交通違反で捕まると違反点数や反則金がありますが、最も検挙数が多い違反と最も反則金が高い違反は何なのでしょうか。
■最も検挙されている「違反内容」とは?
街の交通を見ていると、時々警察による交通取り締まりがおこなわれています。
交通違反で捕まると違反点数や反則金がありますが、最も検挙数が多い違反と最も反則金が高い違反は何なのでしょうか。
ユーザーの中には、これまで交通違反で捕まった経験があるという人もいるでしょう。
交通違反で検挙されると違反点数が累積したり、高い反則金を支払うことになります。
警察庁の統計資料によると、2022年中に最も検挙数が多かった交通違反は「一時不停止」で、146万6131件でした。
これは検挙件数全体の約23.9%を占めており、1日当たり4000件以上の取り締まりがおこなわれている計算になります。
しっかりと一時停止をしなかったクルマが交差点で出会い頭に衝突する事故が多く発生しているため、おのずと取り締まりも厳しくなる状況があるといえるでしょう。
「一時不停止」に次いで多いのは「最高速度違反」の93万2260件であり、その中でも「時速20km以上25km未満」の速度超過の検挙件数が特に多くなっています。
最近では、各警察が狭い道路でも取り締まりができる「可搬式オービス」を導入しており、幹線道路だけでなく生活道路においても取り締まりが強化されています。
そして3番目に多いのは「放置違反金納付命令件数」で69万8533件でした。
この放置違反金納付命令とは駐車違反をしたドライバーが警察に出頭せず、違反金の納付をしなかった場合などに公安委員会から出される命令のことをいいます。
違反金の支払いを無視し続けていると、最悪の場合車検が受けられない、強制的に財産が差し押さえられるといった事態に発展する恐れがあります。
■最も高額な反則金はいくらなのか? そしてその違反内容とは…
また反則金が最も高い違反について見ていくと、大型車の「最高速度違反(高速道路での時速35km以上40km未満)」と「積載物重量制限超過(5割以上10割未満)」の違反が該当し、反則金は4万円です。
交通違反の反則金は大型車や普通車、二輪車など車種によって金額が変わり、基本的に同じ違反であれば大型車が最も高額になります。
積載物重量制限超過とはいわゆる「過積載」のことであり、クルマの最大積載量を超えて荷物を積むことが禁止されています。
最大積載量の何割を超えるかによって違反点数や反則金が変わり、たとえば最大積載量10トンのトラックに15トン以上20トン未満の荷物を積むと前述の「5割以上10割未満」の違反に当たります。
過積載をするとブレーキが効きにくくなる、ハンドル操作に影響を与えるなど事故の危険性があるため、反則金が高く設定されています。
そのほか検挙件数トップ3には入っていないものの、警察では交通事故につながりやすい交通違反として信号機のない横断歩道における「横断歩行者等妨害等」の違反や「携帯電話使用等」の違反といった取り締まりを強化。
さらに、事故の被害を軽減するために「シートベルト・チャイルドシートの装着義務違反」の取り締まりにも重点を置いています。
特に「携帯電話使用等」の違反については「ながらスマホ」による交通事故が相次いだことを受けて道路交通法が改正され、2019年12月から運転中にスマートフォンなどを使用した際の罰則が「5万円以下の罰金」から「6か月以下の懲役または10万円以下の罰金」へと引き上げられました。
さらに違反点数は1点から3点に、反則金も普通車で6000円だったものが1万8000円と3倍に増加しています。
このように、交通事故の危険性が高い違反については違反点数や反則金が高くなる傾向にあるといえるでしょう。
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2022年中最も検挙数が多かった交通違反は「一時不停止」でした。
クルマを運転する際には、特に交通事故につながりやすい携帯電話の使用や信号無視、横断歩行者妨害などの交通違反をしないよう心がけることが大切です。