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なぜ「燃費極悪スポーツカー」に日本人が熱狂!? 1025馬力×V8搭載の「時代逆行車」に“称賛の声”が殺到した理由とは

くるまのニュース 2023年5月8日 22時10分

現在国内で展開される新型車は、脱炭素や環境保護の観点からも「エコカー」が主流となっています。しかし海外では「全く別世界」と言えるような、とてつもなく「燃費の悪い」スポーツカーが誕生していました。

■まさかの「称賛」殺到! なぜ日本人が熱狂?

 現在国内で展開される新型車は、脱炭素や環境保護の観点から低燃費性能や低排出ガス性能を高めるために、電動車やハイブリッドカーなどの「エコカー」が主流となりつつあります。
 
 しかし海外を見ると、そんな感覚とは全く別世界と言えるようなとてつもないクルマが誕生していました。

 そのクルマは、2023年3月にアメリカの自動車ブランド「ダッジ」が発表した2ドアクーペ「チャレンジャー」のハイパフォーマンスグレード「SRTデーモン170」。

 SRTデーモン170は「1025馬力」という途方もないパワーを発揮するいわゆる「マッスルカー」の一台です。

 その恐ろしい出力と世相に逆行するような燃費性能は「北米の一般的なシャワー流水量よりも多い、1時間に約621リットルものガソリンを消費できる」というダッジの説明からもうかがえます。

 SRTデーモン170は強力な量産内燃エンジン「HEMI」を搭載する最後のダッジ車となる特別なモデルで、わずか1.66秒で時速60マイル(約100キロ)に到達。さらに量産車では最強となる2.004GものGフォースを発生させながら、尋常でない加速を実現します。

 この加速力を生み出すためパワーユニットには6.2リッターのHEMIエンジンに加えてスーパーチャージャーを搭載。組み合わされるトランスミッションは8速ATで、駆動輪は後輪のみというマッスルカーの流儀に則った構成です。また、1025馬力の最高出力を発揮するには高エタノール燃料の使用が必須となります。

 ダッジはSRTデーモン170を、100年以上にわたる同ブランドの歴史で最速の生産車両として、発表に際し「世界で最も速く、最もパワフルなマッスルカー」と呼びました。

 このSRTデーモン170の価格は9万6666ドル(約1281万円)。単純に比較はできませんが、2005年に初めて1000馬力を超える最高出力1001馬力のハイパーカーとして世に誕生したブガッティ「ヴェイロン」の車両価格が125万ドル(約1億7194万円)だったことを考えると、SRTデーモン170のリーズナブルさは際立っていると言えます。

■まさか1000馬力超えの「スポーツカー」に日本人も熱狂した!

"HEMIエンジン"搭載モデルは2023年末をもって完全に生産を終了する

 SRTデーモン170は、その特殊性もあって日本でもSNSなどで大きく話題になり、その投稿の多くが「時代に反してて好きだ!」「今だと逆に新鮮!」「エンジンのおバカ感は最高ですね」「アメ車は地球が滅ぶまでこういう車を作って欲しい」「とにかくワクワクする!」など、自動車業界を取り巻くエコカー一辺倒の時流に辟易していたクルマ好きの叫びとも捉えられるコメントが多く見られました。

 また「ガソリンを湯水の如く消費してる…」「1000円給油して何秒で無くなるやろ?」「これほぼ機関車やん」という、メーカー自ら誇る“燃費の悪さ”に衝撃を受けたコメントや、「この馬力で後輪駆動とか、ヤバすぎる」と、マッスルカーの流儀に従いあえて4WDを選択肢なかった設計に感動すら覚えたという人も。

 そのほか「10万ドル切る定価は安い」「零戦とほぼ同じパワーで1281万円!」「この馬力で1300万はバーゲンプライスですよね」「欲しい!」と、ハイパーカー級の出力を発揮する市販車にしては価格が安すぎると購入意欲を示す声もありました。

 最後に「日本もこんな良い意味でブッ飛んだクルマを作って欲しいなぁ…」という、日本の自動車メーカーのラインナップにもSRTデーモン170に負けないモデルを希望するユーザーもいるようです。

※ ※ ※

 ダッジのブランド最高経営責任者であるティム・クニスキス氏は、以下のようにコメントしています。

「ダッジは2015年に707馬力のヘルキャットで、2018年には840馬力のデーモンで世界に衝撃を与えました。今回は1025馬力のデーモン170で、再び世界に大きな衝撃を巻き起こすことになるでしょう」

 まさにこのコメント通り、日本でもデーモン170が巻き起こした衝撃は小さくないのかもしれません。

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