夏の暑い日に給油する際、給油口から「シュー」という音が聞こえることがあります。この音にはどのような意味があるのでしょうか。
■「シュー音が終わってから…給油を!」 そもそも何の音?
クルマでガソリンを給油する際に給油蓋を開けると「シュー」という音が聞こえることがあります。
実はこの音が鳴り終わってから開けることが望ましいようですが、どのような理由があるのでしょうか。
近年では、自分で給油を行う「セルフ式ガソリンスタンド」が増えてきています。
それに比例する様に給油に関するトラブルも起きていますが、給油する際にはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
給油時に気をつけるべきことは、いくつか挙げられます。
まず給油前には火元となる静電気を取り除くために給油機に備わっている「静電気除去シート」を使用します。
同じく咥えタバコやスマホを操作しながらの給油行為は禁止です。
また、ほとんどのクルマでは給油時に蓋を開けてキャップを回しますが、この時に「シュー」という音がする場合があります。
この音について、ガソリンスタンドのスタッフは「プシューという音は夏場の熱のこもりやすい時期などに発生しやすいもので、ガソリンタンク内に留まっていた気化したガソリンが抜けていく音です」と話しています。
続けて同スタッフは「可燃性があるためガスが吹出す恐れがあるため、音が止むまで待ってからキャップを開けてください」と話します。
燃料が一定の量まで入ると給油が自動でストップしますが、その後の注ぎ足し行為は禁止されています。
前出のスタッフは「最近ではセルフ式が普及したことで給油行為が気軽なものと捉える人もいます。しかし、給油は危険物を扱うことになりますので、注意して行って頂ければと思います」と話しています。
■軽自動車に「軽油」 なぜ起こる? 燃料間違えた場合の対応は?
セルフ式ガソリンスタンドでのトラブルでまず挙げられるのが「燃料の入れ間違い」です。
JAFによれば、2022年10月1日から31日の1カ月間で出動した「燃料の入れ間違い」による救援(105件)のうち、ガソリン車に軽油を給油してしまったケースは57件、ディーゼル車にガソリンを給油してしまった件数は39件と明らかにしています。
さらにこれらの要因としては、「レンタカーを借りて普段の車両と違ったため」、「軽自動車なので軽油を入れた」などの理由が挙げられており、ドライバーの認識不足がトラブルに繋がっていることが見受けられました。
燃料はクルマによって指定されています。油種に関しては車検証や取扱説明書、最近では給油蓋などに記載されているため、そこで確認出来ます。
なおもし燃料を入れ間違えてしまった場合、クルマにより対応が異なります。
例えば「ガソリン車に軽油を入れた場合」では、はじめの症状としてエンジン出力が下がり加速が鈍くなります。
その後、走り続けて供給される燃料が100%軽油だけになると黒い排気ガスが出てやがてエンジンが停止。
一方で「ディーゼル車にガソリンを入れた場合」は、最初のうちエンジンはかかるものの、すぐにパワーがでなくなります。
その後エンジン音は高くアイドリングも不安定となり、排気ガスは白煙に。この状況になると噴射ノズルや燃料ポンプの交換が必要になる場合があります。
なお、燃料を入れ間違えてもエンジン始動前に正しい燃料を入れ替えれば大きな問題とはならないため、すぐにガソリンスタンドのスタッフに声を掛けるなどする他、同時にロードサービスなどに救援を依頼することが推奨されます。
前出のスタッフは「もし自分のクルマの燃料が分からない場合はそのまま給油を続けずに必ずスタッフにご相談ください」と話しています。