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えっ…! その場でハンドル「くるくる」はクルマを「じわじわ」壊す行為だった!? 正しい「操作」とは

くるまのニュース 2023年6月26日 20時10分

無意識のうちに行っているクルマの運転操作のなかでも、じわじわと寿命を縮めてしまうようなNG行為がいくつかあります。その中でも今回は「ハンドルの据え切り」について紹介します。

■「車庫入れ」でやりがちなハンドル操作、実は「ダメージ大」だった!?

 少しくらい乱暴に扱ったり、メンテナンスをちょっと怠ったりするくらいでは壊れることはない昨今のクルマですが、それらのダメージは確実にクルマに蓄積され、気づいたときには手遅れ、なんてことにも。

 そのひとつが「ハンドルの据え切り(すえぎり)」です。

 ハンドルの据え切りとは、駐車場などでクルマをいったん停止させた状態で、ハンドルをグルグルと回してしまう行為を指します。

 何気なくやってしまう操作のひとつであるハンドルの据え切りで、最も大きなダメージを受けるのがタイヤです。

 トヨタ「ヤリス」やホンダ「フィット」のような重量1トンほどのFFコンパクトカーの場合でも、フロントのタイヤ1輪には約300kgの重みがかかっています。

 日産「アリア」やスバル「ソルテラ」、トヨタ「bZ4X」などのバッテリーEVとなれば、バッテリー単体の重さが500キログラムもあるといい、車重は2トンを超える場合も多く、その場合タイヤ1輪に500~600キログラムもの荷重がかかることになります。

 タイヤが地面に接地する面積は、わずかはがき1枚ほどに過ぎません。

 クルマが停止した状態でハンドルの据え切りを行うことは、そのはがき1枚ほどの面積に、重い荷重によって地面へとぐりぐりと押し付けている状態であり、タイヤを消しゴムのように削っている動作と同じことです。

 筆者(河馬兎)が自動車メーカー勤務時代、開発を担うテストドライバーは次のように教えてくれました。

「狭い駐車場での切り返しなど、据え切りハンドルをやらざるを得ないシーンでは、わずかにクルマを動かしながら、ハンドルを回すようにしましょう。

 それだけでも、タイヤの局所的な摩耗を軽減することができます」

 ハンドルの据え切りは、タイヤだけでなく、ステアリング系やサスペンションのブッシュなども、わずかながらダメージを受けるといいます。

 クルマは走行しているときよりも、停止しているときのほうがステアリングにかかる力が大きいため、そのぶんダメージも大きいのです。

※ ※ ※

 もちろん自動車メーカーもこうした操作を想定し念入りな対策テストを行っており、1度や2度やったくらいではそれほどダメージはありません。

 しかしそれが習慣になってしまっていると、タイヤはおろか、クルマの寿命も縮めてしまう原因になってしまいます。

 ぜひ駐車場での切り返しの際などには「わずかにクルマを動かしながらハンドルを回す」を心がけてください。

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