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時速330キロ超えもあり! “超ド派手カスタム”から“めちゃ豪華内装”まで用意する「ベンツチューナー」4選

くるまのニュース 2023年7月31日 22時10分

世界で初めてクルマを作ったメーカーのひとつがドイツのメルセデス・ベンツです。なかには極めて高性能なスペックを持つモデルもありましたが、それらをさらにチューンナップするチューナーも存在します。

■ただの「ベンツ」じゃない! 激ヤバ「メルセデス」を生み出したチューナーとは

 ドイツのメルセデス・ベンツは、日本ではもっとも人気のある高級車メーカーのひとつとして知られ、多くのメーカーがベンチマークとするなど、多数の高性能車を生み出してきました。
 
 いっぽうで、そんなメルセデス・ベンツ車に対し「より高性能で、人とは違ったクルマを」とさらなるハイパフォーマンス化を求める声もあり、ドイツ本国をはじめ高性能なメルセデス・ベンツ車をチューニングするメーカーが存在します。そのなかで今回は4つのブランドを紹介します。

 メルセデス・ベンツは世界で初めてガソリンエンジンで動く自動車「パテント・モトールヴァーゲン」を誕生させて以来、常に品質と安全性の高いクルマを追い求めています。

 日本でも非常に人気が高い輸入車ブランドのひとつで、新車登録台数は現在8年連続で輸入車トップを快走中です。

 圧倒的な人気車ともなれば、オーナーやその予備軍からはさまざまな要望が出るもの。なかでも多いのが、もともと十分以上な性能が確保されているのにも関わらず、「より高性能なモデルが欲しい!」といったものや「ほかの人と差別化を図りたい」といった意見もあるようです。

 そうした悩みを抱えるユーザーのために、ドイツ本国をはじめメルセデス・ベンツの各車にモディファイを施した「チューンド・メルセデス」が複数存在します。

 しかも、それを主体とするチューニングメーカー(チューナー)がいくつも存在しており、パワートレインだけでなく内装にも高級素材を施した希少なモデルはベースモデルの数倍など高値で取引されるものもあります。

 そんななかから特にメジャーな4つのチューナーをピックアップして紹介します。

●AMG(1967~)

 現在、メルセデス・ベンツ各車のスポーティグレードに与えられる「AMG」ですが、そうなったのは実は1999年にダイムラー・クライスラー(現メルセデス・ベンツ・グループ)に買収されてからのこと。

 現在は同グループ傘下に入り、「メルセデス AMG」としてレースやパフォーマンスモデル部門を担っていますが、元をたどれば独立したチューナーで、ダイムラー・ベンツ社出身の二人が、レース用のエンジンを開発するために1967年に設立した企業です。

 社名のAMGとは、創業者の「ハンス・ヴェルナー・アウフレヒト(A)」と「エアハルト・メルヒャー(M)」、アウフレヒトの故郷である「グローザスバッハ(G)」の頭文字から取ったものが由来です。

 数々のレースにも出場して成功を収めたAMGは、モータースポーツでのノウハウをフィードバックしたカスタマイズカーに着手します。ベースはもちろんメルセデス・ベンツ。そうして誕生したAMGモデルは国内外で高い評価を受け、1990年にはついにダイムラー・ベンツと協力協定を締結するにまで至りました。

 日本ではバブル景気の頃、当時現行モデルだった中型セダン「ミディアム・クラス」(W124)や大型セダンの「Sクラス」(W126)などに、6リッターを超える超高性能なV型8気筒DOHCエンジンを搭載した通称「ハンマー」シリーズをはじめ、多数のモデルが輸入され、一世を風靡しました。

 なお、ダイムラー・ベンツと初めての共同開発したのは初代「Cクラス」(W202)がベースの「AMG C36」。以降、多くの車種にAMGモデルがラインナップされるようになり、今ではコンパクトハッチからSUV、EVにまでと幅広く用意されています。

 現在のAMGモデルをコンプリートカーやチューニングカーと呼ぶかどうかは難しいところではありますが、「より高性能なメルセデス」あるいは「普通のメルセデスとはちょっと違う」という意味では、選択肢のひとつとして挙げられるクルマといえるでしょう。

