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「高温注意」…“夏の車内”に「電子機器」放置は何分で“アウト”? デバイスが高温になる悪影響とは

くるまのニュース 2023年7月25日 8時10分

気温がぐんぐん上がり、本格的な夏を迎えました。そんな夏の車内は、少しでもエアコンを止めると一気に室温が上昇します。特にダッシュボードの上は、車内でも極めて高温となる場所ですが、ここに電子機器を放置するとどのくらいで使用できなくなるのでしょうか。編集部が実験しました。

■車内に放置した電子機器、何分で使用不能になる?

 2023年7月12日は、東京都八王子市で最高39.1℃を記録したほか、同年7月16日には中国で最高52.2℃を記録するなど、日本だけでなく世界でも危険なほどの暑い夏が到来しています。そんな暑い日は、車内も少しでもエアコンを止めれば一気に高温となります。
 
 特に、エアコンの風も当たらず直射日光にさらされるダッシュボードの上は、車内でも極めて高温となる場所ですが、ここに電子機器を放置するとどれくらいで使用できなくなるのでしょうか。編集部が実験して確かめました。

 実験は埼玉県内某所の駐車場で実施。検証地の当日の天気は快晴、最高気温は37.8℃を観測する“うだるような暑さ”のもとで実施しました。

 テスト車両は、トヨタのラージセダン「クラウン」(15代目)です。温度計は、スマートフォンのアプリを通じて遠隔で温度が分かる市販の機器を使用しました。

 実験方法は温度上昇が最も高いダッシュボードの上に温度計とタブレット端末を置き、エンジンを切って放置するというものです。

 実験開始時の午前10時半、ダッシュボード周辺の温度は39.7℃を記録。しかしわずか開始5分には45.9℃に上昇しました。このとき、タブレット端末はすでにかなり熱くなっていましたが、まだ使用可能な状態でした。

 そして、開始10分後にはダッシュボード周辺の温度は52.1℃となり、タブレット端末はずっと触っていられないほど熱くなりました。タブレット端末を立ち上げると「高温注意」のエラーメッセージが表示され使用不可能となり、実験は終了しました。

 温度計測のみ継続したところ、開始15分後のダッシュボード周辺の温度は55.9℃、30分後は61.3℃、45分後は64.5℃、1時間後は67.9℃に達しました。

 iPhoneやiPadなど情報機器端末を展開するアップルは、公式サイトでデバイスの使用環境について、以下のように記載しています。

「iOSデバイスやiPadOSデバイスは周囲の温度が0~35℃の場所でお使いください。低温下や高温下では温度調整のためにデバイスの動作が変化することがあります。極端な高温下でiOS/iPadOSデバイスを使うと、バッテリーの持ちが悪くなることがあります。

 デバイスは-20~45℃の場所に保管してください。駐車中の車内は室温が上がり、適正範囲を超える場合があるため、デバイスを車内に放置しないでください」

 適切な使用温度は0~35℃であるため、エアコンを止めた車内ではもちろん、気温の高い屋外も適温ではないことになります。保管条件についても上限が45℃であるため、夏の車内はあっという間にその温度を超えてしまうことになります。

 また、高温下で使用するとバッテリーの能力が低下するなど、パフォーマンスに変化があるようです。

 電子機器は車内に放置しないほうが良さそうです。

※ ※ ※

 今回、ダッシュボード周辺の温度がどれほど上昇するのか、正午ちょうどに、もう一度検証しました。

 開始時、ダッシュボード周辺の温度は40℃で1回目とほぼ同じでしたが、開始5分後は51.3℃となり、1回目より早いペースで上昇。15分後は58.7℃、30分後は65.9℃、45分後は67.5℃とどんどん熱くなり、実験終了となる開始1時間後は72.5℃と、1回目を上回り70℃を突破する結果となりました。

 70℃ともなると、グミやチョコレートといった食べ物だけでなく、石鹸やろうそくなど固形物も溶け始める温度です。

 暑い日に、車内へ大事なものを「放置」することは、思わぬトラブルを招くことになりかねません。注意しましょう。

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