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「標識見えなかった…」の主張は通る? 日差しの影響で標識無視は違反? 朝日・西日の対策は?

くるまのニュース 2023年8月3日 16時40分

日差しが眩しくて信号や道路標識を無視してしまった場合、交通違反で検挙されるのでしょうか。

■うぁ…日差しで前が見えない…! その時の信号無視は違反になる?

 クルマを運転していると日差しが眩しくて目を開けていられないという経験をした人も少なくないでしょう。
 
 では、このような事情により信号や道路標識を無視してしまった場合、交通違反で検挙されるのでしょうか。

 クルマを運転する時間帯によっては、朝日や西日が差し込み、眩しくて前が見えにくいときがあります。

 特に日差しが信号機や道路標識にかかっていると信号の色や標識を見落としてしまう可能性も考えられます。

 SNS上でも、「帰り道、西日で信号が見えなかった!危ない」という声や実際に「信号無視をしてしまった・・・」という自動車ユーザーの声が寄せられていました。

 では、日差しが眩しかったために信号無視や一時不停止などの交通違反をした場合、交通違反が免除されることはあるのでしょうか。

 結論から言うと、たとえ日差しがまぶしく前方が見えにくい事情があっても、信号や道路標識を見落として走行すると交通違反に該当します。

 ドライバーはサンバイザーを利用して日光を遮ったり、交差点に入る前にスピードを落として安全確認をしたりと対策を講じることができるため、日差しが眩しいからといって違反をして良いことにはならないのです。

 日差しが眩しかったという理由による交通事故は過去にも多数発生しており、2021年4月、広島県三次市内で乗用車のドライバーが青信号の横断歩道を渡っていた女子中学生をはねた事故では、ドライバーが「朝日がまぶしくて信号を見落とした」と説明したことが報じられました。

 この事故では警察がドライバーを自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕しています。

 事故を起こさない、交通違反で取り締まりを受けないためには自分で日差し対策をしなければならないといえるでしょう。

■自分で日差し対策をしなければならないが…どうする?

 具体的には、クルマのサンバイザーを活用する、サングラスをかけるといった方法が挙げられます。

 2022年8月にJAFが実施した、強烈な日差しを遮る方法に関する実験では、西日対策としてサンバイザーが有効であることや、色が濃いサングラスによって眩しさを軽減できることなどが明らかになっています。

 ただしサンバイザーは上方の視界を遮ってしまうデメリットがあるほか、サングラスも日陰やトンネル内では視界が悪くなると言われており、日差し対策としてはサンバイザーとサングラスの両方を組み合わせて活用したほうが良いといえます。

 とはいえ、このような日差し対策をおこなっても眩しく、信号や標識が見えにくい状況は多々あるでしょう。

 その場合にはスピードを落として一旦停止や徐行をした上で信号などを再確認したり、他のクルマや歩行者の動きにも注意を払うことが大切です。

西日が原因で重大事故が発生している(画像引用:八王子警察署)

 また、ユーザーの中には日差し対策として通行する方向や時間帯を変えるという声もありました。

 そこまでするのは面倒だと感じる人もいるかもしれませんが、事故を防止する対策として有効といえるでしょう。

 そのほか、日差しを遮るために運転席や助手席の窓にサンシェードやカーテン、タオルなどを取り付けて運転している人もいます。

 実はこれらの行為は道路交通法第55条第2項に規定する「乗車積載方法違反」に当たります。この違反で捕まると違反点数1点、普通車で反則金6000円が科される可能性があるため注意が必要です。

※ ※ ※

 朝日や西日などがまぶしくて信号や標識を無視すると交通違反に当たるだけでなく、大きな交通事故につながるおそれがあります。

 日差しがまぶしいときにはサンバイザーやサングラスを上手く活用するほか、いつも以上に慎重な運転を心がけましょう。

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