Infoseek 楽天

雨で視界不良… 車の窓ガラスに「コーティング」は有効? デメリットも存在 注意点と正しい選び方とは

くるまのニュース 2023年6月8日 14時10分

雨天での運転時に視界を確保してくれる窓ガラス専用のコーティング剤には、どのような種類があるのでしょうか。また、使用する際にデメリットはあるのでしょうか。

■窓ガラスのコーティング どんな種類がある?

 特に梅雨時期など、雨が降る状況でクルマを運転するときには視界の確保が重要です。
 
 そこで、カー用品などで市販されているウインドウ(窓ガラス)専用のコーティング剤を施工する人も多いと思いますが、どのような種類があるのでしょうか。また、注意点や施工によるデメリットはあるのでしょうか。

 梅雨の時期、雨に濡れずに移動できるクルマを活用する機会も増えますが、やはり一番気になるのは悪天候時での視界の確保です。

 ワイパーの使用はもちろんですが、サイドやリアのウインドウの視界を確保してこそ安全に運転できるというものです。

 そこで、ウインドウ専用コーティング剤を使うという方法があります。

 ウインドウコーティング剤は、フロントウインドウなどに専用のコーティング剤を塗布して表面に膜を形成することで、雨や雪などの水分を弾いたり汚れを落としやすくするものです。

 実際にカー用品店などでは数多くのコーティング剤が販売されており、実際に使っているという人も多いのではないでしょうか。

 しかし、ひとことでコーティング剤とは言っても様々な種類があるほか、使用時に注意したい点もあるようです。都内のカー用品店のスタッフ、T氏に詳しく聞いてみました。

「現在、ウインドウ専用コーティング剤として販売されているものには、大きく分けて3種類あります。目的は同じで、いかにフロントウインドウの水や汚れを処理して視界を確保するかということですが、そこまでのアプローチに大きく違いがあるのがポイントです」

 その3種類は「撥水」系と「疎水」系、さらには「親水」系と呼ばれるものなのだとか。一方で、それぞれに長所・短所があるようです。

「まずウインドウコーティング剤として人気が高いのは『撥水』系です。その名の通り、水をはじく性質を持ち、ウインドウ表面の水滴がコロコロと球状になって落ちていくのが特徴です。

 施工後はとにかく水をはじいてくれるので、雨天での視界を確保しやすいと言えます。その一方で、こまめに手入れしないとシミになりやすい側面もあります。

 もう1種類、逆のアプローチを見せるのが『親水』系と呼ばれるものです。これは水滴を全体に馴染ませるように広がり、薄い水膜状態にすることで視界を確保しようという性質を持っています。

 この馴染むような状態にするのは、最終的な水シミなどができにくくするためであって、セルフクリーニング効果なども高いと言われています」

「この『撥水』系と『親水』系の中間的な性質を持つのが、『疎水』系と呼ばれるものです。別名『滑水』系とも呼ばれ、『撥水』系より水はじきは劣るものの、逆にシミを作りにくいのが特徴となっています」

 ただし、コーティングに関して言えば、圧倒的に「撥水」系が人気だと言います。その理由を聞いてみました。

「多くの方がコーティングに求めるものとして、強い水はじきがあります。

『親水』系は汚れを残したくないボディコーティングにはいいのですが、パラパラとした少量の雨などは付着したままになり、水膜独特のゆらゆらした視界はあまり人気がないようです。

 それより分かりやすくパッと水をはじく『撥水』系のほうが、どんな速度域でも対応できますし、また比較的安価にできるのも魅力になっています」

■コーティングのデメリットと注意点は?

 主に3種類があるというウインドウ専用のコーティング剤。しかし、使用する際にはメリットだけでなく、デメリットや注意点も確認しておきたいものです。

メンテさえすれば効果が期待できる

「あくまで個人的な意見かもしれませんが、やはりコーティングはしておいて損はないと感じます。

 何より、梅雨のような雨の多い時期ではその恩恵は大きく、きれいに水をはじいてくれると気分も良くなります。特に夜の雨天走行は見えにくく多少怖いものですが、そういった場合でもしっかり水はじきしてくれ、安全運転に寄与していると思います」

 その反面、若干ではあるもののデメリットもありそうです。

「まず、コーティング面は徐々に溶け出し、日常的な汚れと相まって油膜を形成しやすいのです。

 そのためコーティング剤を塗布するだけでは十分な効果を得られず、逆に油膜の原因になることも。そのためコーティング施工前に油膜をしっかり落とす、きれいな下地づくりが重要になります。

 つまりコーティングと油膜落としはほぼセットと考えてもらえればと思います。それだけ時間と労力が必要になるのがデメリットですが、やっぱりメリットのほうが大きいと思います」

 このようにデメリットもあるコーティングですが、実はフロントよりも、サイドやリアウインドウへの施工がより効果的だと言います。

 確かにフロントには水を拭き取るワイパーがありますが、リアにワイパーがない車種もあります。

 さらに、市街地走行ではドアミラーの鏡面像など、サイドウインドウから見える視界が非常に重要だったりしますし、サイドとリアの視界が確保できれば雨天時の安心感はかなり高まります。

 そのほかに、最近ではワイパーゴムに撥水コーティング機能を持たせたものなども販売されています。

 ウインドウ全体ではないものの、ワイパーの作動とともに可動域に撥水性能を持たせることもできるようになっており、面倒くさがりの方でも手軽に撥水コーティングの良さを体感できるようになっています。

※ ※ ※

 クルマをこまめに手入れできる人にとっては、雨天での視界確保、美観を保つ意味でもコーティングはかなり有効だと言えます。一方で洗車やメンテをあまりしない人にとっては、油膜がつきやすくなる恐れもあります。

 また、市販のコーティング剤は手軽な反面、効果が数ヶ月しか持続しないとも言われており、こまめな洗車とメンテナンスが必要です。

 雨が続く梅雨の時期でも、安全のためにお手入れは欠かさずに行いましょう。

この記事の関連ニュース