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セルフ式GSは「ガソリン価格が安い」噂はホント? フルサービス式と何が違う? 真相はいかに?

くるまのニュース 2023年8月20日 17時10分

ガソリンスタンドにはセルフ式と有人のフルサービス式があり、セルフ式はドライバーが給油することから燃料価格が安いともいわれています。その噂は本当なのでしょうか。

■セルフ式GS vs フルサービス式GS ガソリンが安いのはどっち?

 昨今、ガソリン価格が高騰しており、レギュラーガソリンが200円を超えるのではないかともいわれています。
 
 少しでも安く給油したいと思う人がほとんどだと思いますが、ガソリンスタンド(GS)には、スタッフが給油してくれるフルサービスのGSとドライバー自らが給油するセルフ式GSがあり、セルフ式GSのほうがガソリン価格が安いという噂もささやかれています。
 
 実際、セルフ式GSとフルサービス式GSで価格に違いはあるのでしょうか。

 一般的にセルフ式GSの方がガソリン価格が安い傾向にあるのは本当だといえます。

 ガソリンは意外と利益があまりなく、例えば1リッター150円で販売される場合、ガソリン税が53.8円かけられています。その内訳は、揮発油税が48.6円、地方揮発油税が5.2円です。

 さらにはガソリン本体価格(ガソリン税を含む)×消費税率」として消費税が10%上乗せされています。

 そして、1リッター当たりの利益はセルフ式GSとフルサービス式GSで少々異なるようです。

 セルフ式GSの店長に話を聞いたところ、「セルフ式GSでは人件費を差し引くと、利益は約10円程度」だといいます。しかも、キャンペーンや割引クーポンなどで給油するとそこから2円~3円が引かれて、ますます利益が少なくなるそうです。

 一方のフルサービスGSの利益は「人件費を差し引くと約15円程度」とのこと。セルフ式GSよりも5円ほど利益が多いといえますが、フルサービス式GSの場合、約5円のなかで人件費が多くを占めているといいます。

 セルフ式GS・フルサービス式GSともに、危険物免状保有者や自動車整備士などの資格を保有しているスタッフが常駐する必要があるのですが、セルフ式GSの場合、たとえば14レーン給油可能なスタンドだと3~4名のスタッフで回すことができます。

 フルサービス式GSで14レーン給油可能な場合、日中は7~8名のスタッフが必要となります。

 セルフ式GSはドライバーが給油するのでスタッフの人数を減らすことができるのに対し、フルサービス式GSでは誘導から給油のセッティング、ゴミ捨て、窓ふき、作業の説明、料金の支払いなどすべてスタッフがおこないます。

 来客の回転数を上げるためにもスタッフの人数が必要となり、そのぶん人件費がかかるので、ガソリン価格に上乗せされているのです。

 ところで、石油メーカーなどの卸値が上昇したときに、上昇した価格に合わせてガソリンの店頭価格も値上げすると客足が遠のいてしまいます。そのため、店頭価格を安易に値上げしないケースがあるといいます。

 前出のセルフ式GS店長は、卸売価格の多少の上昇では店頭のガソリン価格を変更しないといい、「普段タンクローリーで燃料を運搬・補給していますが、運送業者に掛け合って運送コストを減らすなどして店頭価格の上昇を食い止めるケースもあります」とコメントしています。

 このようにして価格上昇に向き合っているGSもありますが、給油だけでは経営が難しく、洗車やオイル交換といった商品も販売して給油以外の部分で利益を上げているのです。

※ ※ ※

 ちなみに、洗車に目を向けると、フルサービス式GSのほうが豊富なメニューを設定していることが多いようです。

 フルサービス式GSでは、洗車とは別メニューでホイールクリーニングは鉄粉撤去、虫落とし、ピッチ除去、内窓クリーニングなども請け負いますが、セルフ式GSではそこまでのメニューが用意されていない場合もあります。

 フルサービス式GSはスタッフとコミュニケーションを取れるといったメリットもあり、すべてお任せしたい人に向いているといえるでしょう。

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