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全長5m超!? 三菱が「超大型モデル」を約12年ぶりに日本導入へ! 新型「トライトン」世界初公開! 社運をかけた「世界戦略車」フルモデルチェンジで何が変わった!?

くるまのニュース 2023年7月27日 19時10分

2023年7月26日、三菱は約9年ぶりに「トライトン」をフルモデルチェンジしました。新型は日本でも発売する予定です。トヨタ「ハイラックス」のライバルとなる新型ピックアップは、何が新しくなったのでしょうか。

■フレーム、エンジンに至るまですべてを新設計した新型「トライトン」

 三菱自動車工業(以下、三菱)は2023年7月26日、ピックアップトラック「トライトン」を約9年ぶりにフルモデルチェンジし、タイで販売を開始しました。
 
 日本でも2024年初頭から約12年ぶりに販売を行うほか、今後グローバルでも順次展開を進めていくといいます。

 三菱のピックアップトラックは「フォルテ」の名で1978年に登場し、以来45年・5世代にわたり約560万台を生産し、世界の約150の国や地域で販売されてきた、同社にとっても重要な位置づけとなる世界戦略車です。

 車名はフォルテ、ストラーダと世代によって変更を重ねながら、現在ではトライトンの名前で販売されていますが、「L200」と名乗る地域もあります。

 また歴代モデルの多くは日本でも発売されていましたが、2014年に登場した先代トライトンについては、導入されないままとなっていました。

 今回、約9年ぶりのフルモデルチェンジを実施した新型トライトンは、内外装デザインからシャシー、ラダーフレーム、エンジンなど、全ての面で一新しています。

 まず車体は、先代に比べさらにひと回り大型化しました。

 デザインコンセプトに「BEAST MODE」(勇猛果敢)を掲げ、タフさや力強さに加え、堅牢さと俊敏さも併せ持つ堂々とした佇まいを表現したといいます。

 フロント周りは、三菱車共通の「ダイナミックシールド」フロントデザインコンセプトを、力強く立体的なフロントグリル形状などでピックアップトラックに最適化し、3連のL字型LEDランプを配したデイタイムランニングランプ、立体的な3眼プロジェクター式のヘッドライトと組み合わせました。

 水平基調のボディサイドは、張りのある面を大きく見せる構成とシャープなワイドフェンダー形状で、安定感と強靭さを表現したといいます。

 また空力性能にも配慮したキャビン形状やリアスポイラー、大型化したドアハンドル、幅を拡大し水はけを良くしたサイドステップなど、機能的な形状で実用性も大きく向上させました。

 ボディタイプは、4ドア・2列シートの「ダブルキャブ」、1列シートのベーシックな「シングルキャブ」、シート後ろに荷室空間を持ちリクライニングも可能な「クラブキャブ」の3タイプを用意します。

 この車体を支えるのは、耐久性と信頼性を極限まで磨いた新開発のラダーフレームです。

 従来型から断面積を65%増やし、曲げ剛性60%、ねじり剛性40%の強化を実現する一方で、ハイテン鋼の採用比率を大幅に増加することで、重量増を最小限に抑えています。

 パワートレインには、新開発の2.4リッター 直列4気筒「4N16」型DOHCインタークーラー付きディーゼルターボを採用し、用途に応じた異なる性能を持つ3つの仕様を用意しています。

 高出力版では新型ターボチャージャーと新燃焼システムを採用することで、最高出力150kW・最大トルク470Nmの性能を約1500回転からフラットに発生させます。

 トランスミッションは6速MT(マニュアルトランスミッション)仕様と、スポーツモード付6速AT(オートマチックトランスミッション)仕様が設定されます。

 サスペンションも新開発され、良好な乗り心地や優れた操縦安定性を実現したと三菱では説明します。

 また、アクティブヨーコントロール(AYC)を新たに追加した四輪駆動システム「スーパーセレクト4WD-II」や、機能向上し7つのモードを持つドライブモードにより、走行性能も向上しています。

 先進運転支援機能の「三菱自動車セーフティセンシング(MMSS)」では、レーダークルーズコントロール(ACC)の機能を向上させたほか、衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)、後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)(BSW/LCA)、後退時交差車両検知警報システム(RCTA)などを先代同様に搭載します。

■手袋をしたままでも操作可能なインテリア

 新型トライトンは内装デザインも一新し、インパネには悪路走行時でも車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調の形状を採用しました。

 幾何学的な造形とメタリックを多用し、ハイコントラストでモダンな空間を目指したと三菱では説明します。

もはやSUV! 上質な三菱 新型「トライトン」の内装

 また「MITSUBISHI TOUCH(三菱タッチ)」という考え方に基づき、手袋をしたままでも確実に操作できるセレクター、ダイヤル、スイッチ類の節度感を実現したほか、ステアリングホイール、グリップ、ドアハンドル類の握り心地やたくましさを追求しているといいます。

 フロントシートはドライバーの疲労を軽減させる形状としたほか、ヒップポイントを先代に対し20mmアップし視認性を向上させました。

 またAピラー(フロントウインドウの柱)の角度を立ててドア開口部を広げ、ステップの幅も広げて滑りにくい形状としたことで、乗降性を向上させています。

 トラックの荷台部分は大型化され、ユーロパレットの積載にも対応したほか、従来モデルに比べて荷台高を下げたうえバンパーコーナー上面の面積を拡大し、フレームで補強したことで、足を乗せるスペースとして使用可能とするなど、細部まで実用性を向上させました。

 また純正アクセサリーも充実させ、プロテクター類から、個人ユーザーに向けたドレスアップパーツまで、幅広く設定されているといいます。

※ ※ ※

 三菱の加藤 隆雄社長は新型トライトンに対し、タイ・バンコクで行われたワールドプレミアの場で次のように話します。

「新型トライトンは、三菱独自開発の堅牢なラダーフレームやボディ、強靭な足回り、力強く扱いやすいエンジン、優れた走破性と安定性を実現する4WDシステムなど、従来からもつ三菱自動車らしさに磨きをかけ、新時代に相応しいピックアップトラックへと大幅に進化させました。

 最終的には100か国以上で年間20万台規模となる見通しで、新型トライトンはまさに当社の屋台骨を支える最重要モデルであり、成長フェーズの幕開けに投入する、第一弾となる世界戦略車です。

 ここからはじまる当社の挑戦にどうぞご期待ください」

 前出の通り、新型トライトンは約12年ぶりに日本でも発売が行われる点も注目されます。

 2023年7月現在、日本車で販売されているピックアップトラックはトヨタ「ハイラックス」のみで、この市場へ三菱が新たに参戦することになります。

 三菱では、2024年初頭に販売する予定だとしていますが、詳細な仕様などはまだ明らかにされておらず、続報が待たれるところです。

[編集部注記:2023年7月28日、メーカー発表資料の訂正にともない一部記載を編集しました]

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