2021年12月20日に発売されたダイハツ「アトレー」ですが、その機能・装備から「車中泊特化」とも言えます。実際に車中泊を意識して開発されたアトレーはどのようなものなのでしょうか。
■もはや車中泊特化軽バン! ダイハツ「アトレー」が支持されるワケ
昨今、コロナ禍以前から話題となっていたアウトドアとしての「車中泊ブーム」。コロナ禍では密を避けられるという需要からも注目を集めていました。
そうした背景もあり自動車メーカーや関連メーカーは、車中泊需要に対応する仕様車やグッズを多数展開していますが、なかでもダイハツ「アトレー」はその傾向が強いようですが、どのような特徴があるのでしょうか。
現行となる「アトレー」は2021年12月20日に登場。先代までのアトレーは軽乗用車として展開されていましたが、このフルモデルチェンジにより軽商用車(4ナンバー化)となり、アトレーの商用仕様としては約20年ぶりの復活と話題となりました。
なおダイハツはアトレーの開発時に市場調査を行ったといいます。
その結果として軽キャブワゴン・軽乗用バンのユーザー層は2009年時に「シングル15%、子育て世代41%、子離れシニア世代44%」だったのに対して、2020年は「シングル12%、子育て世代32%、子離れシニア世代60%」となり構成比率が大きく変化してきているようです。
また、軽キャブワゴン・軽乗用バンの用途について「レジャー」と回答した人の割合が2013年(28%)から2017年(35%)と、増加傾向にあったといいます。
こうした結果などを受けて、アトレーの担当者は当時次のように説明しています。
「アトレーを軽商用車化した理由としては、ファミリー層のお客様が(軽スーパーハイトワゴンの)『タント』に移行していったということが挙げられます。
乗用仕様をアトレーに設定した頃は、家族で乗るというお客様の要望が多かったのですが、タントの登場でアトレーの役割が変化してきたと考えています。
レジャーなどの際に広い荷室にたくさん荷物を積むという使い方を想定して、4ナンバー化しました」
なお、アトレーのターゲット層は「中年の男性」となり、その理由は「近年の車中泊需要」「新型コロナ禍でのテレワーク需要」などによるものだといいます。
そんなアトレーは、車中泊需要などに対応するため、後席を倒した際の荷室スペースは、車中泊での快適性にも配慮されフラットな空間を実現。
さらに、テーブル固定可能なデッキサイドトリムやマルチフックなども用意するなど、より便利に使える空間を実現しています。
また広い荷室(容量1275リッター)を用意した他、最大積載量は350kgを確保するなど、レジャー用品などの重い荷物も積載可能としました。
■実はまだある「アトレー車中泊専用車」と言える理由…さらにユーザーからの反響は?
そんなアトレーですが、車中泊を意識した部分について商品企画の担当者は次のように話していました。
「アトレーではプラットフォームが刷新されたことで、先代ではルーフ部分が萎んだ形状でしたがそれがなくなったことで、ルーフ部の居住性が向上しました。
さらに、リアスライドドアの窓を従来の昇降式ではなくはめ込み式にしています。
これは車中泊時の換気などでわざわざエンジンを始動しなくても窓の開閉ができるようにということからです。
そのほか、先代ではリアシートを倒しても完全にはフラットにはなりませんでしたが、新型ではフラットにしています」
また発売後のアトレーについてダイハツは「アトレーのお客さまはアトレーワゴン同様、子離れ男性が中心です。用途としては4ナンバー化したことで車中泊やキャンプ、釣りといった大きな荷室を使うユーザーの増加だけでなく、仕事用途の人も増えております」と話しています。
その他、複数のダイハツ販売店では「幅広い世代から問合せを頂きます。個人・法人から一定の需要がありますが、なかでも中年層からの問合せが多い印象です。それらのお客様は、やはりアウドドアや車中泊、釣りなど趣味を持たれていることが多いです」と話しています。