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雨で視界が悪い! 車の窓「ギラギラ」に「ウーロン茶」が効くって本当? 「油膜」を除去する方法は

くるまのニュース 2023年7月1日 7時10分

雨天走行時、ワイパーを使っても拭きムラができたり、ギラギラ反射して視界が悪い原因は「油膜」が考えられます。ではどう対処すればいいのでしょうか。

■雨で視界が悪い! 油膜の「ギラギラ」どう対処?

 雨のなかクルマで走行している時に、ワイパーを使ってもうまく雨水が拭き取れなかったり、ギラギラと反射してしまうことがあります。
 
 この症状が出る場合は、おそらく「油膜」がウインドウ表面に付着して視界を悪化させており、ひどい場合は運転に支障をきたすこともあります。

 油膜はその名の通り、油の層がウインドウ表面に付着した状態です。

 その原因のひとつが排気ガスとされ、ガスに含まれる成分が少しずつ付着し蓄積されていき、油膜を形成するのです。また大気中に漂う排気ガスの成分が蒸発し、雨となって再び降り、さらに付着することも知られています。

 もうひとつの大きな原因と言われているのが、ボディワックスやコーティング剤に含まれる油分が劣化し、溶け出してしまうというもの。

 そもそもワックスなどは有効成分自体が油膜であり、劣化して溶け出してしまうこともしかたありません。この場合、経年劣化で生じる油膜となり、定期的な対策が必要とも言えます。

 現在では、油膜除去効果を持たせたウォッシャー液なども市販されていますが、その範囲はワイパーで拭ける範囲のみと限られ、うまく取れない場合も多いのです。

 さらに言えば油膜は全部のウインドウに付くため、やはり定期的に対処したいものです。では正しい対処法はあるのでしょうか。都内のコーティング専門店のスタッフI氏は以下のように話します。

「まず、雨天時の走行に影響が出てしまうほどの油膜は、かなり強力にこびりついた状態です。

 通常のカーシャンプーによる洗車では十分に落とせず、せっかく洗ったのにウインドウがスッキリしないなんてことになってしまいます。しっかり対処すれば数ヶ月はクリアな視界でいられますので、ここはしっかり油膜を落とすことをお勧めします」

 一般的には油汚れを落とすものとして、もっとも手軽なのは台所用の中性洗剤です。油膜落とし専用の洗剤がなくてもこうしたもので代用できるのでしょうか。

「実際には、台所用の中性洗剤のなかには油膜取りにそれなりに使えるものもあります。というのも、もともと台所用洗剤は油分を除去する成分を研究して作られています。初期段階であれば、十分代用できると思います」(コーティング専門店 スタッフI氏)

 油で汚れた食器を洗う洗剤でも、窓の状態によっては十分利用する価値もありそうです。

 ただし、油分の洗浄機能が高いということは、ボディにまで使用してしまうとせっかくのコーティングまで落としてしまう可能性も。I氏いわく、通常の洗車(カーシャンプー)後に、中性洗剤でウインドウを再度洗うのがおすすめなのだとか。

 ちなみに、脂っこいものを食べたあとによく飲まれるウーロン茶が効くという「都市伝説」的なウワサも聞かれますが、実際にはどうなのでしょうか。

「実際に検証したわけではありませんが、ウーロン茶はほぼ効果が期待できないでしょう。通常の水道水より効果があるかも知れませんが、ちょっとマシな程度かと」(コーティング専門店 スタッフI氏)

■洗っても取れない油膜はどう落とす?

 ウインドウの油膜を除去するのに、中性洗剤で洗ってしまうことは一定の効果があるようですが、それでもこびりついて取れない場合もあります。どう対処すればいいのでしょうか。

 これについて前出のI氏は、「それでも上手に油膜が取れない場合は、やはり研磨成分を含んだ油膜除去剤を使用したほうが効果的に除去できると思います」と話します。

油膜を除去するだけでなく雨染みや水垢も除去できる

 油膜除去剤はカー用品店などで数多く市販されています。ガンコな油膜をスッキリさせたいのなら、研磨剤(コンパウンド)入りの液体タイプが使いやすいそうです。

「まずは通常の洗車で表面の泥や砂などの汚れをカーシャンプーなどで洗い、水で流します。このときウインドウの水分は拭き取らなくても大丈夫です。

 ここで水分が弾かれている部分があれば、そこに油膜が付着している部分です。

 次に油膜除去剤を適量スポンジに取り、ウインドウ表面に塗り伸ばします。単純に塗り広げるというより、少し表面を削ぐように少し力を入れて塗り込むような感じです。

 残っていた水弾きがなくなれば、油膜が落とせたことになります」(コーティング専門店 スタッフI氏)

 この油膜除去剤には先述したように研磨剤が含まれているので、丁寧に作業したい人はウインドウ以外の部分に研磨剤が付着しないよう、マスキングテープなどで養生するのもお勧めだと話します。

「水を弾く部分がなくなり、全体に油膜除去剤が広がるようになったら、しっかりと水で洗い流してください。

 拭きあげは、油分の付着していないきれいなタオルやマイクロファイバークロスで行うこと。

 そしてできれば、次の汚れが付着しにくいようにウインドウコーティングしておくと、油膜がつきにくくなります」(コーティング専門店 スタッフI氏)

 雨の日に水分を弾いたり、なじませる効果を持つウインドウコーティングなども、油膜が付いた状態では効果が半減どころか、逆に視界を悪化させてしまうこともあります。

 施工する前には、このように油膜を落として「きれいな下地作り」が重要とも言われています。

 また、ウインドウは表面(外側)だけでなく、内側もしっかり清掃するのもポイントなのだとか。内側は固く絞った濡れタオルで一度拭き、そのあと乾いたタオルで拭き上げることでかなりスッキリするそうです。

「この油膜取りの作業は、かなりの労力を要します。自分で仕上げるのに自信がない方や、作業する時間のない方は、プロに任せてしまうのもいいと思います。

 自分でいうのも何ですが、プロならではの仕上がりにしておくのも、この時期は特にお勧めです」(コーティング専門店 スタッフI氏)

※ ※ ※

 ウインドウ油膜の除去だけでなく、研磨やコーティングを施工すれば、特に梅雨時期には視界が確保され、事故の予防に繋がります。

 しかしウインドウがきれいになったとしても、ワイパーが劣化したままではまた新たな汚れや傷をつけてしまうことになります。同時にワイパーゴムの状態も忘れずにチェックしておきたいポイントです。

 雨に備えて、愛車の点検やメンテナンスも怠らないようにしましょう。

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