ガソリン車とディーゼル車は当然のように、お互いの逆の燃料を入れてはいけませんが、では同じガソリン車であるハイオク車にレギュラーを入れたり、逆にレギュラー車にハイオクを入れることには問題は無いのでしょうか。
■ハイオク車に「レギュラー」を入れたら何が起きる?
クルマの燃料は基本的に「ガソリン燃料」と「ディーゼル(軽油)燃料」に分類され、さらにガソリン燃料は「レギュラーガソリン(以下、レギュラー)」と「ハイオクガソリン(以下、ハイオク)」に分けられます。
そしてガソリン車とディーゼル車は当然のように、それぞれの逆の燃料を入れてはいけませんが、では同じガソリン車であるハイオク車にレギュラーを入れたり、逆にレギュラー車にハイオクを入れることには問題は無いのでしょうか。
そもそもハイオクとレギュラーには、一体どんな違いがあるのでしょうか。
ハイオクは「高オクタン価ガソリン」の通称で、この「オクタン価」というのはガソリンの「燃えにくさ」を表す規格。
そしてオクタン価が高いほど「燃えにくい」ことを意味しており、つまり「ハイオク」は「燃えにくいガソリン」ということになります。
一般的にガソリン燃料は、エンジン内部で空気と一緒に圧縮され、そこに着火・爆発させてエンジンを動かしていますが、そのとき強く圧縮して爆発させた方がより多くのパワーが引き出すことができます。
しかし燃えやすいガソリン(レギュラー)だと、規定の圧縮比に到達する前に発火してしまうことがあり、これを異常燃焼(ノッキング)といいます。
一方で、レギュラーガソリンと比べて燃えにくいハイオクは異常燃焼が起こりにくいため、十分に圧縮してパワーを引き出すことが可能。
スポーツカーや海外の高級車など、エンジンパワーが大きなクルマの多くがハイオク指定となっている理由にはこのことがあるからです。
■ハイオク車に「レギュラー」を入れた際に考えられる事態とは
ハイオク車にレギュラーを入れた際に考えられる影響について、自動車ディーラーの整備士に話を聞いたところ以下の回答がありました。
「ハイオク指定のクルマ(ハイオク車)にレギュラーを入れて走行することはできます。しかし、異常燃焼が起こるなどエンジンに負担が掛かることが考えられるため、故障を引き起こす可能性もあります(自動車ディーラーの整備士)」
ハイオク車にレギュラーを入れると異常燃焼が起こる可能性がある、ということですが、では反対にレギュラー車にハイオクと入れるとどうなるのでしょう。
ハイオクを入れることで、燃費がアップしたり、走行性能がアップしたりしないのでしょうか。
これについても前述の整備士に聞いてみたところ、「こちらの場合はとくに問題はありません。レギュラーガソリンと同じように問題なく走行できます」とのこと。
ただし、ハイオクを入れることで燃費や走行性能が劇的にアップすることは考えられないといいます。
また、「ハイオクの燃料内には“洗浄剤”が添加されているため、エンジン内部がクリーニングされて綺麗になる」という噂が一部の自動車ユーザー内に囁かれているものの、これについてもそこまで効果が期待できないということでした。
「ハイオクを入れるとガソリン車がパワーアップする」という話は都市伝説にすぎないようです。
そしてレギュラー車にハイオクを入れても問題ないということですが、ハイオクは添加物を加えているなどの理由によってレギュラーよりも約10円ほど値段が高くなっていますので、大きな差がないのであれば通常どおりレギュラーを給油する方が良いでしょう。