レクサスのフラッグシップSUVとなる「LX」。日本における新車価格は1250万円から1800万円ですが、ドイツでは6000万円を超える価格のLXが登場し話題を集めています。
■まさかの6000万円超え!?超高価なLXの正体とは
世界中で高い人気を誇っていることから、長らく受注停止が続いているレクサス「LX」。
日本における新車価格は1250万円から1800万円ですが、ドイツでは6000万円を超える価格のLXが登場し話題を集めています。
2022年1月に発売されたLXは、発売当初から4年を超える異例の長納期が話題となりました。
2023年8月現在では、生産能力を大幅に上回る注文が入っているとして受注を停止している状況です。
トヨタ「ランドクルーザー」譲りの圧倒的な悪路走破性能に、レクサスのフラッグシップSUVの名に恥じない上質な内外装を兼ね備えているLXは、日本はもちろん世界中のエグゼクティブ層から高い支持を得ています。
なかでも、LXの需要が高いとされているのが中東です。
実際、LXの世界初公開の場となったのはサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)であるなど、レクサス自身が中東を強く意識していることがうかがえます。
一方、LXは欧州各国で新車販売されていないことから、中東や北米、そして日本ほどの存在感はありません。
しかし、ドイツのある販売店では、日本円にして6000万円を超える価格でLXが販売されています。
ドイツ北西部のブレーメンにある「Trasco」で販売されているLXは、2022年モデルの新車で、グレードは「EXECUTIVE」と見られます。
後席に豪華なキャプテンシートを備えるなど、LXのなかでも最上級グレードにあたる「EXECUTIVE」ですが、日本における新車価格は1800万円となっています。
並行輸入の場合、新車価格を超える値段が付けられることは珍しくありませんが、それでも新車価格の3倍を超えることはほとんどありません。
それでもこのLXが非常に高価である理由は、このLXが世界トップクラスの性能を持つ防弾車両であることにあります。
■6000万円のLXがスゴい…その理由とは
実はこのLXを販売している「Trasco」は、30年以上にわたって防弾車両製作行なってきた歴史ある企業です。
高級SUVや高級セダンをベースとしたさまざまな防弾車両を世に送り出してきました。
そんな「Trasco」が手掛ける防弾仕様のLXは、一見すると通常のものと大きな違いは見られません。
しかし、軍隊仕様のライフルや手榴弾の爆風にも耐えることのできる「VR9」と呼ばれる最高レベルの防弾性能を持っており、VIPの安全を十分確保することが可能です。
このLXは、強固なボディフレームや安全ガラスを採用していることはもちろん、超重量級のボディを支えるためにエンジンやサスペンション、ブレーキなども強化されています。
また、最大6tを超える重量にも対応可能なホイールとランフラットタイヤが組み合わされています。
一方、ブラウンのレザーが美しい内装は、ベースとなるLXと大きく変わることはありません。
後部座席にはそれぞれモニターが備わっているなど、装備も充実しています。
この防弾仕様のLXは、2年の保証が付いたうえで39万3000ユーロ(約6225万円)で販売されています。
通常のLXをはるかにしのぐ価格ですが、世界トップレベルの防弾車両だと思えば決して高くはないのかもしれません。
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その防弾性能を発揮する機会が来ないことを願うばかりですが、一部の国や地域では防弾車両が高い需要を持っているのも事実です。
「Trasco」ではLXのほかに、メルセデス・ベンツ「Gクラス」やBMW「7シリーズ」、トヨタ「ランドクルーザー」などをベースとした防弾車両を製作しており、国家元首やセレブリティなどに高い支持を得ているようです。