クルマの「ナンバープレート」は普通自動車は「白色」で軽自動車は「黄色」と、背景色が異なっています、なぜ同じ「クルマ」なのにナンバープレートの色を変更する必要があるのでしょうか。その理由を国土交通省に聞きました。
■「ナンバープレート」の色、なんで変える必要があるの?
クルマの「ナンバープレート」をよく見ると、普通自動車は「白色」で軽自動車は「黄色」と、背景色が異なっていることに気づきます。
なぜ、同じ「クルマ」なのにナンバープレートの色が違うのでしょうか。
そして色を変えることに一体どのような必要性があるのでしょうか。
まず、クルマのナンバープレートには、大きく分けて3つの種類が存在します。
1つ目は「登録自動車」に交付される「自動車登録番号標」と呼ばれるもの。これには普通自動車、小型自動車(二輪を除く)、大型特殊自動車が該当します。
2つ目が「車両番号標」。これは二輪小型自動車、軽自動車といった「検査対象自動車」と、「検査対象外軽自動車」に分類される「軽二輪自動車」に対して交付されます。
3つ目が「原動機付自転車番号標」で、その名のとおり「原動機付自転車」を対象に交付されるナンバープレートです。
このうち、最初の「自動車登録番号標」は自家用が白地に緑文字、事業用が緑地に白文字。2つ目の「車両番号標」は自家用が黄色地で黒文字、事業用は黒地で黄色文字になっています。
このようにナンバープレートの色が違う理由について、国土交通省の担当者に聞いたところ「識別しやすくするため」との回答がありました。
ナンバープレートの色をクルマの種類ごとに変更し、一瞬でも識別しやすくすることで、例えば高速道路の料金をごまかしたり(普通自動車なのに軽自動車だと偽るなど)、あるいは事業用車だと偽っての営業類似行為を防ぐことに繋がるということです。
ちなみに、軽自動車のナンバープレートの地の色が黄色(事業用は黒)に変更されたのは1975年から。
それまで軽自動車のナンバープレートも普通自動車と同じ白地でしたが、完全に同じものではなく、サイズが小さいうえ分類番号と地域名の表示が普通自動車とは逆になっていました。
しかし、黄色地に変更されると同時に、大きさと表示方法などが普通自動車と同じになったという経緯があります。
■軽自動車も「黄色以外の色」に変更できる!?
実は軽自動車でも、東京オリンピックやラグビーワールドカップの開催を記念して発行された「特別仕様のナンバープレート(記念ナンバー)」では、白地のナンバープレートが選べました。
それらはプレートの端に小さなロゴが入っていたものの、見た目は普通自動車用とほぼ同じだったため、街中で見かけた際に「なぜ軽自動車なのに白いナンバーを装着しているの?」と驚いた人もいたかもしれません。
現在でも「ご当地ナンバー」という特別なナンバープレートが交付されていますが、かつての記念ナンバーとは異なり、交付される地域ならではの独自の図柄が入っています。
また、軽自動車の場合は黄色の縁取りが追加されているため、現在のところ完全な白地となるものはありません。
しかし従来の黄色地とは異なる個性的なナンバープレートですので、他のクルマとは違うスタイルを求める人にはうってつけかもしれません。
この機会に、自分の居住地が発行しているご当地ナンバーにはどのような図柄があるのか、確認してみるのも面白いでしょう。