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高速道路「渋滞中のトイレ」どう対処する? SA/PA手前でクルマから歩くのは問題か?

くるまのニュース 2023年5月3日 6時40分

高速道路を走行中に「トイレに行きたくて我慢ができない!」という場面は珍しくなく、SA/PA待ちの渋滞中のクルマから歩いてトイレに向かう行為を見かけることがあります。この行為は道路交通法的に問題ないのでしょうか。

■渋滞中に降車して徒歩でトイレへ…これ大丈夫?

 春らしい暖かく穏やかな気候となったことで、ゴールデンウイークに高速道路を利用し帰省や行楽に出かける人もいるでしょう。
 
 しかし、交通量が普段より多い高速道路では各地で渋滞も発生。そんな状況で自身や同乗者がトイレに行きたくなった場合、一体どうすれば良いのでしょうか。

 また、SA/PAに入りたいものの、そこにも渋滞が発生しトイレにたどり着けないとき、渋滞中のクルマから降り路肩を歩いてトイレに向かう人をよく見かけますが、これは道路交通法的に問題はないのでしょうか。

 一般道であれば、途中でトイレに行きたくなれば、「道の駅」やコンビニ、スーパーマーケットなどの商用施設に立ち寄ることで解決することができます。

 しかし路上で停車ができない高速道路では、次のSA/PAに停まるかICを降りない限りはトイレにたどり着くことは不可能です。

 ましてやそれが渋滞の中となると、いつ到着できるかなど見当もつかず、つらい状況に陥ってしまうもの。

 そんな状況で見かけるのが、渋滞の途中でクルマから降りて解決を図ったり、SA/PAに入るための車列の横を歩いてトイレに向かう人の姿です。

 この行為についてNEXCO中日本とNEXCO東日本の担当者に話を聞いたところ、以下のように説明します。

「SAやPAに向かって路肩や侵入路を歩く行為は、交通事故を招きかねない大変危険な行為であり、自らの身を守るためにも絶対にやってはいけません。

 死亡事故に繋がるおそれがありますので、高速道路上では絶対にクルマを降りたり徒歩で立ち入らないでください」

 さらに、この行為は大変危険なだけでなく道路交通法の違反にも当たるため、処罰の対象になるおそれもあります(道路法第48条の11「何人もみだりに高速自動車国道に立ち入り、又は高速自動車国道を自動車による以外の方法により通行してはならない」)。

 高速道路はあくまでも「自動車専用」であり、自転車や歩行者は立ち入りが禁止されています。さらに時速80キロメートル以上というスピードでクルマが走行する空間であるため、むやみに停車したり歩いていると、走行車両がうしろから突っ込んでくる可能性も十分にありえるのです。

 そのため、いくらトイレが我慢できないからといってもそのような行為は絶対にやめるべきでしょう。

 しかし連休など特別な状況下の渋滞だからこそ、どうしてもトイレが我慢できないという状況は考えられます。そのような場合にはどうすれば良いのでしょうか。

 もっとも適切な解決方法としては、事前にそのような事態を想定して「携帯用トイレ」を車内に備えておくことです。

 携帯トイレにはさまざまなタイプがあり、袋状や筒状、組み立て式など使い方によって形状が異なりますが、いずれもホームセンターやカー用品店、さらにSA/PAでも販売されていますので、渋滞を見越して前もって購入しクルマに用意しておくことで、安心してドライブすることが可能になります。

 それとともに、自らの移動ルートを出発前に調べておき、渋滞箇所を予想して早め早めにSA/PAに立ち寄ってトイレに行っておくと良いでしょう。

 さらに、意外に見落としがちなのが、ドライブ中の飲料の選択です。

 車内での水分補給には利尿作用のあるコーヒーやお茶を控えて「飲用水」を選択することが、極力トイレに立ち寄る頻度を減らして切羽詰まった状況を回避することにつながります。

※ ※ ※

 携帯用トイレは、渋滞中だけでなく災害時にも役立つ画期的なアイテムです。この機会にも用意しクルマに常備することをおすすめします。

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