 ちなみに、バブル当時は「アーマーゲー」とドイツ語風に発音していた人も多くいましたが、これは誤りで正しくは「エーエムジー(ドイツ語読みならアーエムゲー)」が正解です。

■昔流行った! 国産車まで手掛けたチューナーも

●ブラバス(1977~)

 ブラバス(Bra・Bus)は、「クラウス・ブラクマン(Brackmann)」と「ボード・ブッシュマン(Buschmann)」の創業者2人の苗字から先頭3文字を取った社名。ブッシュマンの「自分のクルマをカスタマイズしたい」という願いから1977年にドイツで設立されたチューニングカーメーカーです。

 5リッターのV8ユニットを搭載した小型セダン「190E」(W201)や、中型セダン「Eクラス」をベースに最高時速330kmを超える世界最速セダンを目指した「ブラバスB9」(W210・W211)に代表される、メルセデス・ベンツ系チューナーのなかでも過激なチューニングが注目を集めました。

 その一方で、創業当初から後部座席用のテレビや車載ファックス、高級レザーシートなど快適装備を設えるカスタムも手掛けてきたこともあり、走りだけではないラグジュアリーなクルマ造りを得意としています。

 現在はポルシェなどのカスタマイズも行っていますが、中心はやはりメルセデス・ベンツや同グループの「スマート」。興味深いのが、既にチューンの手が施されたAMGの車両をさらにチューンアップしたモデルまで存在することです。

ロリンザーエアロ・ホイールを装着したメルセデス・ベンツ「500SL」(R107)(画像:ロリンザー公式サイト)

●ロリンザー(1930~)

 1930年に設立された自動車修理工場に端を発するロリンザー。ダイムラー・ベンツ(当時)の販売代理店を経て、新設されたヴィネンデン支社でチューニング事業に参入したのは1976年のことでした。

 現在のロリンザーは、そのチューニング部門「スポーツサービス・ロリンザー」が1981年に独立して礎を築いたものです。

 もともとはチューニングエンジンの製造から出発していますが、エアロなどドレスアップパーツでのカスタマイズを早くから手掛けていたのも特徴。

 特に、1998年に登場したSクラス(W220)用に設定されたタービンをイメージさせる独特なデザインのホイール「RS8」は、当時多くの国産高級セダンカスタムにも流用されるなど、カスタムのお手本となっていました。

「息を飲むようなスタイリング」と「スポーティなエンジン性能」の融合こそが、ロリンザーの表現する世界といえるでしょう。

●カールソン(1989~)

 メルセデス・ベンツのライバルともいえるBMWのチューナーとして名を馳せる「ハルトゲ」の創始者ヘルベルト・ハルトゲの弟2人が、1989年に創立したドイツのチューニングカーメーカーがカールソン。

 社名は兄弟がリスペクトしていたラリードライバーの名前からつけられました。

 洗練されたデザインのコンプリートカーも話題になりましたが、日本ではスポークの細かいタイプやディッシュタイプの大径アルミホイールが人気を集め、メルセデス専門のチューナーながら国産車に適合するサイズの製品も販売されたほど。

 なお、残念ながらカールソンは2015年にドイツで倒産。現在は韓国の自動車部品メーカーの傘下で再建をはかっています。

※ ※ ※

 ノーマル状態でも質感・運動性能などが高いメルセデス・ベンツですが、日本では高価格帯に位置します。チューンドカーともなればさらに高額で手を出しづらいのも事実です。

 一方で、これらのチューナーではパーツ単位で販売をおこなっているものもあるため、例えばリアスポイラーだけとか、アルミホイールとマフラーだけというように少しずつカスタマイズすることも可能です。

 なお、粗悪な「コピー品」も多く出回っており、デザインに違和感があるだけでなく、本物と違い耐久性や安全性が担保されていない危険な製品もあります。

 こうした粗悪品に注意しつつも、自身のメルセデス・ベンツに歴史あるチューナーのカスタムを施せば、ほかと違った1台を作り上げることができ、大いに楽しめるでしょう。

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