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トヨタの「新型ミニバン」が凄すぎた! 8年ぶり全面刷新で何が違う? まだ買える! 乗り心地&走りで異なる新型「アルヴェル」を徹底解説!

くるまのニュース 2023年7月26日 7時10分

トヨタの高級ミニバンとなる新型「アルファード」、新型「ヴェルファイア」ですが、それぞれのモデルやグレードを体感してみました。

■新型アルファード/新型ヴェルファイアは「現代のキングオブミニバンだ!」

 約8年ぶりにフルモデルチェンジをおこない、2023年6月21日に初公開&発売された新型「アルファード/ヴェルファイア」。
 
 発表時には「洗練されたデザイン」や「ヴェルファイア継続」と言ったことが話題となりました。
 
 そんな新型アルファード/ヴェルファイアが発売されて約1か月が経過し、SNSでは早くも納車報告がちらほら見受けられるなか、進化した新型モデルを体感してみました。

新型アルファード/新型ヴェルファイアは「ただ外見が違う」だけじゃない?

 新型となった2台のグレード展開は、新型アルファードが「Z」「Executive Lounge」「Gサイドリフトアップチルトシート装着車」、新型ヴェルファイアが「Z Premier」「Executive Lounge」を設定。

 デザイン面では「Forceful×IMPACT LUXURY」というデザインテーマが与えられ、フロントフェイスは逆スラントノーズとすることで威厳のある存在感を継承しています。

 とくに新型アルファードでは、先代の迫力のあるフェイスデザインより洗練された印象を受けますが、それでもひと目見てアルファードと分かるデザインを採用。

 一方のヴェルファイアは、先代から受け継ぐ2段ライトにより、「ヴェルファイアらしさ」はそのままながら細部に手を加えることで新鮮味も感じられます。

 サイドビューは、写真などではただの面のように見えますが、実車はフロントフェンダー部の絶妙な凹凸や曲線、そしてリアフェンダー部のフラットな造形など細かなこだわりにより全体的にグラマスな印象を受けました。

 インテリアデザインは基本的に共通ですが、それぞれのグレードによって加飾や2列目シートの仕様が異なっており、とくに最上級のExecutive Loungeでは2列目キャプテンシートの快適性などに差があります。

 新型アルファード/ヴェルファイアは「快適な移動の幸せ」を極める事をコンセプトとして開発されました。

 具体的には「人が不快に感じる振動や騒音を徹底的に低減し、高級セダンに匹敵する快適性を実現」、「上質で快適な時間を提供する『おもてなし』の思想に基づいた装備」というテーマを持っています。

 それを象徴するのがExecutive Loungeの2列目となり、専用キャプテンシートに実際座ってみると、まさに飛行機の「ファーストクラス」のような包まれ感を覚えます。

 肌触りの良いプレミアムナッパ本革に加えて伸縮機能付きのオットマンや、フィットするクッションなどによってホールド性が確保されるなど、走行中の多少の揺れも気にならない、上質な座り心地です。

 揺れの部分では、ボディフロアとシートの間にゴム製のブッシュを新たに加えることで、まるで高層ビルの「免震構造」のように揺れを感じさせにくい仕様となっているなど「究極の移動」を体現しています。

 細かな部分では、新型モデルからアームレスト&オットマンにもヒータが備わる他、移動時の快適性が増していることも特筆すべき点でしょう。

 ルーフに備わる機能性・収納性を両立した「スーパーロングオーバーヘッドコンソール」は、これまで天井の各所に点在していたドア&シェード、リアエアコンなどの操作スイッチが集約された他、リアシートのアームレストに備わる「リヤマルチオペレーションパネル」によってオーディオ/照明/シート稼働など車内のさまざまな機能を操作することが可能。

 左右どちらの席に座っていても独立して操作することが出来るため、例えば着座している席の反対側から差し込む日差しを避けるために「シェードを閉めたい」という操作が操作パネルでおこなえるなど、便利に使えるアイテムも備わりました。

■運転する人が気になる! 走りの違いは? どんな進化を遂げた? 実はまだ買える!

