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えっ…警察も警告! 夏場に道路で寝る「謎の人」多発、なぜ? 夜間時にクルマが気づかない場合も、増加する理由とは

くるまのニュース 2023年7月14日 9時10分

神奈川県警察本部交通部交通総務課のSNSでは定期的に「お酒に酔って道路で寝る人」に対する注意喚起を行っています。意外な注意喚起にはどのような背景があるのでしょうか。

■「そんな人いるの…?」 神奈川県警が意外な「注意喚起」を呼びかけている

 夏シーズンは、海水浴やビアガーデンなどでお酒を飲む機会が増えると同時に様々な事故やトラブルが増えます。
 
 そうした中で一見「あり得ない」ような事故が発生しているようです。

 夏シーズンは気温も上がり、冷たい飲み物が美味しい時期となってきました。

 自宅で冷えたビールを飲んだり、ビアガーデンで友人や同僚とお酒を楽しんだりする人もいるでしょう。

 総務省統計局の資料によると、ビールの1世帯当たり月別購入数量(2017年から2019年平均)は12月の2.40リットルに次いで8月と7月が多く、それぞれ2.34リットル、2.28リットルという結果でした。

 このように、夏にはお酒を買う人が増加する様子がうかがえます。

 お酒は適量であればストレスの緩和や人とのコミュニケーションを円滑にするなどメリットもありますが、飲み過ぎると様々なトラブルや事故に巻き込まれる可能性があります。

 そうした中で2023年6月22日に神奈川県警察本部交通部交通総務課のSNSでは、以下のような内容をツイートし、注意喚起を呼びかけています。

「酒に酔って道路で寝ている人に衝突する事故が毎年発生しています。

 運転手のみなさん ハイビーム・ロービームの活用 速度を出しすぎないことなど早めの発見に努めましょう。

 歩行者のみなさん 飲みすぎて道路に寝ることなく無事に帰ることを心がけてください」

 この投稿では「道路に横たわっていた方の交通事故死者数と飲酒状況割合」と題したグラフ(平成30年から令和4年までの交通死亡事故を基に算出)も添付。

 これにより、道路上に横たわっていて事故に遭い亡くなった人のうち約70%が飲酒していたと明らかになっています。

 お酒を飲み過ぎて前後不覚になり、そのまま道路で寝てしまう人が多いといえるでしょう。

 特に夜間はクルマのドライバーが寝ている人に気づかない、または発見が遅れる可能性が高くなります。
 ロービームが約40m先までを照らすのに対し、ハイビームでは約100m先まで照射できるため、対向車がいない場合にはハイビームを活用して道路の状況をよく確認することが大切です。

 さらに、道路上に人が横たわっていることに気づいてブレーキをかけた場合、出していたスピードが大きければ大きいほど制動距離が伸びてしまいます。

 夜間でクルマが少ないとしてもスピードを出し過ぎないよう注意しましょう。

■道路で寝る行為…歩行者側にも罰則が存在! その内容は?

 また歩行者側も飲酒量には気をつけなければいけません。

 道路交通法第76条第4項では、道路上の禁止行為として下記の内容を規定し、違反した場合に5万円以下の罰金という罰則を設けています。

「道路において、酒に酔って交通の妨害となるような程度にふらつくこと。

 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しゃがみ、又は立ちどまっていること」

 お酒を飲み過ぎないことが一番ですが、もし泥酔する人がいた場合には家族の迎えやタクシーなどを使って帰宅させること。

 一緒に飲酒していた人が責任をもって送り届けるなどの配慮も必要といえるでしょう。

 そのほか警察庁が過去に公表した統計「原付以上第1当事者の飲酒運転による月別交通事故件数(平成22年から26年の累計)」では飲酒事故件数が12月に最も多くなるっています。

 しかしながら飲酒運転による死亡事故は7月に最も多いという結果が出ており、夏・冬には飲酒運転が増加する可能性があります。

道路で寝る人は意外といる? 神奈川県警が注意喚起! その内容は? 画像:神奈川県警察本部交通部交通総務課(@kpp_koutuu)

 また二日酔いの状態も飲酒運転になるため、「寝たから大丈夫」、「飲んでから数時間経ったから運転できる」などと過信せず、状況に応じてクルマやバイクなどの運転を控えることが大切です。

※ ※ ※

 夏にはビアガーデンなど飲酒機会が増えることもあり、歩行者が酔っ払って道路で寝込み、クルマやバイクと衝突する事故がたびたび発生しています。

 また二日酔いによる飲酒運転を起こさないためにも、適切な飲酒量を心がけましょう。

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