毎年初夏から初秋頃まで全国各地でゲリラ豪雨や台風による大雨などが多発する傾向にあります。そのような際にコインパーキングなどに駐車していたクルマが冠水により出庫出来なくなる可能性も考えられますが、駐車料金は満額支払わないといけないのでしょうか。
■大雨でコインパーキングが冠水…クルマが出せないけど駐車料金はそのまま払うことになる?
全国各地で大雨が相次ぎ、道路や住宅などが水に浸かってしまう地域も出ています。
このような自然災害の際にはコインパーキングからクルマが出せなくなる、水没するなどのケースも想定されますが、管理会社から何らかの補償をしてもらうことは可能なのでしょうか。
6月に入り、全国各地で大雨の日が続いています。この大雨の影響で公共交通機関が運休となったり、関東地方でも道路の冠水や住宅浸水が起きるなど多くの被害が出ており、中にはクルマが水没して動かせなくなるケースもありました。
またJAFの調査によると、2022年9月に発生した台風15号の際には、静岡県内だけで冠水によるロードサービスの件数が2000件を超えたというデータもあり、水害による影響が計り知れないことがうかがえます。
大雨の際には道路の冠水によってコインパーキングからクルマが出せなくなる、駐車していたクルマが水没するといった状況が起きることも想定されます。
ではこのような事情があった場合、コインパーキングの管理会社から駐車場料金の免除や水没したクルマの補償などをしてもらうことは可能なのでしょうか。
全国で時間貸駐車場「タイムズパーキング」を展開するパーク24株式会社の経営企画本部の担当者は、クルマの管理について以下のように話しています。
「タイムズパーキングは、お客様の車両をお預かりするサービスではなく、駐車するためのスペースを提供するサービスになります。
弊社においては、この前提に沿った利用約款を定めており、駐車場内やウェブにて掲出しております。
つきましては、気象予報等で自然災害の可能性がある際には、安全な場所に車両を避難いただくなど、お客様自身で車両を管理いただければと存じます」
つまり、あくまでクルマの管理は所有者の責任でおこなわなければいけないということになります。
また、担当者は駐車場料金やクルマの補償に関して以下のようにも説明しています。
「お客様自身での車両管理を前提として、それに起因した車両の損害や出庫不可については、当社の故意または過失がある場合を除いて補償の対象外になり、駐車中の駐車料金も発生いたします」
このように、自然災害が理由でコインパーキングからクルマを出せなくなる、クルマが水没するといった事情があっても、基本的には管理会社からの補償はないと考えておいたほうが良いでしょう。
■国土交通省も喚起する「大雨のとき」にとるべき対策は? コインPからクルマを出すにはどうする?
大雨に関する情報は数日前から公表されているため、ハザードマップを参考に、浸水しやすい地域からクルマを移動させておくといった対策が重要です。
国土交通省のホームページでは、水深がクルマの床面を超えるとエンジンや電気装置などに不具合が発生するおそれがあること。
タイヤが完全に水没した場合には車体が浮いて移動が難しくなることなどについて注意喚起しています。
さらに、水深がクルマのドアの半分を超えると内側からドアを開けることが困難になり、外からの救助が必要になる可能性もあります。
もしクルマを移動させる場合には、早めの対応が肝心といえるでしょう。
とはいえ、急な水位の上昇によってコインパーキングからクルマが出せなくなるケースもあるかもしれません。
その場合の対処方法について前出の担当者は以下のように話しています。
「万が一水没等により車両が動かせないなどのトラブルでお客様がお困りの際には、出庫対応などのサポートはさせていただきますので、コールセンターまでお問い合わせください」
※ ※ ※
コインパーキングはあくまで駐車スペースを貸し出すサービスであるため、基本的に自然災害によって発生した損害などについては補償されません。
今後は梅雨だけでなく、台風シーズンが到来するため、大雨が事前に分かっている場合には早めにクルマを安全な場所へ避難させておきましょう。