 このように「快適な移動の幸せ」という特徴を持つ新型アルファード/新型ヴェルファイアですが、クルマの基本性能となる「走る」「曲がる」「止まる」という部分ではどうなのでしょうか。

 基本的なスペックとして、新型アルファードのパワートレインは「Z」に2.5リッターガソリン車(2WD/4WD)と2.5リッターハイブリッド車(2WD/E-Four)を設定。

 新型ヴェルファイアは、2.4リッターターボ車(2WD/4WD)と2.5リッターハイブリッド車(2WD/E-Four)を用意しており、ガソリン車に搭載されるエンジンが異なっています。

 共通点としては、TNGAプラットフォーム(GA-K)をミニバン用に最適化した他、スライドドア下部分のロッカーにストレート構造を採用したこと、リアの車体底部の後方にV字型ブレースを設けることで車両剛性を先代型から約50%向上させました。

 さらにはフロアの場所により高減衰タイプと高剛性タイプ構造用接着剤を使い分けることで、操縦安定性と乗り心地を両立させています。

 今回の試乗では、先代アルファードを比較対象として持ち込んでいますが、実際に乗り比べるとその違いは明らかで、先代では嫌な音や振動、そしてフワフワした乗り心地を感じました。

 しかし新型アルファード/ヴェルファイアでは、嫌な音や振動はほぼ無い上にフワフワとカチカチのバランスが良く、シームレスな動きが体感出来ます。

 運転していると、とくに先代アルファードは風切り音が気になりましたが、新型アルファード/ヴェルファイアは低騒音タイヤや吸音材にこだわったことに加えて、エンジンフード&ドアミラー&フロントピラーといった風圧を強く受ける部分の形状を最適化するなどの対策を施すことで、高速走行時でも風切り音を気にする場面はありませんでした。

また新型アルファード/新型ヴェルファイアでは、リアのフロア下側やバンパー下部にいくつかのフィンを装着することで、高速走行時などに受ける横風などを上手く処理する仕組みとなり直進安定性が向上した印象を受けます。

「乗り心地」の良さを重視するなら新型アルファードか?

 そして、新型アルファード/ヴェルファイアでは「乗り心地の良さ」と「走りの楽しさ」の2つで志向が異なります。

 まず「乗り心地の良さ」では、新型アルファード(全車)のほうが新型ヴェルファイア(ハイブリッド車)を上回っている印象を受けました。

 これは、新型ヴェルファイアでは少し硬めのサスペンションやク寄りクイックなステアリングなどの専用セッティングを加えていることや、さらには「フロントパフォーマンスブレース」という剛性向上パーツが備わるなど、走りに寄せた仕様となっているためです。

 一方の新型アルファードでは、走りに寄せた新型ヴェルファイアよりも「乗り心地」と「走り」のバランスの良さを意識している仕様となっており、そもそも両車のコンセプトが異なると開発担当者は説明します。

 そして「走りの楽しさ」では、新型ヴェルファイアの2.4リッターターボ車が一枚上手であるように感じられました。

 これは前述の走りに寄せた新型ヴェルファイア専用のチューニングに加えて、2.4リッターターボエンジンは先代にあった3.5リッターV型6気筒エンジン以上の低速トルクを発揮することで、ラージミニバンとは思えないレスポンスの良い走りと力強い加速を体感することが出来ます。

 実際に運転するとラジエターサポートとサイドメンバーを繋ぐ「フロントパフォーマンスブレース」により、コーナリング時には気持ち良く曲がるために「これは本当にヴェルファイア?」と疑いたくなるほどです。

 また高速道路での合流や信号待ちのゼロ発進加速などでも車両重量を感じさせないレスポンスや、ある程度の高回転時にはエンジンの力強さを感じさせる音も聞こえてくるため「もっとアクセルを踏み込みたくなる」という気持ちにさせてくれました。

走りの楽しさを選ぶなら新型ヴェルファイア?

 先代では主に「見た目が違う」という違いしかなかった2台ですが、新型アルファードとしては4代目、新型ヴェルファイアとしては3代目となったことで、大きな個性を打ち出してきました。

 発売から約1か月の受注状況は「アルファード7割、ヴェルファイア3割」で当初の想定どおりだと言います。

 しかし、「ミニバンでも走りの楽しさ」を求めるユーザーが今後増えるのであれば、かつてのヴェルファイア人気が復権するかもしれません。

※ ※ ※

 なお2023年7月下旬時点では、新型アルファード/ヴェルファイアの通常オーダーの受注は停止されています。

 しかし、サブスク「KINTO」であればExecutive Lounge以外のオーダーがまだ受付られており、「アルファードの最短納車7か月」「ヴェルファイアの最短納車10か月」と比較的短期間で納車可能だといいます。

 これから新型アルファード/ヴェルファイアを検討するのであれば、KINTOで契約するのもありかもしれません。

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