トヨタ新型「クラウンスポーツ」は、日本で2023年秋以降の発売が予定されています。そうしたなかで一足先に「クラウンSUV」が発売されていましたが、どのようなモデルなのでしょうか。
■新生クラウンシリーズのSUV! 新生クラウンスポーツより先に「クラウンSUV」出てた!?
2023年秋以降に日本で発売が予定されているトヨタ新型「クラウンスポーツ」。
クラウンのSUVとして大きな話題となっていますが、実はすでに「クラウンクルーガー」というSUVが存在していました。
2022年7月に世界初公開された16代目となるトヨタ「クラウンシリーズ」は現在でも大きな注目を集めています。
先代となる15代目までは基本的にセダンベースとしたラインナップでしたが、16代目では4つのボディタイプ(クロスオーバー/スポーツ/セダン/エステート)が登場することが明かされました。
第1弾となるクラウンクロスオーバーは、セダンとSUVを融合させたモデルとして登場。
さらにスポーティな走りが特徴となるミドルサイズSUVの「クラウンスポーティ」、全長5mを超える正統派セダンの「クラウンセダン」、そして約17年ぶりにその名が復活した「クラウンエステート」と各モデルに個性があります。
なかでもミドルサイズSUVとなるクラウンスポーツについて、トヨタは「エモーショナルで創造的な雰囲気を持ち、乗り降りや運転のしやすいパッケージと共に、俊敏でスポーティな走りが楽しめる、新しいカタチのスポーツSUV」と説明。
そのスペックは、ボディサイズ(開発目標値)は全長4710mm×全幅1880mm×全高1560mm、ホイールベース2770mm、タイヤサイズ21インチ、乗車定員5名。
パワートレインはハイブリッド(4WD)とプラグインハイブリッド(4WD)を設定するといいます。
また公開されている内外装デザインでは、見た目はトヨタが昨今採用する「ハンマーヘッド」を特徴とするスタイリッシュなフェイスにワイド感のあるリアが印象的です。
内装は、ブラック、ブラウンと落ち着いた色合いの他にスポーティなレッドを採用するなど「走り」を主張しています。
発売時期はハイブリッド車が2023年秋、プラグインハイブリッド車が2023年冬を予定しています。
そんな新生クラウンのSUVとなるクラウンスポーツですが、2022年の発表の前に別の「クラウンSUV」がお披露目されていました。
■新型クラウンスポーツより先に登場した「クラウンクルーガー」とは
その名は「クラウンクルーガー」といい、「上海モーターショー2021」で世界初公開された中国向けのモデルです。
トヨタは、中国において第一汽車との合弁会社「一汽トヨタ」と、広州汽車との合弁会社「広汽トヨタ」という販売網を展開しています。
一汽トヨタと広汽トヨタは、同じベースのクルマをそれぞれで販売する際に異なる車名で販売することが多く、トヨタがグローバルで展開するSUV「ハイランダー」を中国では広汽トヨタが取り扱っています。
一汽トヨタは、内外装を変更し王冠エンブレムを装着してクラウンクルーガーを展開するという流れです。
そうしたことから、基本的にハイランダーとクラウンクルーガーは共通したモデルとなります。
では、なぜあえて「クラウン」の名前を採用したのでしょうか。一汽トヨタは上海モーターショー2021で次のように述べていました。
「1980年代にはクラウンは中国の人々が望む高級車となり、当時の富裕層の象徴であり、多くの人が憧れていました。
新たにクラウンブランドを復活することで、一汽トヨタの『ブランドアップ』を図り、これまでのクラウンで培われたクラフトマンシップや品質と静かな快適性を継承します」
実は中国でのクラウンは長い歴史を持っており、日本と同様に「クラウン=高級車」というブランド価値が定着していました。
しかしSUVやミニバンの需要が高まったことで、セダンでの販売低迷などに伴い、セダンからSUV・ミニバンに「クラウンブランド」を採用することになったようです。
このクラウンクルーガーと同時に、一汽トヨタからはミニバンとなる「クラウンヴェルファイア」も登場しています。
こうして中国でのクラウンブランドを継承していましたが、クラウンヴェルファイアは2023年4月時点でラインナップから姿を消しています。
一方のクラウンクルーガーは現在でも販売され続けており、27万7800元から35万2800(約686万円)という価格です。