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運転中「ゲリラ豪雨」に遭遇したときのNG行為は? 命を守るための“災害級大雨”への対処法とは

くるまのニュース 2023年8月2日 8時10分

クルマを運転しているときに、ゲリラ豪雨に見舞われた場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。

■視界不良・冠水などの危険が

 短時間に集中して雨が降る「ゲリラ豪雨」が今年も各地で発生しています。“バケツをひっくり返したような”と表現されるくらいの豪雨ですが、クルマを運転しているときに遭遇したらどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

 気象庁がまとめた「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」によると、1時間降水量80mm以上、3時間降水量150mm以上、日降水量300mm以上など強度の強い雨は、1980年頃と比較して、おおむね2倍程度に頻度が増加しているといいます。

 気象庁は、1時間あたりの降水量によって雨の表現を定義しています。

 おおよそ30~50mmは「バケツをひっくり返したような」「激しい雨」、50~80mmは「滝のように降る」「非常に激しい雨」、80mm以上は「息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる」「猛烈な雨」です。

 このような豪雨のとき、クルマの運転でまず気を付けることは、視界不良です。

 1時間で50mmを超えるような雨だとワイパーはほとんど効果がなく、周囲の状況がつかみにくくなります。

 このようなときは、十分な車間距離を取り、安全な速度まで落としてゆっくり走行することが大切です。

 そして昼間であってもライトを点灯しましょう。自車の存在を周りに示すことで、追突事故のリスクを減らせます。

■「アンダーパス」が危険な理由

 また、路面に雨水があると、タイヤとの間に水の膜ができて浮き上がってしまうことがあります。

 このとき、タイヤは接地していない状態なので、アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作が効きづらくなり危険です。

 主な原因は、タイヤの回転速度に対して排水能力が追い付いていないことですが、タイヤの空気圧不足や摩耗状況によっても発生しやすくなります。

 豪雨時に速度を落とすのは、視界不良のほか、このような理由もあります。

鉄道のガード下や立体交差のアンダーパスなどでは冠水が起こりやすい

 しかしそもそも豪雨時の運転は危険が増すため、最も確実な対処法は「運転を中断する」ことです。

 一般道は道の駅など、高速道路はSA・PAに待避し、豪雨をやり過ごすのが良いでしょう。

 道の駅やSA・PAでは、付近の道路情報が確認できます。また、スマートフォンがあれば、雨雲の動きなども確認できます。

 都市部などにある、道路や線路などをくぐるアンダーパスも要注意です。豪雨で排水が追い付かず、低いところが冠水することがあります。

 クルマは一般的にマフラーが水没すると排気不良となりエンジン出力が低下します。また、吸気口から水が入るとエンジン内部が水没して停止します。

 クルマが動かず、さらに水圧でドアが開かなくなり、脱出できなくなる恐れもあります。

 冠水した道路の水は濁っていることも多く水深も分かりにくいため、「大丈夫だろう」「行けるだろう」という楽観的な考えで突破を試みるのは避けるべきです。

 ゲリラ豪雨は、深刻な事故を引き起こす原因になり得ます。雨雲が過ぎ去るまで安全な場所で待つか、そもそも運転しないことも検討して良いかもしれません。

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