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えっ…!? クルマの「給油口の内部」って凄い! 何気なく「燃料」を入れた先の意外な構造とは

くるまのニュース 2023年7月27日 11時10分

エンジンを搭載するクルマは燃料を給油する必要があり、フロントにエンジンが搭載されるクルマの場合、多くは車両後方に給油口が備えられています。後方から前方まで、どのようにして燃料を運んでいるのでしょうか。

■給油口を開けた時に見えているのは燃料タンクではない!?

 エンジンを搭載するクルマは、一般的に燃料としてガソリンや軽油を燃料として使用しています。そのため、燃料がなくなったら給油する必要があります。
 
 リアにエンジンを搭載するクルマもあるものの、多くのクルマはフロントにエンジンを搭載しますが、給油口は車両の後方に設置されています。
 
 給油口からエンジンまではかなりの距離がありますが、その内部はどのような仕組みになっているのでしょうか。

給油口の中、どうなってる?

 給油時に給油ノズルを差し込む給油口から燃料タンクまでは、「フィラーパイプ」と呼ばれる給油パイプで繋がっており、このフィラーパイプを通じて燃料が車両下部に設置された燃料タンク(フューエルタンク)に入ります。そして燃料タンク内にある燃料ポンプによってエンジンへ送られています。

 クルマの給油口からすぐに燃料タンクがあるわけではなく、給油口を開けたときに見えるのはフィラーパイプというわけです。

 ちなみに、フィラーパイプは黒い樹脂製のホースが多く採用され、クルマにもよっては長いものだと1mほどもあり、そこに3リッター程度の燃料を蓄えられるとされています。

 同じフロントエンジンのクルマでは、給油口が後ろで燃料タンクもリア側に位置するクルマはフィラーパイプが短く、エンジンへ続く燃料系統の配管が長くなる一方で、給油口が後ろで燃料タンクがフロント側にあるクルマはフィラーパイプが長く、燃料系統配管が短くなります。

 燃料タンクの搭載場所は、クルマの重量配分やコストなど、さまざま条件のもと設計されています。

 本来であれば、配管が短いほうがコストも安く、整備性も上がるのでエンジンに近い所に燃料タンクを設置するのが効率的なのですが、燃料タンクに燃料が溜まった重さもクルマの重量に影響を与えるものです。

 例えば、ガソリンを70リッター給油すると、約52kgの重さが加わることになり、そのためフロントに重量が集まりすぎている場合には、リアに燃料タンクシステムを搭載することでバランスを保っています。

 また、燃料には揮発するという性質があります。マフラーやエキゾーストマニフォールドなどの排気系統に近すぎると高温になって危険なので、ある程度離す必要がありますし、燃料タンクはその大きさゆえ、車内空間を圧迫しまうこともあります。

 加えて、クルマの保安基準には「最低地上高9cm」という規格があり、燃料タンクの搭載位置を下げすぎてしまうと保安基準に適合しなくなるほか、車両の底をぶつけるなどしたときに燃料タンクを破損して燃料が漏れる危険性があります。

 給油口から先の構造は普段目にすることはありませんが、クルマが走るうえで必要な燃料タンクの搭載位置は、さまざまな条件を加味して決められているのです。

※ ※ ※

 ポルシェなど、リアにエンジンを搭載してリアで駆動する「RR」の場合は前輪車軸付近に燃料タンクがあります。

 リアエンジン・リアドライブということで、車両後方にエンジンや駆動軸、トランスミッションなどが集中していて重くなることから、クルマの重量配分を考えて前輪車軸近くに設置されているというわけです。

 なお、RRのポルシェの給油口は、フロントフェンダーなど前方に設置されています。

 また、トヨタの人気商用バン「ハイエース」はセカンドシート下に燃料タンクがあります。

 ハイエースが重視する荷室空間を最大限確保することと、車高がもともと高く設定されているので、設置場所にある程度自由度があったものと考えられます。

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