スズキが2022年8月26日に発売した軽商用バン「スペーシアベース」は、車中泊需要に対してどのような対応をしているのでしょうか。
■スペーシアベース、検討する人はやはり「車中泊するの?」
軽自動車といえば、扱いやすいサイズで比較的に価格帯や維持費が安いということから幅広い層に支持されています。
また昨今では「車中泊ブーム」といえる状況ですが、スズキが2022年8月26日に発売した軽商用バン「スペーシアベース」は、車中泊需要に対してどのような対応をしているのでしょうか。
スペーシアベースは「遊びに仕事に空間自由自在。新しい使い方を実現する軽商用バン」をコンセプトに誕生しました。
エクステリアは、フロントグリルやドアハンドル、ドアミラー、バックドアガーニッシュなどの加飾をブラックで統一。
これにより、重厚感を強調するほかリアクォーターパネルやチェッカープレートをモチーフにした専用エンブレムを採用し、お気に入りの道具感を演出しました。
ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm-1800mm、ホイールベース2460mm。最低地上高150mmとなっています。
パッケージとしては、隙間のないフルフラットなフロアと低く抑えた荷室開口地上高による、使いやすく荷物が出し入れしやすい荷室空間を実現。
さらに、標準装備の「マルチボード」や10箇所に配置されたユーティリティーナットを使ってアレンジすることで、車中泊やワーケーション、長尺物の積載、商品の配達など、さまざまな用途に対応します。
その他、純正アクセサリーも充実しており、ドレスアップという部分では、上質感を演出するクロームメッキや存在感を引き立てるブラックの各種加飾パーツを用意する他、遊び心を表現するサイドデカールやデコステッカーも設定。
また車中泊やアウトドアという部分では、「カーテン&タープキット」や遮光生地を使った「リア/フロントプライバシーシェード(メッシュ付)」、「バックドアネット」といったものから荷物をまとめる「カラーコード」、快適に過ごす「リラックスクッション」、「防水シートカバー」なども用意しています。
さらに車内で家電製品を使うために「USB電源ソケット」や「外部電源ユニット」もオプションとして用意されます。
首都圏のスズキ販売店では「スペーシアベースを検討されるお客様の中には一定数の割合で車中泊を用途のひとつとして考えている人がいらっしゃいます。そのため純正アクセサリーに興味を持たれる人もいます」と話しています。
■スペースベースは仕事にも車中泊にも最適!? 実際に寝るならどうする?
前述のマルチボードには4つのモードを設定。まず、「上段モード」は荷室を上下2段に分割し、下面に430mmの高さを確保することで大事な荷物を車外の視線から隠すトノカバーの役目となります。
それだけではなく、畳んだ後席シートの背に座り、マルチボードをテーブル代わりにすることで、モバイルオフィスとして活用することも可能です。
次に荷室下段の高さを290mmにした「中段モード」では、荷室を2段に分割できます。
下段を165mmに落とした「下段モード」では、前席を後ろ側にフルフラットに倒すと最大2030mmの荷室長を確保できるため、スキー・スノボの板のような長尺物を積載できるほか、車中泊時には「寝床」としても使うことが可能です。
さらに、マルチボードを縦方向にセットしすることで後席と荷室を隔離できる「前後分割モード」という使い方もできます。
では実際に車中泊をすると想定した場合にどのような使い方があるのでしょうか。
想定されるのは、助手席・後席・荷室を繋いだ状態となり、そこにエアベッドなどを敷くことで身長約170cmの男性が余裕を持って寝られるスペースが誕生します。
また助手席・後席・荷室を繋いだ状態では成人2名が横並びで寝られるスペースはありますが、寝返りなどは難しいため快適性を考えると1名での車中泊が最適といえます。