クルマの車体や窓ガラスにしつこく残る水アカは、どのようにして除去すれば良いのでしょうか。ガンコな水アカの撃退法について紹介します。
■水アカには「水性」と「油性」の2種類がある
愛車をキレイに洗車しても、時間の経過とともに汚れが付きます。気付けば車体や窓ガラスにガンコな「水アカ」がこびりついていることも。
今回は、そんな車体と窓ガラスに残ったガンコな水アカの撃退法について探ります。
クルマの汚れは、時間経過と共に蓄積していきます。
多くの物質が車体やガラスの表面に付着することで、やがて汚れとして表れてくるのです。
その中でも水アカは、洗車の間隔が少し伸びただけで頑固に付着してしまい、スポンジなどでこすっただけでは落とせなくなってしまうこともある悩みの種です。
そしてクルマに付着する水アカには「水性」と「油性」の2種類があり、その発生原因もそれぞれ異なります。
まず水性の水アカの原因から紹介します。
空気中にはチリ、ホコリ、周囲のクルマが巻き上げた砂などの不純物が浮遊していますが、それらが雨水と一緒にクルマへ付着します。
その後、まず水分が蒸発し、残留した不純物のみが白っぽい輪状の汚れとなってしまいます。
これを「イオンデポジット」と呼びます。
水道水にも、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が含まれているため、洗車後に水滴が残った状態で放置すると、イオンデポジットが発生しやすくなります。
このように水性の水アカは「水に溶けやすい物質」が原因となります。
一方、油性の水アカは水性とは逆で、「水に溶けにくい物質」が主な原因となります。
それらは劣化して分解しはじめたワックスやフッ素系コーティング剤、防錆油やグリス類など車体に用いられている油性成分などで、雨水などとともにボディ表面や窓ガラスに付着します。
水分はやがて蒸発しますが、油性成分は他の不純物と残留するため、黒っぽい模様の水アカとなって残ってきます。
油性成分は水に溶けにくい分、頑固な汚れになりやすく、放置しておくと除去がしにくくなり注意が必要です。
■特にガンコで目立つ「ガラスの水アカ」撃退法とは
こうして車体やガラスに付着した水アカは、いくら注意しても、屋外にクルマがある限り回避することは困難です。
では付着してしまった水アカは、どのように除去するのが良いのでしょう。
チリやホコリなどによる水アカは、基本的にカーシャンプーで対処可能です。
洗浄の際はスポンジを泡立ててなぞるようにやさしくこすることで、水アカを落とすことができます。
油性の水アカも同様に、カーシャンプーを使うことで除去する事は可能です。
しかし頑固に付着してしまった油性の水アカには、台所用洗剤も使えます。油汚れに強いため、油性の水アカに対して効果的です。
また重曹も水アカ落としに活用できます。
重曹は弱アルカリ性なため、油汚れや衣類に付着したシミの除去に使用されますが、クルマの水アカ落としにもなります。
水分を含ませたクロスやウエスに重曹の粉を付け、水アカ箇所を軽くこすってみると分解してくれます。
カーシャンプーや台所用洗剤、重曹でも除去しきれない場合は、研磨剤入りのシャンプーや、傷消しコンパウンドなどで磨くと良いですが、やり過ぎるとボディ表面に微細なキズがつき逆効果です。
洗剤の取扱い説明書をよく読んでから作業することをオススメします。
車体にコーティングを施工している場合は、研磨後に再コーティングしておくと安心です。
※ ※ ※
車体に比べ水アカの汚れが目につきやすく、雨天時には視界不良を招く窓ガラスの場合は、どのように対処したら良いのでしょう。
たとえばカーシャンプーなどを使いスポンジでこするといった、一般的な洗車作業で落としきれない窓ガラスの水アカは、「ウロコ取り」といったガラス用クリーナーや消しゴムを使ってみましょう。
手順としては、まず水洗いで表面の汚れを除去後、ガラス用クリーナーや、水アカ用消しゴムで研磨していきます。
クリーナーは研磨剤をウエスやクロスに適量をつけ磨きましょう。
水アカ消しゴムは、水分をつけ磨いていきます。
どちらの場合も、汚れが落ちるまで繰り返し行います。
また、ボディの油性汚れと違い、窓ガラスによく見られる水アカ(イオンデポジット)は、アルカリ性のカルシウムやマグネシウムなどが成分です。
そこで酸性のお酢やクエン酸を使うことで中和され、除去にも効果的です。
ただし酸性物質はボディの塗装を侵食させる作用を持っており、放置すると各部のサビの原因にもなりますので、汚れを除去した後はタップリの水で洗い流しましょう。
そしてそのあとは、しっかりていねいに拭き上げることも重要です。