以前に福島県二本松市にある自動車販売店にて「ジムニートラック」が販売されていることが話題となりました。果たして現在ではどうなっているのでしょうか。
■福島県で「ジムニートラック」販売している? なぜ?
福島県で人気の軽自動車スズキ「ジムニー」のトラックタイプが製造され、販売されています。
以前に話題となりましたが、その後はどうなっているのでしょうか。
ジムニーといえば、軽自動車ながらも本格的なクロスカントリーSUVとして幅広い層から熱狂的な支持を集めるモデルです。
現行モデルは2018年7月にフルモデルチェンジがおこなわれた4代目モデルで、発売当初から現在までも高い人気を誇っています。
2023年6月現在、日本では3ドア仕様のみの販売となっていますが、同月7日にはインドで5ドア仕様の発売が開始されました。
また過去に「東京オートサロン2019」ではスズキが公式で「ジムニーシエラピックアップスタイル」を展示し、ユーザーからは市販化を期待する声が寄せられました。
このようにスズキ自ら様々な仕様を展開するジムニーですが、現時点の日本では5ドアやピックアップトラックは正規販売されていません。
一方で、前述のジムニーシエラピックアップスタイルを具現化したような仕様が福島県二本松市にある石畑自動車で販売されているといいますが、どのようなものなのでしょうか。
この個体、フロントフェイスは従来から販売されているジムニーと同じ姿をしていますが、後方部は軽トラックの荷台が備わっています。
製作経緯について、石畑自動車の代表取締役社長である安斎氏は次のように話します。
「ジムニートラックが海外で販売されているのを目にし、日本でも軽トラックとジムニーを組み合わせることで作れるのではないかと考えました。
そして、付き合いのあった板金職人と相談し製作に至りました」
また、ジムニートラックは車検が通る安全なクルマにするために、どのような施工工夫があったのでしょうか。同製作者は次のように話します。
「どこでも車検を受けれるクルマにするのが大前提であるため、安全面はもちろん配慮しました。
荷台とキャビンを分けることで、フレームの歪みを抑え、ひび割れのリスクを低減しました。
さらに、ジムニーと軽トラックの荷台の接続部分に剥き出しになってしまうリア部分があり、そこをトヨタ『プリウス』のリインホースで塞いでいます。
ジムニートラックは区分上、軽貨物となります」
■今では注文が殺到中!年に1、2台しか作れない理由とは
石畑自動車が手がけるジムニートラックはどのような反響があったのでしょうか。
「当時ジムニートラックは自社で使用していました。
最初話題になったきっかけは弊社従業員が地元の電気屋を訪れた際に、一般の方がジムニートラックをTwitterに投稿したものが注目を集めたことです。
そこからメディアに取り上げられることもあり、今では数多くの問い合わせをいただいています。
お客様からも『自分のジムニーもトラックの仕様に変えてほしい』『ジムニートラックが次に完成したら買いたい』『予約注文をしたい』などと、たくさんの反響がありました。
また、アメリカのテレビ番組であるディスカバリーチャンネルから、『福島県での撮影があり、ジムニートラックが番組の演出上ピッタリであるから使わせてほしい』という問い合わせもありました」
ジムニートラックは話題を集め、熱狂的なファンを中心に問い合わせが殺到しているようですが、現状次の製作予定はあるのでしょうか。
「ジムニートラックは加工に半年程度かかることや、ジムニーが中古車市場などで手に入りづらいということもあり、年に1から2台までしか作れません。
そのため、数多くのオーダーをいただいていますが、必ず製作できると約束できるわけではないのが現状です」
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ジムニーは長納期化やバックオーダーの多さもあり、新車でも手に入るまでに時間を要します。
中古車市場でもジムニーは数が少なく、「ジムニートラック」も量産できるわけではありません。
そのため、前出の製作者は「後部が壊れて廃車や事故車になるジムニーでもジムニートラックは作ることができます。事故車などは安く仕入れて製作ができるのでそのような車両を探しています」と話します。