ボディなどをキレイに保つために効果を発揮する「コーティング」ですが、「撥水タイプ」や「親水タイプ」「疎水タイプ」といった複数の種類が存在します。一体どのような違いがあるのでしょうか。
■3タイプの「水の弾き方」どう違う?
ボディやフロントガラスをキレイに保つために、効果を発揮する「コーティング」。
施工することでボディに汚れが付着しにくくなったり、太陽光による日焼けを軽減したりと様々なプラスの効果が得られます。
そんなコーティング剤には「撥水タイプ」と「親水タイプ」「疎水タイプ」といった複数の種類が存在しますが、一体どのような違いがあるのでしょうか。
これらの3つのタイプは、雨など車体に付着した水との反応に大きな違いがあります。
まず、撥水タイプのコーティングは、付着した水分がガラス面やボディ上で弾かれて、ほぼ球状になるのが特徴です。
3タイプの中では最も水を弾く力が強く、付着した水がコロコロと転がるように流れていくので、汚れた水でもボディにべったりと付着せず拭き取りやすいのがメリットです。
ただし、流れ落ちずに残った水滴が乾燥してしまうと、イオンデポジット(水分中の不純物が蒸発し乾燥することによりボディに付着したもの)やウォータースポット(水分のシミが固着したもの)ができることがあります。
水分を効果的に弾くため拭き上げは手軽になりますが、その一方でケアを怠るとボディにダメージを与えてしまうのです。
この撥水タイプと真逆の効果を持つのが、親水タイプです。
親水タイプは、水を弾くのではなく「なじませる」働きがあり、ガラス面やボディに水が付着しても弾かれずべったりとなじむので、付着した水はなかなか流れていきません。
そのため、雨の日や洗車などで車体が濡れた後は、長い間水分が残った状態になります。
時間をかけてゆっくりと水が流れていくので、水滴が残りやすい撥水タイプとは異なり、水玉状のシミができにくいのがメリットです。
■第3のコーティング「疎水タイプ」の特徴は?
3つ目となる疎水タイプは、撥水タイプと親水タイプの中間の効果があります。
撥水タイプほど水を弾かないのでイオンデポジットやウォータースポットができにくく、くわえて親水タイプほどしっかりと水がなじなまいため、汚れが付着しにくくなります。
このように、撥水タイプ・親水タイプ・疎水タイプには、先述のようにそれぞれ異なる特徴があります。
では実際にコーティング剤を選ぶ際には何を参考にして決めれば良いのでしょうか。
コーティング専門店のスタッフに話を聞いたところ、「コーティング剤の種類を選ぶコツは、クルマの駐車環境に応じて選択するのが良い」ということでした。
例えば、普段屋根のないところに駐車しているクルマに撥水タイプのコーティングを施工すると、残った水滴を原因とするイオンデポジットができやすくなります。
そのため、一般的には疎水タイプか親水タイプの方が向いています。
逆に、いわゆる青空駐車ではない場合には、直接日光にさらされる機会が減るため、撥水タイプや疎水タイプを選択すると良いでしょう。
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コーティングをしても汚れが全く付着しないわけではありませんが、施工することで、何もしない状態よりもボディへのダメージや汚れの付着を軽減することができます。
クルマを大切に長く乗りたい人は、一度コーティングを施工することを検討してみてはいかがでしょうか。