クルマのナンバープレートには、「封印」と呼ばれるアルミ製の留め具が装着されています。これは一体何のために取り付けられているのでしょうか。
■ナンバープレートの「封印」が持つ大切な役割
クルマの後ろに付いているナンバープレートをよく見ると、アルミ製の留め具が装着されていることに気づきます。
これは「封印」と呼ばれるパーツなのですが、何のために装着されているのでしょうか。また軽自動車には封印が装着されていませんが、どのような理由があるのでしょうか。
封印はアルミ製で、ペットボトルのキャップのような形をしており、車体後部のナンバープレートを固定する2つのボルトのうち左側に取り付けられています。
なぜ封印をナンバープレートに取り付ける必要があるのか、その理由を運輸支局の担当者に聞いてみました。
「ナンバー封印の役割は、主に3つあります。
まずひとつが『正しい手続きで登録されたクルマであることを証明するため』、そして『ナンバープレートが容易に取り外しできないようにするため』、最後に『車両の盗難を防ぐため』です」
まず、封印は道路運送車両法第11条で装着することが定められており、勝手に取り外すことも取り付けることもできません。
さらに封印の装着が可能なのは、基本的に運輸支局の敷地内のみとなり、くわえて検査官が車検証と車台番号、ナンバープレートの一致を確認した上でなければ装着することは許可されないといいます。
実際に、運輸支局でナンバー変更の伴う登録手続きをおこなう際は、書類での手続きが完了後、自身でのナンバー装着が必要となります。
完了後はナンバー封印担当の職員が登録車両を1台ずつ確認し、エンジンルーム内やドアサイドシルなどに記載された車台番号とともに、新しい車検証との相違がないか、ナンバーが正しく取り付けられているかのチェックが入り、封印を装着してくれます。
また、封印は簡単に取り外すことができない構造となっており、無理に外そうとすれば破損してしまいます。
封印が付いていないクルマや破損しているクルマは「違法車両」となり、警察の取り締まりを受けることになります。
つまり、封印が装着されていることは、違法に取得したナンバープレートでないことを証明するためのものであり、違法行為や車両の盗難を抑止することにもつながっているということなのです。
■じゃあなぜ「軽自動車」には封印が無いの?
先述したように、ナンバープレートの封印は道路運送車両法第11条で定められています。
しかし普通自動車とは違い、軽自動車には封印が装着されておりません。これはなぜなのでしょうか。
実は、軽自動車は普通自動車とは登録区分が異なり、道路運送車両法第11条の対象ではありません。
そのため、ナンバープレートに封印を取り付けなくても良いとなっているのです。
詳しくは、普通自動車と軽自動車とでは、ナンバープレートの申請をする先も異なっていて、普通自動車は「運輸支局」ですが、軽動車は「軽自動車検査協会」になります。
また、普通自動車は車庫証明が必要ですが、軽自動車には不要です(居住地域によっては必要になる場合もあります)。
このように、普通自動車と軽自動車は同じ「クルマ」ではあるものの、法律上の扱いが大きく異なるため、ナンバープレートの封印をはじめとして様々な違いがあるということです。
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ナンバープレートに取り付けられている封印は、そのクルマが正しく登録されていることを証明する、大切な役割を持ったパーツです。
もしなんらかの理由で封印が外れたり破損してしまった際には、決してそのまま走行することはせず、必ず「再封印手続き」をおこなって取り付けるようにしましょう。