ショーファードリブンカーとなるトヨタ「センチュリー」のカスタマイズ仕様が存在します。どのような特徴があるのでしょうか。
■日本が誇るトヨタ「センチュリー」とは
日本車の中で現在する唯一無二のショーファードリブンカーとなるトヨタ「センチュリー」。
様々な伝統技法や職人の手によって手掛けられたモデルですが、あえてカスタマイズするとどのような仕上がりとなるのでしょうか。
世界各国には、ハイクオリティな装備や静寂性の高い快適な乗り心地などが特徴的な高級車と呼ばれるクルマが、数多く存在しています。
そのほとんどは、所有者がハンドルを握る「ドライバーズカー」ばかりです。
それに対し、経営者や政府の要人などがお抱え運転手を雇い、移動する目的のために利用するクルマを「ショーファードリブンカー」といいます。
ショーファードリブンカーの定義は難しいですが、海外ではロールス・ロイス「ファントム」やメルセデス・マイバッハ「Sクラス」などが挙げられます。
そして、日本ではトヨタのセンチュリーです。
トヨタが1967年に官公庁や企業の公用車 として開発をおこない、後席の広さはもちろんのこと乗り降りのしやすさを考慮した最高級のセダンとなっています。
とくに、皇族や内閣総理大臣の公用車として採用していることもあって、センチュリーのショーファードリブンカーとしてのイメージを確立してきました。
手作業での溶接や塗装の工程も通常より長い時間をかけるなど、センチュリーは他のクルマとは一線を画します。
手間暇かけた製造工程と後席の快適性はそのままに、1997年に2代目、2018年に現行型の3代目が誕生し、エンジンも5リッターV12から5リッターV8のハイブリッドに変更されています。
とくに3代目のセンチュリーは、ショーファードリブンカーとしての磨きがかかり、ボディサイズは全長5335mm×全幅1930mm、全高1505mmといった堂々たるものです。
また、ハイブリッド化したことで燃費は大幅に改善され、先代の7.6 km/Lから13.6 km/Lになりました。
ほかにも後席には大型モニターや20スピーカーオーディオシステムなどが搭載され、ショーファードリブンカーとしての快適装備も満載です。
またフロントグリルの奥と車内アナログ時計には七宝文様をあしらい、前後席を本杢のウッドパネルで区切って後席天井には紗綾形崩し柄が織物にあしらわれるなど、細部からもトヨタの意気込みを感じられます。
■カスタマイズされたセンチュリーは何が変わっているのか
そんなトヨタ最高級セダンのセンチュリーに、日本の老舗カスタムメーカーWALDが専用エアロパーツを開発したようです。
WALDは、トヨタ車以外にもメルセデスベンツなどのエアロパーツやアルミホイールを製作しており、デザイン以外に品質や精度の完成度も高いメーカーです。
とくにメルセデス・ベンツ「Gクラス」のエアロパーツは、日本のみならず世界中から支持を得ています。
そして今回、製作をおこなったのは輸入車や希少車のカスタムなどをおこなうオートファクトリー仁というショップです。
それでは、センチュリーのWALDエアロのカスタム車はどのような仕様になっているのでしょうか。同店の担当者は次のように話します。
「WALDのエグゼクティブラインというパーツを使っています。
フロントスポイラー、サイドステップ、リアスカート、トランクスポイラーにエアロを装着しています。
ホイールも21インチのWALDのホイールを使用し、黒く塗装しました。
また、ロワリングロッドで車高を下げています。センチュリーのメッキパーツを一度解体して黒く塗っています」
そもそもWALDエアロを装着するセンチュリーはどのような経緯で生まれたのでしょうか。
「当店では基本は高級輸入車のカスタムをおこなっていますが、国産の高級車も取り扱いたく、日本トップの高級車であるセンチュリーのカスタムをしました。
そして、『人と被らないようなセンチュリー』を表現したく、とことんクールで押し出し感のあるカスタムをおこないました。
また、ブレーキのキャリパーをシルバーにしていますが、『カスタムは施しているけど純正でありそうなセンチュリー』というクルマにしました」
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WALDエアロを装着したセンチュリーについて、オートファクトリー仁には「ロールスロイスに見えた」「オリジナリティがあっていい」といった声が届いています。
同店の担当者は、「今後もセンチュリーWALDエアロ仕様のような、人と被らないクルマを製作していきたい」と話します。