「クルマ対クルマ」の事故とされており、「追突」「出会い頭」「右折時」「正面衝突」の順で発生件数が多いといいます。

 また、初心者特有の傾向として、電柱や防護柵、安全分離帯などに衝突してしまう「工作物衝突」は全年齢の平均を大きく上回っています。

初心者ドライバーはクルマ対クルマの事故を起こしやすい

 初心者がそのような事故を起こしがちな理由について、元教官I氏は次のようにいいます。

「初心者ドライバーの傾向として、目の前や前走車にしか意識がいかなくなる傾向があります。要するに周囲の状況をうまく把握できていないということです。

 追突事故が多いのは、前走車に追走することに注力しすぎてその先の交通状況に意識が向かず、結果としてブレーキが間に合わない状況が多いのでしょう」

「同様に出会い頭での事故は、標識の見落としや一時停止が十分でないのも原因ですが、交差点や見通しの悪い道などでほかのクルマが来ることを想定していなかった可能性もあります。

 ここでほかのクルマが来るかもしれないと意識していれば、不測の事態に備えることができると思います」(元教習所教官 I氏)

 右折時の事故は別名「右直事故」などとも呼ばれるほど、全年齢で事故が起きやすいシチュエーションです。いわゆる「(先に右折)できるだろう」と、直進車両より先に右折しようとしてぶつかってしまうパターンです。

「これも厳しい言い方ですが、初心者ドライバーに多い事故です。直進してくるクルマやバイクとの距離と速度を正しく推測できず、行けると思ってしまうのです。

 なぜ、やり過ごしてから安全に曲がろうとしないのか、それは経験不足で周囲を見渡す余裕がなく、自分のクルマの進行方向、つまり目の前しか見ていないからなのです」(元教習所教官 I氏)

※ ※ ※

「目の前しか見ていない」という傾向に加えて、多くの人が快適性を優先するために正しい着座姿勢をとっていないことも、事故の要因のひとつだとI氏はいいます。

「教習所では、しっかりハンドルが切れたり、ペダル類がしっかり踏み込めるポジションで運転していたはずです。それが免許を取得し数か月経つと、シートを下げたりシートバックを倒したポジションにする人が多いのです。

 座っていて快適なポジションはとっさの操作ができないことも多く、ブレーキを踏むのが遅れたり踏み込みが不十分だったりします。皆さん正しいシートポジションは窮屈に感じてしまうのでしょう」(元教習所教官 I氏)

 楽な姿勢によって前方や後方の視界も悪くなるといわれています。少し窮屈に感じたとしても、万が一のトラブルのときにとっさの操作ができる正しいシートポジションを保つことが大切です。

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