Infoseek 楽天

えっ…? 高速道「追い越し車線は2km以上で捕まる説」は本当? SNSでは「1.5kmで捕まった」の声も… 遠出前に覚えておきたいコト

くるまのニュース 2023年8月6日 9時10分

夏シーズンに入り、お盆の帰省やレジャーなどクルマで高速道路を走る機会も増えるでしょう。そうした中で「追い越し車線を2km以上走り続けると捕まる」との噂が聞かれます。果たしてこれは事実なのでしょうか。

■高速道路で特に気をつけたいコトとは?

 高速道路の走行に関して「追い越し車線を2km以上走り続けると捕まる」という噂が聞かれます。果たしてこれは事実なのでしょうか。

 遠出をする際には高速道路を使う機会がありますが、高速道路では速度域が高いため一般道以上に安全な運転が求められます。

 また一般道と同じ様に場所に応じた速度制限が設けられている他、走行する車線に関してもルールが設けられています。

 そうした中で、よく耳にする噂として「追い越し車線を2km以上走り続けると捕まる」というものがあります。

 高速道路には基本的に「走行車線」と「追い越し車線」が存在し、道路交通法第20条第1項では以下のように規定されています。

「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。

 ただし、自動車は、当該道路の左側部分に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。(条文を一部抜粋)」

 つまり、道路の片側に複数の車両通行帯がある場合は一番左側の車線を走行することが原則で、3つ以上の通行帯がある道路においては、最も右側の追い越し車線以外の車線を走る必要があるということです。

 ただし、追い越し車線を絶対に走行してはいけないということではなく、追い越しをするときや緊急自動車に道を譲るとき、道路工事などの障害がある場合などは走行できます。

 しかしながら、実際の高速道路では追い越し車線を走り続けている光景も見られます。

 そのような特段理由もなく追い越し車線を走り続けていた場合には「通行帯違反」として検挙され、違反点数1点、普通車で6000円の反則金が科される可能性があります。

 そのため、「追い越し車線を走り続けると違反になる」と言われているのです。

 この通行帯違反に関しては、SNなどで「追い越し車線を2km以上走り続けると捕まる」とウワサされていますが、「2km」という基準は事実なのでしょうか。また、なぜこのようなウワサが聞かれるようになったのでしょうか。

 結論から言うと、通行帯違反は何km以上で捕まるという明確な基準はなく、客観的に見て追い越しや障害物を避けるといった理由もなく右側車線を走り続けた場合に違反が成立します。

 SNS上では、実際に追い越し車線を1.2kmや1.5km走り続けたとして検挙された事例が投稿されており、2km未満なら捕まらないという認識を改めることが重要といえるでしょう。

※ ※ ※

 このような噂が広まった明確な経緯は分からないものの、SNS上では「通行帯違反で捕まった。目安2kmじゃないのか・・・教習所にウソを教えられた」「教習所は2kmって教えるところもあるよね」などの声が見受けられます。

 複数の自動車教習所に確認したものの指導要領にそのような記載はなく、あくまでも指導員が一例として話したケースがあることが影響しているのかもしれません。

■高速道路は速度や車線以外にも気にするコト多し! 遠出前に覚えておくコトとは

 そのほか、高速道路では「最低速度違反」や「道路の逆走」にも注意しましょう。

 最低速度違反は道路交通法第75条の4に規定されています。

 そこには「緊急自動車を通行させるときや危険防止上やむを得ないとき」、そして「中央分離帯で分離されていない道路」など一定の場合を除き、高速道路の本線車道では指定された最低速度を下回ってはいけないと定めています。

 最低速度標識は数字の下に青線が引かれた道路標識であるため、走行中に確認しておきましょう。

 なお、道路標識などで最低速度が指定されていない場合は法定の最低速度が時速50kmと決まっています。

大型連休などは運転に不慣れな人も遠出する機会も多く、逆走トラブルなどにも注意したいところ

 また高速道路の逆走に関しても、他人事と思ってはいけません。

 過去に国土交通省が公表した資料によると、2011年から2018年に発生した逆走事故のうち30歳未満のドライバーが13%、30~65歳未満のドライバーが33%と全体の46%程度を占めており、逆走事故は決して高齢者特有の事故ではないことが分かります。

 初めて行く場所で慣れない道を走ったり、高速道路の運転に慣れていないドライバーの場合は十分な注意が必要です。

 そして高速道路では一般道と同じ様に全同乗者にシートベルトの着用義務が存在します。

 しかし、一般道では後部座席の人がシートベルトを装着していなかった場合でも違反点数が無いことからその流れで高速道路でも着用していないことがあります。

 シートベルトは万が一の事故でも被害を軽減させる大切な装備となるため、運転手は同乗者にシートベルトをするよう声かけをしておきましょう。

この記事の関連ニュース