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「あなたのクルマ狙われてる?」 対策しても盗まれる…どんな手口を使うのか ワースト3を占めるメーカー&車種は…

くるまのニュース 2023年5月26日 17時10分

最近は車両価格が500万円を超えるモデルを狙った自動車盗難が多発しています。では、一体どのようなクルマが狙われる傾向にあるのでしょうか。

■盗難被害が多いクルマのワーストは?

 最近、日本の高級車を特殊な機器を使って盗み出す窃盗事件が相次いで発生しています。
 
 では、一体どのようなクルマが狙われる傾向にあるのでしょうか。

 最近は車両価格が500万円を超えるモデルを狙った自動車盗難が多発しています。

 警察庁が2023年2月に公表した「自動車盗難等の発生状況等について」という資料によると、クルマの盗難は2022年中に5734件認知されており、1日あたりに換算すると毎日15件以上の盗難が起きていることになります。

 では、一体どのようなクルマが、どんな手口で盗まれているのでしょうか。

 一般社団法人日本損害保険協会がまとめた車名別の盗難状況によると、2022年中のワースト1位がトヨタ「ランドクルーザー」の450件、2位がトヨタ「プリウス」の282件、3位がトヨタ「アルファード」の184件、4位がレクサス「LX」の156件、5位がレクサス「RX」の90件という結果でした。

 さらに、ワースト6位から10位まではトヨタ「ハイエース」、「クラウン」、「アクア」、「C-HR」、レクサス「ES」と続きます。

 レクサスはトヨタが展開する高級ブランドであり、盗まれやすいクルマの1位から10位がすべてトヨタとレクサスということになります。

 盗まれたクルマの多くは国内で他の犯罪に利用されるほか、「ヤード」と呼ばれる自動車などの解体施設へ運ばれてバラバラにされ、その後パキスタンやイラン、アラブ首長国連邦、タイなどさまざまな国へ不正に輸出されます。

 日本では自動車登録制度や車検があり盗難車を使用し続けることが難しい一方、海外では法整備が整っていない国も多くあるため、解体された部品自体やそれらの部品を組み立てて盗難車を販売できてしまうのです。

 トヨタ(レクサス)のクルマが狙われやすい理由としては、世界最大級の自動車メーカーとして信頼性があり、海外人気が非常に高いことがあげられます。

 たとえば、ワースト1位のランドクルーザーは海外の悪路が多い道でも走破性が高く、中古車市場でも人気があります。

 ワースト2位のプリウスについても、実用性を備えたトヨタブランドとして幅広い層から支持を受けています。

 またワースト3位のアルファードに関しては乗車人数が多いことや高級感を感じられる点が海外の富裕層に人気であるほか、6位のハイエースは大容量で耐久性が高い点などが評価されています。

 つまり、ブランド力や海外での使い勝手、クルマの丈夫さといった点でトヨタのクルマが狙われているといえるでしょう。

 クルマを盗む手口はさまざまですが、警察庁の統計では2022年中の自動車盗難のうち、クルマの鍵をかけた上、鍵をクルマの近くに放置しない「キーなし」の状態で被害に遭う割合が全体の74.8%であり、鍵をかけていても安心とはいえない現状があります。

■「リレーアタック」や「CANインベーダー」の対策は? どうすればいい?

 特に「リレーアタック」や「CANインベーダー」と呼ばれる手口では、鍵が無くてもクルマの解錠ができ、さらにエンジンを始動させることが可能です。

 リレーアタックは、犯人の1人が自宅の玄関などクルマのスマートキーが置いてある場所に近づき、スマートキーから発せられる微弱な電波を特殊な機器で増幅し、クルマの側にいる共犯者に電波を中継して鍵を開け、エンジンを動かす手口です。

 スマートキーの電波が漏れることで被害に遭うため、スマートキーを節電モードにして電波を受信できなくする、電波を遮断するポーチや金属缶に入れて保管するといった対策が有効といえます。

 金属缶などを使用する際は、電波が確実に遮断されているかどうかを試してみると良いでしょう。

リレーアタックの手口(出展:公益社団法人 日本防犯設備協会)

 またCANインベーダーとは、バンパーを少し外すなどしてクルマの左前方にある配線に特殊な機器をつなぎ、クルマの制御システムにアクセスして解錠・エンジンを始動させる手口です。

 CANインベーダーに対しては物理的な対策が必要であり、犯人がクルマの左前タイヤ付近に入り込めないよう左側面を壁側に近づけて駐車したり、バー式のハンドルロック、タイヤロックを取り付けるなどの対策をとりましょう。

 ハンドルロックを無理矢理破壊する犯人もいるため絶対に盗まれないとは言い切れないものの、「盗むのが非常に面倒」と思わせることで犯行を諦めるケースも多々あります。

※ ※ ※

 盗まれたクルマは解体されて海外に不正輸出されるケースが多くなっています。

 特に前述のクルマ達は窃盗団に狙われやすい傾向があるため、クルマに備わっている防犯設備だけでなくハンドルやタイヤロックといった物理的措置、また防犯カメラやセンサーライトを設置するなどの防犯対策が非常に重要です。

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