クルマを購入するときに渡されるもののひとつが、リサイクル券です。言われるがまま受け取っている人がほとんどかもしれませんが、これは何のためのものなのでしょうか。
■リサイクル券とは?いつ何のために使うの?
新車や中古車を購入したとき、ディーラーや中古車販売店から、リサイクル券が渡されます。
言われるがまま受け取っている人がほとんどかもしれませんが、これは何のためのものなのでしょうか。
リサイクル券は2005年に施行された自動車リサイクル法によって導入されたものでクルマや車検証などと一緒に渡されます。
リサイクル券とは、適切にクルマを処分するために必要な費用を購入時に支払ったと証明する書類のことで、廃車にするまで車検証と同じように大切に保管しなければいけません。
さらに、中古車として売却するときや、廃車するときにリサイクル券は必要になります。
中古車として売却する場合は、中古車販売店などにリサイクル券を引き渡し、支払ったリサイクル料が返金されます。
次のクルマの所有者も、同じようにリサイクル料を支払ってリサイクル券を受け取り、売却するときにリサイクル料が返金されるという流れが続いていきます。
なお、クルマを廃車するときは、リサイクル料が返金されません。
クルマを廃車するためには有害な物質や処分しにくい部品を適切に処理する必要がありますが、その費用を支払ったと理解するとよいでしょう。
つまり、リサイクル券は、廃車にかかる費用を購入時に先に支払ったと考えると分かりやすいかもしれません。
そもそも新車や中古車に関係なく、クルマを購入するときは、車両本体価格や税金、保険料だけでなく、リサイクル料もかかっています
たとえば、エアコンやテレビ、冷蔵庫などの家電は、処分するときにリサイクル料を支払う必要がありますが、クルマの場合は、購入するときにリサイクル料がかかり、証明書が渡されます。
これは自動車リサイクル法によって導入されたもので、ゴミを減らし、資源を無駄遣いしないために導入されました。
リサイクル料の内訳は、シュレッダーダスト料金やエアバック類料金、フロン類料金、情報管理料金などです。
また、リサイクル料の金額は、一般的に軽自動車やコンパクトカーなら7000円から1万6000円程度、普通自動車なら1万円から1万8000円程度です。
ただし、メーカーやモデルによって異なるため、購入時に確認するのが良いかもしれません。
■もし…リサイクル券を紛失したらどうしたらいい?
このように、リサイクル券は大切な証明書ですが、うっかり紛失してしまったり、盗難や事故でどこかにいってしまうことも考えられます。
それでは、リサイクル券を紛失した場合、どうしたら良いのでしょうか。
東京都内の中古車販売店の担当者は次のように話します。
「リサイクル券がない場合、再発行が必要となります。
クルマを購入した店舗に問い合わせてリサイクル券を再度もらえないか確認するか、クルマを売る中古車販売店に相談してみる必要があります」
また、リサイクル券が手元にない場合は、自動車リサイクル法に関する方が利用する「自動車リサイクルシステム」というサイトにて、「リサイクル券の預託状況」という書類を印刷することができます。
車体番号といった必要事項を入力して、リサイクル料を検索すると、預託済み(支払済み)であることが確認できるため、その証明証を印刷して手続きを進めます。
ちなみに、「受け取った記憶がない」という人であれば、ダッシュボードの助手席側にあるグローブボックスの中を探してみると、見つかることもあります。
ディーラーや中古車販売店などは、大切な書類をグローブボックスに入れることが多いため、念のため探してみるのもひとつの手です。
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このように、クルマを購入するときは、車両本体価格や税金などのほかに、リサイクル料を支払います。
リサイクル料を支払うと渡されるリサイクル券は大切な証明書のため、しっかり保管しましょう。