夏になると様々な条件により大雨が降ることがあります。その際話題となるのが水没車(冠水車)ですが、事前の対策方法はあるのでしょうか。
■クルマの冠水にはどのような危険がある?
日本では6月の梅雨時期から夏にかけてゲリラ豪雨、台風、線状降水帯などのニュースを目にする機会が多くなります。
では、万が一これらの雨により自分のクルマが冠水もしくは水没してしまった場合、どのような対処方法を取れば良いのでしょうか。
雨の日の運転にはさまざまな危険が伴います。大雨により道路が冠水し、その箇所にクルマが進入すると、クルマが冠水してさまざまな問題を引き起こします。
ゲリラ豪雨の場合、自分の認識している以上に道路が冠水状態になっているケースが多いです。
そのような状況の道路に侵入すると車内から脱出できなくなる可能性もあり、大変危険です。
また、タイヤの1/3程度の水深になると走行が困難になり、さらに水かさが増すとクルマごと流されてしまう危険もあります。
過去にJAFは、「水没に関するユーザーテスト」としてアンダーパスでの水没をシミュレーション結果を発表しています。
これは、セダン(前席ドア)とミニバン(スライドドア)を使用して、何cmでドアが開かなくなるか実験するというものです。
水深30cmではセダンもミニバンもドアは開けることが可能でした。
しかし水深60cm(後輪が浮いた斜めの状態)になるとセダン共に大人でも開けるのが不可能という結果っといます。
またクルマ側の話として、 ガソリン車/ディーゼル車の場合、マフラーが浸水するとエンジンにも水が入り込んだ結果として動きが取れなくなる可能性が考えられます。
こうしたことを避けるためには可能であれば、事前の気象情報を確認しつつ、大雨やゲリラ豪雨被害が発表された場合には、クルマでの無理な外出は控えるのがいいかもしれません。
また、駐車時にクルマを冠水させないために安全な高台にクルマを移動させるのもひとつの手です。
■マフラーに水が入るとどうなる? 水没車はどうする?
それでは、冠水をしてしまったクルマはどのように扱えばいいのでしょうか。
もしクルマが冠水被害に遭ってしまった場合には、自分でエンジンをかけないことが重要です。
そのため、冠水車は自分で動かさず、ロードサービスなどを利用してディーラーや整備工場に持っていくことが望ましいです。
また、冠水車は修理をする場合、多額の費用がかかります。
エンジンの交換や浸水した室内の匂いを取り除く作業などにコストがかかります。
日本各地で甚大な大雨被害により、数多くのクルマが冠水車や水没車となっています。
実際にインターネットで中古車情報を見ると水没車らしきモデルが存在します。
ちなみに、冠水車は中古車として買い取ってもらうことはできるのでしょうか。
中古車販売店Aの担当者は次のように話します。
「当店では冠水や水没してしまったクルマに値段をつけて買い取るということはありません。
レッカーなどでクルマを持ち込んでいただいた場合は、基本的には廃車を行うという流れになります」
別の中古車販売店Bでは次のように話しています。
「水没の程度によっては買い取りをすることはあり、再度修理や清掃などを行い販売することもあります。
その場合は程度により何らかの表記をすることがあります」
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一方、自動車保険の中には水没被害に遭い一定以上の修理費用が発生した場合に、新しいクルマに乗り換えできる特約があります。
ゲリラ豪雨などの自然災害はいつ起こるのか誰にも分かりません。
そのため、事前に予防や対策などを理解しておくことのが良いかもしれません。