法令が改正され、バスやタクシーなどに義務付けられていた乗務員名の掲示義務が廃止されました。どのような事情があるのでしょうか。
■タクシーは「ウラ面」に記載
国土交通省は2023年8月1日、バスやタクシーなどに義務付けていた乗務員名の掲示を廃止すると発表しました。
道路運送法施行規則等の一部を改正する省令と関連告示が1日に公布され、即日施行されています。
これまでバスは、車内に運転士の氏名が掲示されていました。
タクシーも、助手席前のダッシュボードに運転手の顔写真や実名などが記された運転者証が掲示されていましたが、改正により掲示義務が廃止されました。
タクシーの新しい運転者証は、利用者から見えるオモテ面は登録番号のみとなり、顔写真や実名などはウラ面に記載される様式に変わります。新しい運転者証への更新については経過措置が設けられます。
運転者証をめぐっては、利用者がスマートフォンなどで撮影しSNSなどで拡散するなど、タクシー運転手への迷惑行為（カスタマーハラスメント）につながる懸念がありました。
国交省は「引き続き旅客の利便の確保を図りつつ、乗務員等のプライバシーにも配慮し、安心して働ける職場環境の整備を促進します」としています。